ミッション24 2020二度見したものベスト10

ミッション24
電通第5CRプランニング局 クリエーティブ・ディレクター / コピーライター
Akira Kadota
門田 陽

2021年も、しっかりあけました! 2020年という年は未来の教科書にどんな風に記されるのでしょうか。さて今回の指令は一年前(ミッション⑱)と同じです。「特別な年」と言われ続け、さらにまだその特別な状況は続いていますが、だからこそ好奇心オジサンの視点と目線で集めた2020年の風景を残すことは意味があると思っています。この企画は昨年も書きましたが70年代から80年代に一世を風靡した雑誌宝島の「VOW」や赤瀬川源平さん達の「超芸術トマソン」を大いに意識(リスペクト)した個人的な記録です。この一年もまたほんとにキョロキョロ落ち着きなく過ごしました。

 

<選出方法・ルール>

やることは昨年同様(なのでここの説明も去年とほぼ同じです)。選び方の基準は超シンプル。日常生活の中で僕が「うん?」「え!」「どした!?」とつい二度見したものをその場でスマホでパシャッと撮り、その中から良かったものを上から順に並べました。ランキングの上下は単純に僕の心がときめいた順(こんまり方式)、完全無欠な独断ですのでお許しを。ひとつだけルールがあって、この二度見はどれも僕が直接ライブで見たものだけです。テレビやネットや雑誌等で見たものは入れていません。そちらはこの時期、メジャーな番組や広告雑誌等で年間ベストのような形で沢山あるのでお任せします。

※この一年で撮った写真はコロナでステイホームの期間が長かったために昨年の半分足らずの約4000点、そこからざっくり500点まで粗選りして、一点ずつ丁寧に確認。さらに絞られた100点を上記の選考方式で順位を決めました。

 

 ではでは、発表!ベスト10だけでは忍びないのでベスト50をご覧ください。

 

 第50位 撮影地 東京都(※写真㊿)

写真㊿

撮影場所は確か清澄白河駅のそばだったと思います。「変えるなら奥さんよりも壁の色!」という綾小路的575。令和の現在、何かのハラスメントに引っ掛かりそうで気になって二度見してしまいました。

 

 第49位 撮影地 山梨県(※写真㊾)

写真㊾

ちょうど一年前、雪が残る寒いところを歩いていると唐突に北勝富士関の等身大パネルが置いてありました。雪の上での裸姿が妙にしっくり似合うなと思った記憶があります。

 

 第48位 撮影地 東京都(※写真㊽)

写真㊽

家の近所の八百屋さんの店先がある日キウイで溢れていました。きっと誰かが入荷数を一桁ミスしたんだろうなぁ。

 

 第47位 撮影地 長野県(※写真㊼)

写真㊼

おそらく芭蕉風にシャレたんですよね。コンクリートの冷たい細い道でした。

 

 第46位 撮影地 東京都(※写真㊻)

写真㊻

渋谷の「のんべい横丁」や新宿の「思い出横丁」、吉祥寺の「ハーモニカ横丁」に亀戸横丁など東京には有名な横丁と名が付く場所があります。有楽町のビルの地下にあるここは小さくてあまり知られていませんがチャーミングな名前だなと、横を通るたびに魅かれます。

 

 第45位 撮影地 東京都(※写真㊺)

写真㊺

きちんとした形のポスターを取り上げるつもりはなかったのですが、この「ない」と「ある」という2語を使ったキャッチフレーズはプロのコピーライターなら必ずどこかで書いてしまうのです。「ないものはない」って、それはあるの?ないの?「ないものがある」「あるものがない」「あるものはある」とどのコピーも調べるとわりと有名な企業で過去に使っていたりするのですね。それにしてもこのポスターは読む方向が難しくて困りました。

 

 第44位 撮影地 東京都(※写真㊹)

写真㊹

木場を自転車で走っていて見つけた看板。「タクシーやる」って違和感ありませんか。うん? ロボカー? ケンタウロスや笑い飯の「鳥人」を想像しました。

 

 第43位 撮影地 静岡県(※写真㊸)

写真㊸

「ちんちん」は小学生男子(女子は3年生くらいまでかな?)にはテッパンワード! これ、間違いなくそれを狙いでやっているはずです。

 

 第40位 撮影地 東京都(※写真㊵)・大分県(※写真㊶)・宮崎県(※写真㊷)

写真㊵

写真㊶

写真㊷

いきなりですが、ステーキ3店シリーズ。おそらく本家にお断りは入れてない気がします。地方であればギリギリなラインでしょうか。と、思ったら「アッ!そうだ」と「やっぱり」はそれなりにチェーン展開しているようです。

 

 第39位 & 第38位 撮影地いずれも東京都(※写真㊴・写真㊳)

 写真㊴

写真㊳

㊳と㊴はいずれも昨年10月17日に国旗検定を受けに(※その模様はクリエイティブ探検隊㉓)東京大学駒場キャンパスに行ったときに見つけたものです。勧誘に注意というそのポスター自体の怪しさが第38位、想像よりもバイト代が高くないなと思った看板広告が第39位です。

 

 第37位 撮影地 東京都(※写真㊲)

写真㊲

「49日」というのは僕たち日本人には特別な意味があります。それがドンと書かれたポスターが道の対面に見えたので何だろうとそばまで行って、そういうことねと納得したのでした。場所は池袋でした。

 

 第36位 撮影地 東京都(※写真㊱)

写真㊱

その昔、日光猿軍団の人気の猿がお正月に干支の着ぐるみを着て走りまわり会場が大爆笑になっていたことを思い出しました。元々のキャラが埋もれています笑。

 

 第35位 撮影地 東京都(※写真㉟)

写真㉟

え!?「しまぽ」って、みんな知っているのでしょうか? アレ? 僕、知らないんだけど、不安。

 

 第34位 撮影地 東京都(※写真㉞)

写真㉞

いやただ何となく、「蒸し」ではなく「虫」を思い浮かべてしまったのです。

 

第31位 撮影地いずれも東京都(※写真㉛・写真㉜・写真㉝)

写真㉛

写真㉜

写真㉝

はい! この3点は地元博多愛と言いますか、福岡の人なら間違いなく二度見三度見するはずです。㉛は「博多にわか」という伝統的な地元のお面。僕もこのデザインの財布を愛用してはよくなくします。㉜は博多弁で「なおす」は「物をしまう、片付ける」の意味。これは上京1年目のときはほんとによく間違えました。今でも「道路をなおす? なおせんやろ!」とつい突っ込んでしまいます。㉝は正確には「山本カヨ」で、この名前を知らない福岡市民(いやたぶん県民も)はもぐりの福岡市民です。そこを語るとそれだけで朝まで喋れるのでまたにします。

 

 第30位 撮影地 東京都(※写真㉚の前・写真㉚の後)

写真㉚の前

写真㉚の後

暮れの12月の頭に家のすぐ前の道路に大きな箱が置かれました。そのままの状態で3週間放置されていました。不気味でした。しかし無事に箱が開けられると今では何のこともないただの風景の一つになりました。

 

第21位 撮影地 東京都(※写真㉑)・東京都(※写真㉒)・静岡県(※写真㉓)・東京都(※写真㉔)・東京都(※写真㉕)・東京都(※写真㉖)・東京都(※写真㉗)・静岡県(※写真㉘)・東京都(※写真㉙)

写真㉑

写真㉒

写真㉓

写真㉔

写真㉕

写真㉖

写真㉗

写真㉘

写真㉙

21位から29位までの9点はいずれもコロナ禍でなければ見ることはなかったものばかりです。ある意味2020年は特別な経験ができた年とも言えるのかもしれません。㉑おそらく2019年までマスクの幟なんて誰も作らなかったでしょう。㉒春先はマスクの人気は絶好調。㉓飲むマスクや㉔エロいマスクも登場、㉕三越のライオンもしっかりマスク姿、㉖多くの店が貼り紙をして㉗㉘公共の場所はどこもディスタンス。㉙そんな中、一瞬「エッ!?松本人志!」と思ったら「松本大志」でした。単なる見間違い。

 

 第20位 撮影地 キューバ(※写真⑳-a・⑳-b・⑳-c・⑳-d・⑳-e)

写真⑳-a

⑳-b

⑳-c

⑳-d

⑳-e

もうコロナ前の暮らしになることはないでしょう。それまで僕は仕事で毎年3~4カ国を訪ねていました。もはや遠い昔に思えますが2020年の2月はキューバでロケを行いました。コロナ前の最後の仕事。そこで二度見したものをまとめて5点20位に選びました。⑳-aは車の押し掛けの光景。昭和40年代までは日本でもよく見た図です。⑳-bのピクトグラムは何が禁止なのでしょう? ⑳-cの左の女性はウエディングドレスだったけど他の人はふつうの格好。⑳-dの意味ありげな絵は単なる落書き、⑳-eのお姉さん座りはちょっと色っぽかったです。

 

 第19位 撮影地 東京都(※写真⑲)

写真⑲

客に作っている姿を見せないのだろうか? それともまさか。

 

 第18位 撮影地 東京都(※写真⑱)

写真⑱

元お坊さん? まず間違いなく坊主頭の人が出てくるとは思うけど。

 

 第17位 撮影地 大分県(※写真⑰)

写真⑰

下に小さく「れんたろうくん、もしきてくれたなら、ごめんね」って今の時代、何か他に伝える方法はなかったのだろうか。

 

 第16位 撮影地 山形県(※写真⑯)

写真⑯

全部が店名かな? 最後の「よ」が気になって気になって。

 

 第15位 撮影地 東京都(※写真⑮)

写真⑮

シャッターが閉まってから、かなりの年月が経っていますが何のお店だったのだろう?

 

 第14位 撮影地 東京都(※写真⑭)

写真⑭

GSのアルバイト募集。これって、なんだか日によって時給が変わりそうですよね。

 

 第13位 撮影地 東京都(※写真⑬)

写真⑬

このシャッターもなかなか目立っていますが、お店なのかそれとも何かの会社なのかはわかりませんでした。

 

 第12位 撮影地 東京都(※写真⑫)

写真⑫

地下鉄小川町駅の地上に出たところにある大きな顔。意味不明なものに、人はときどきドキドキします。

 

 第11位 撮影地 東京都(※写真⑪)

写真⑪

「サルトル」って、なかなか斬新なマンションネームだと思います。

 

 第10位 撮影地 東京都(※写真⑩-a・⑩-b・⑩-c)

写真⑩-a

⑩-b

⑩-c

⑩-aこんな看板を出されたら入らずにはいられません。するとほんとに気さくな女将さんがおいしい料理をこさえてくれました。女将さんは福岡の嘉麻(かま)市出身で⑩-b地元のパンフレットを見せてくれました。⑩-cその裏表紙には嘉麻市の観光文化大使のおすぎがこれでもかと載っていました。嘉麻市に激しく興味がわきました。市長に会ってみたいです。

 

 第9位 撮影地 東京都(※写真⑨)

写真⑨

「もうすぐ冬」って、これを撮ったのは8月の一番暑い日でした。場所は江東区の商店街。

 

 第8位 撮影地 東京都(※写真⑧)

写真⑧

これは児童公園の管理室みたいなところで見た光景ですが、公園の落とし物なのだそうです。フシギな陳列方法です。

 

 第7位 撮影地 東京都(※写真⑦)

写真⑦

仮とは思えないずいぶん立派な佇まいです。もう無理に引っ越さずにここでいいよという人が続出しそう。

 

 第6位 撮影地 東京都(※写真⑥)

写真⑥

これ、一見何がヘンなのか、わかりにくいです。真ん中の縦書きの文言。「デパートで買うと思えば5個買える」って、いやいや5個はいらん、もっと言えば1個もいりません笑

 

 第5位 撮影地 東京都(※写真⑤)

写真⑤

いったいこの公園で何があったのですか! 禁止事項の看板が目に余り過ぎる数あります。よほどのことがあったとしか思えません。子どもは一人もいませんでした。

 

 第4位 撮影地 東京都(※写真④)

写真④

特にお店があるわけでもなく、一体何なのか謎のシャッター。お相撲さんのイラストは描けそうで案外難しいはずです。いい味です。

 

 第3位 撮影地 宮崎県(※写真③)

写真③

説明不要。この国にはダジャレという素敵な文化があるのです。

 

 第2位 撮影地 東京都(※写真②)

写真②

うん!? 男性限定の間違いじゃないよな?どんな大家さんなのでしょう? そしてどんな入居者が来るのかどこかの局でドキュメントやってくれないかなぁ。そこそこの視聴率を稼ぐ物件です。

 

 第1位 撮影地 静岡県(※写真①)

写真①

この椅子に座る人の人物像を考えるだけで楽しくなります。きっとこの商店街の親方みたいな人が毎日ここにドカッと座り街の人達と馬鹿ッ話をして日が暮れる、なんてことを妄想するとワクワクが止まりません。

 

おまけ 撮影地 キューバ(※写真おまけ①・写真おまけ②・写真おまけ③) 東京都(※写真おまけ④)

写真おまけ①

写真おまけ②

写真おまけ③

写真おまけ④

2020年をいい年だった、と言える人は多くはないと思います。毎日いつも気持ちのどこかに心配や不安があって、疲れの貯まった年だった気もします。そんなとき、理屈ではなく一瞬で癒してくれる光景に何度か救われました。以前はそんなに好きではなかったのになぁ。歳をとって、少し化けてきたのかにゃ。ニャオ。

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