WEB・モバイル2018.01.17

学びはビジネスへの架け橋

京都
株式会社エフアイシーシー
データドリブンデザイン事業部
事業部長
村松勇輝さん
変化の激しいWeb業界において、その変化に合わせて成長し、進化する会社があります。株式会社FICC(エフアイシーシー)もその一つ。東京で、Web制作会社からスタートし、現在はデータに基づくマーケティングを提供するデジタルエージェンシーとして、さまざまな企業を支えています。今回は京都支社にお邪魔し、シニアプロデューサーの村松勇輝(むらまつゆうき)さんから今に至る経緯や京都支社の役割、今後の展望についてお伺いしました。同社が成長した原動力は、効率化された教育プログラムにありました。その秘密にも迫ります!

メガトレンドの流れに合わせて進化

村松さんが株式会社エフアイシーシーに入社した経緯を教えてください。

大学生の時に、Web制作会社でアルバイトをしていました。その会社の代表というのが、弊社の代表である荻野で、その後、今の株式会社エフアイシーシーに変わるタイミングで正社員として入社しました。ちょうど就職を控えていた時期で、人として成長させてくれる荻野の魅力に惚れ込み、「一緒にやらせてください」とお願いしたんです。当時はFlashが全盛期ということもあり、インタラクティヴなWebサイトを作る、まさにクリエイティブに強い会社でした。

現在、御社の事業内容はデジタルマーケティングが主だとお聞きしました。Web制作会社から今に至る変化について教えてください。

1998年のGoogle設立、2004年のSNS流行、2007年のiPhone発売、2015年の第4世代移動通信システムのスタートなど、インターネットにおけるメガトレンドの流れに合わせて、何が価値として提供できるのかということを模索しつつ、常に変化して今に至ったという感じです。また、2005年にGoogleから無料のアクセス解析サービスが開始されたことにより、ページ制作における費用対効果が誰でも簡単に測定可能になりました。つまり、Webサイトの価値基準が見た目だけではなく、数値的に判断できるようになったのです。そういった様々な変化に応じて、Web制作からデジタルマーケティングに軸を移行しました。

2012年に京都オフィスを開設されました。京都にオフィスを開設された、その理由を教えてください。

東京にある弊社の中で、重要な役割を担っていたメンバーが京都に移住することになったというのが一つの理由です。もう一つは、当時、関西のWeb関連の会社との関係から、関西にも優れたクリエイターがたくさんいることを知っていたので、関西のすぐれたクリエイターとの新たな出会いを期待したということです。特に、京都には美術大学が多いので、若くて才能のある人材に出会えるという可能性を感じました。

京都オフィスの役割について教えてください。

昨年から京都支社はデータドリブンデザイン事業部(※1)という名前に変わり、主にオウンドメディア(※2)を軸として、ブランディングやデジタルマーケティングにフォーカスした仕事を展開しています。分かりやすい事例で言うと、Webサイトのアクセス解析を行い、成果につながる課題を見つけ出します。そこから仮説を立案して、ABテスト(※3)で検証を行うなど、すべてデータを基にして最適なクリエイティブやマーケティングを導き出すのです。つまり、オウンドメディアで獲得できるデータを有効に活用して、Web制作やマーケティングに活かす仕事です。あとは、お問い合わせや資料請求で獲得したユーザーのデータからターゲットを明確にし、最適な広告施策に活かす方法を立案・実行しています。目指すべきは再現性のある仕事です。案件に応じて単発で受けるのではなく、クライアントにとって、最適なパートナーになれるように努めています。

※1 売り上げやWeb解析などから得たマーケティングデータを集め、総合的に分析し、それに応じた企画立案を行うこと
※2 ホームページ、ブログ、Twitterなどの自社が管理しているメディア
※3 Webページやバナーなどの画像、コピーなどを複数パターン用意して、どちらがより効果の高い成果を出せるのかを検証すること

学びあえる環境作りを徹底

御社は社員教育に力を入れているとお聞きしました。具体的には、どんなことをされているのですか?

「知識を掛け合わせることが新しい価値創造につながる」という行動指針に基づいて、社員間で知識を共有し合い、学びを高める環境作りを徹底しています。具体的には、7年かけて蓄積したトレーニングプログラムを、それぞれ習得したメンバーが他のメンバーに対してワークショップを行い、お互い学び合います。また、東京オフィスで行った外部講師によるセミナーの内容を書類化し、京都オフィスにもシェア。読書においても、読んだ本の要点をそれぞれの社員がまとめて、共有し合います。一人で1,000冊読むことは困難ですが、社員みんなで分け合えばそれが可能になるということです。新人社員に関しては、アドバイザー制度を設けています。新入社員一人につき、経験値の高い社員がアドバイザーを担当し、一緒にアクションプランを立てて、定期的に面談を行います。学び、成長し合える環境こそが、他社にはない弊社の強みだと考えています。

村松さんが仕事の中で大切にされていることは何でしょう?

プロデューサー、ディレクター、デザイナー、エンジニアという役職があって、それぞれの視点で意見を掛け合うと、アイデアが変化し、さらに良くなることがあります。例えば、僕が考えている案をエンジニアに伝えると、エンジニアからまた違った案が生まれる。そこから、より効果的な案を導き出すような展開は、自分一人では生み出せません。それぞれの得意分野が長けていればいるほど、そういうことが生まれるんです。つまり、それぞれの知識を尊重し、新しい価値創造につなげる柔軟さを大切にしています。

必要なのは、コミュニケーションを潤滑にする共通言語。例えば、相手がエンジニアであれば、取り扱っているプログラムなどです。相手に合わせて、その都度、必要だと感じる内容は徹底的に学びます。それは相手も同様。ともに学びあうことが大切なのです。

学びこそが、ビジネスにつながる。

今後の展望について教えてください。

個人的には、データドリブンデザイン事業部としてのサービスをより確立させる中で、優れた技術力を持つ企業とお仕事がしたいと考えています。日本には、さまざまな分野で世界トップクラスの技術を誇る企業があります。日本の優れた技術を世界にアピールすることで、その結果、国内での価値も高まり、自分の国の誇りにつながる、そういった仕事に関われたらうれしいです。
京都に来て5年が経ちましたが、まだまだ、関西での出会いはこれからも増えると信じています。それは、クライアントさんだけでなく、新たに一緒に働く社員も。社員の学びや成長につながるように、環境も進化させます。具体的には、年始早々に同じ建物内に新たなスペースを拡張する予定です。東京本社が昨年の10月に移転をして、ライブラリースペースや特徴のある会議室を有する、まさに学びや成長につながるオフィスになりました。京都でも同様の進化を目指します。

若きクリエイターの皆さんにアドバイスをお願いします。

エフアイシーシーの全体ミーティングの際に役員から紹介された哲学者の言葉があります。「人間は教育されなければならない唯一の被造物である/イマヌエル・カント」や、「激烈な変化の時代において未来の後継者となりうるのは、学びつづける人間である/エリック・ホッファー」※5とあるように、まずは学ぶ情熱を持ち続けることが大切です。今、日本の平均寿命が80歳以上と言われている中で、小学生から大学卒業までの約16年なんて、とても短い時間なんです。社会人になってから学ぶ時間がたくさん待っています。就職するのがゴールではなく、就職してからが本当の意味での学びのスタートです。学ぶこと自体がビジネスにつながると信じて、ぜひ挑戦していただきたいです。

※5 出典:http://www.sakuhinsha.com/philosophy/5278.html

取材日:2017年11月16日 ライター:7omoya

株式会社エフアイシーシー

  • 代表取締役:荻野 英希
  • 設立年月日:2004年2月
  • 資本金:1,750万円
  • 事業内容:
    広告代理店業務/広告、宣伝に関する企画および制作/広告に使用する販売促進物の制作/販売促進活動に関するコンサルティング・制作/Webサイトデザイン制作・運営/商品販売サイト制作・運営/有料職業紹介事業および人材派遣業/有料職業紹介事業
  • 所在地:
    東京オフィス 〒107-0052 東京都港区赤坂3-11-3 赤坂中川ビルディング 2F
    京都オフィス 〒600-8023 京都府京都市下京区河原町通松原上る2富永町338 京阪四条河原町ビル 8F
  • URL:https://www.ficc.jp
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