「まずはやっちゃえ」、地方企業プロモーションで、関係人口を増加へ

新潟
株式会社Riparia 代表取締役CEO
Masataka Murota
室田 雅貴

副業人材マッチングサービス「ともるい」の展開やSNS運用、ショート動画制作などによるプロモーション支援を行う新潟の株式会社Riparia(リペリア)。代表を務める室田 雅貴(むろた まさたか)さんが、新潟大学大学院在学中に設立しました。”東京にいながら地方に関われるきっかけづくり”を目指し走り出した同社は、年々成長を遂げています。「地方への関係人口を増やしたい」と話す室田さんの真意とは?設立の経緯や目指す方向性などについて、話を伺いました。

インターシップやアルバイトで学んだスキルを起業で腕試し。県の時流も後押しに

創業までの経緯を教えてください。

私が起業したのは、19年9月。新型コロナウイルス禍となる前のことでした。当時は新潟大学自然科学研究科の院生で、一般企業から内定をいただいている状態でした。インターンシップやアルバイトで経験した、メガベンチャーのエンジニアとして経験を積みたい。そしてゆくゆくは、そこで培った技術を使ってサービスづくりを体系化し、実践的にアウトプットを生み出したいとその頃は考えていました。アプリやWebサービスなどの研究・開発を行っていたのですが、社会の中でそれらのサービスがどういった形で寄与していくのかを体感してみたい、そのような考えが起業のきっかけでした。

ビジネス的な面のノウハウはお持ちだったのですか?

まったくありませんでした。私と同じ研究室に所属していたメンバーと一緒に創業しましたが、彼の方がエンジニアの素質やスキルが高かったこともあり、私が経営、彼が開発という立ち位置で運営していました。しかし私は、経営を学んだことがなかったので、とにかく積極的にベンチャー起業を目指す若い世代の集まりに参加し、考え方やスキルを身につけることを意識していました。
同時に、新潟県内でのネットワークづくりにも精力的に取り組みました。その頃はタイミングよく、県が起業支援に力を入れ始め、学生が起業しやすい環境が整い始めた時期でした。新潟ベンチャー協会が主催するピッチコンテストなども始まり、その勢いに乗って起業できたことが幸運だったと思います。
インターンシップなどを経て、実践を積んでから、会社経営を始めて今に至るという感じですね。

地方の関係者人口を増やしたい!を原動力に、SNS運用や動画・HP制作も

現在の事業内容を教えてください。

創業当時にメイン事業としていた副業人材マッチングサービス「ともるい」と、そこから派生した、地方企業さんなどを対象としたプロモーション支援です。具体的にはSNS運用やショート動画制作、ホームページ制作を主軸に事業をおこなっています。

地方に貢献したいと思う副業ワーカーと地方企業をマッチングする「ともるい」を立ち上げた経緯を教えてください。

東京から地方への関係人口の増加が目的でした。コロナ禍前の創業時は、今よりも首都圏への一極集中が強いタイミング。都心部よりも自然豊かな地方で暮らすことに価値を感じていた私は、「どこでも暮らせる社会をつくりたい」と考えるようになりました。そこで東京にいながら地方に関われるきっかけをつくろう、と立ち上げたのが副業人材のマッチングサービス「ともるい」でした。
実装する中でいくつかの問題に直面し、今は私たちの会社がハブ的存在になり、人と企業をつなぐお手伝いをするようになりました。その結果が、プロモーション支援という形になります。

若さは強みであり、成長の伸び代。プロ意識高く持ち、仕事に臨んでもらいたい

御社ならではの強みを教えてください。

6人いるメンバーの若さと勢いが強みだと思います。若さを生かした思い切りの良さや決断力でスピード感があり、ともるいで想定しているメインのターゲット層と年齢が近いからこそ、その世代に刺さるものを制作できる、そういった点でしょうか。
また、それぞれに得意分野はありますが、全員がマルチプレーヤーであることも強みだと思っています。営業からディレクション、デザイン、場合によっては撮影も自ら行います。一気通貫スタイルでクライアントさまと向き合うことで、より効果的なアプローチができていると考えます。

すべてを自分で担当することはなかなか難しい面もあるのではないですか?

外部のプロと一緒にプロジェクトを進めることもありますが、自分たち自身がプロであること、プロ意識を持って仕事に臨んでもらいたいと私は考えています。ですので、会社としては結果を出してさえもらえればいい、という考え方のもと、出社時間はフレックスとし、成果のあげ方は各自に任せるスタイルをとっています。自由と責任のトレードオフは若いからこそ、きちんとやってもらいたいというのがうちの社風ですね。

「新潟には全国に誇るべきものがたくさんある」。離島にも拠点、いずれは世界を舞台に

佐渡にも拠点を設けた理由を教えてください。

佐渡はコンテンツとして非常に魅力的です。離島って独自の文化が形成されていて、独特な空気が島には流れています。そういったものが、日本人のみならず海外の方にも刺さりやすく、新潟という場所は知らなくても、佐渡なら分かるという人も少なくありません。そういった場所をプロモーションできたら楽しいだろうな、そんな好奇心から拠点を構えることにしました。
2021年から3人のメンバーが移住し、リモートで勤務しています。人を惹きつけられるコンテンツの創造という意味でも、佐渡に拠点を置いた意味はあると考えています。今後は、おもしろいと思っていただける佐渡ならではの要素を発掘し、発信していきたいと考えています。

室田さんの考える、新潟ならではの良さとはなんですか?

まずは人。新潟は中小企業が多く、それぞれに個性的な会社がたくさん存在します。その企業を束ねる社長も魅力的な多く、おもしろい。だから、創造されるものも非常に魅力的に仕上がる。これに尽きると思います。
そして、次に自然豊かであること。個人的にもアウトドアが好きなので、行きたいと思ったらすぐにキャンプに行ける環境は最高です。海も近いし、少し車を走らせればゴルフ場だってある。さらには、食材が豊富で、四季折々で多様な味わいに出会える。新潟には全国に誇るべきものがたくさんあると思います。こういった環境があるからこそ、クリエイティブな仕事ができ、感受性も育まれるのではないかと思います。

今後の展望についてお聞かせください。

プロモーション支援事業の対象は、民間企業から始まりましたが、徐々に行政との施策も増えてきました。そこで得たノウハウやスキルを生かして、新潟以外の地方都市でも同様の人と企業をつなぐサービスを展開し、地方で働きやすい環境づくりに寄与していきたいと考えています。
とはいえ、最先端のスキルが東京にはあります。そういったものを吸収することで、地方にフィードバックできることがあると思うので、閉じこもらず、足を運んで貪欲に学ぶ姿勢は持っていたいですね。そして、いずれは地方発信で世界と戦えるコンテンツをつくるというのが目標です。

常に「私事として取り組める」人と働きたい。「まずはやっちゃえ」精神で

どのようなクリエイターと一緒に働きたいですか?

自ら進んで考えられる人。当たり前かもしれませんが、自分の環境を自分でつくれることは非常に重要です。ましてや私たちのようなベンチャー企業では、口を開けて待っていても誰もエサをくれません。与えられた環境で仕事をするのではなく、「何のために、どのようにして、何を成し遂げるのか」を常に考えることが大切です。すべてに対して主体的に、「私事」として取り組める姿勢を持っている人とご一緒したいですね。

若いうちにこそしておいた方がいいと思うことはありますか?

とにかく自信をつけるためにも、成功体験を積み重ねること。例えば、小さなイベントを企画してみるところからはじめてみる。目標動員は10人くらいのスタートでいいと思います。これを成功させて、次は20人、その次は50人と規模を増やす。そうするうちに、いつしかイベント会社を立ち上げられるようになるかもしれません。本当にちっちゃな成功体験でも積み重ねると自信になり、力になると思うので、誰かに相談するくらいなら、まずはやっちゃえ、と思いますね。ある種、バカになって行動する力は重要だと思います。

取材日:2023年6月22日 ライター:コジマ タケヒロ

株式会社Riparia

  • 代表者名:室田 雅貴
  • 設立年月:2019年9月
  • 資本金:50万円
  • 事業内容:アプリ・Webサービスの開発・運営/企業向けプロモーション支援
  • 所在地:〒950-0916 新潟県新潟市中央区米山2丁目6−7 WorkWith 米山 4D
  • URL:https://riparia.jp/
  • お問い合わせ先:https://riparia.jp/contact

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