WEB・モバイル2023.05.10

ただの「ホームページ制作屋さん」じゃない!第三者機関からお墨付きの社内環境と常に未来を見据える体制

岡山
株式会社イケル 代表取締役
Yamashita hideo
山下 秀男

ホームページ制作のみならず、運用支援やSEO対策、デザインなど、広報に関わるあらゆる事業を展開する岡山の株式会社イケル。幅広い年齢層の社員とともに、クライアントさんと楽しみながらホームページづくりをしています。「もともとは、あまりWebの知識はなかった」と言う、代表取締役社長の山下さんがホームページ制作会社を立ち上げたのは、なぜなのか?優良企業認定を連続受賞できている工夫とは?山下さんのこれまでの歩みや、将来への展望をお伺いします。

早期退職し「自分なりのチームを作ってみたい!」。失敗経験から仕事を磨いた

イケルを設立されるまでの、山下さまのキャリアをお聞かせください。

前職は、システム会社でシステムの開発やプログラムづくりをしていました。
転機が訪れたのは、2010年の世界的な不況、リーマンショックです。働いていた会社にも不況の波が押し寄せ、会社では早期退職を募っていました。管理職をしていましたが、そのタイミングで、「自分なりのチームを作ってみたい!」という夢を実現してみようと思ったのです。
あの頃、ともに働く社員の多くは、それはもうがむしゃらに働いており、疲弊したり、病気になったりしていました。そういった経験から自分の立ち上げる会社では、「社員をいきいきと輝かせたい」と思いました。

イケル設立でご苦労なさった点や、乗り越えてきた壁などございましたらお聞かせください。

起業当初は「会社の軸」が決まっておらず、クライアントさんの為になる事であれば、パソコンのメンテナンスや運送のお手伝いなど、ご支援できることは何でもしていました。イケルが運営している「運び方.com」は、その時代の名残です。
初期の印象に残ったトラブルの一つは、クライアントさんの本当のニーズを読み解けず、お叱りを受けたことでしょうか。しかし、そのクライアントさんとの認識のズレを経験したことで「ホームページではどういう魅せ方が効果的なのか?」「どんな組織をつくって、どう仕事をこなしていけばいいのか?」といった課題が見えてきました。
あの頃は営業や取引の仕組みなど、まだ社内で確立しておらず、色々な失敗をしましたね。

社名に込められた想いと、会社の永続を願う経営理念

会社名「イケル」の由来を教えてください。

イケルの由来は、実は造語です。クライアントさんに対し、親切にリード、フォローするのはさることながら、情報発信も楽しんでもらいたいという想いから、Information(情報)、Kind(親切)、Enjoy(楽しむ)、Lead(導く) の頭文字を集めて「イケル(ikel)」としました。
「いける!」という、困難を乗り越えられそうな良い意味も含まれた言葉なのも良かったです。

株式会社イケルの経営理念とそれに込められた想いを教えてください。

この経営理念は10年くらい前に、練りに練った経営理念です。
会社設立時は、経営理念を持っていなかったが故に、軸がぶれていました。経営理念は、会社を強くするため、継続していくために必要な指針だと思っています。Webサービスの業界は競合も多く、厳しい市場です。「50年後も、ずっと続けていられるのか?」を常に考えていかねばなりません。
時間の経過とともに、「(業界の)常識」も変化していきます。社員にとって心地よい働き方や、働き甲斐などの価値観も変わってくるでしょう。
永続的にチームとして向かっていく指標がないと、熱意やクオリティを維持し続けるのは困難だと思います。そこで我が社は、「伝えるを楽しみ、伝えるを育て、伝えるを広げる」という経営理念を掲げました。クライアントさんと一緒になって情報伝達を楽しみ、ホームページも人も育て、大きく広げていきたい。この軸がブレないのであれば「よし、いけるな!やってみよう!」となり、そうして我が社は一歩一歩、進んできました。

ホームページのアフターフォロー、広報の次展開までカバー。「掴む力と表現する力」が強み

株式会社イケルのメインコンテンツについて教えてください。

メインコンテンツは、ホームページ制作です。その中にも3つの柱があって、一つ目は「新規のホームページ制作受注」、二つ目は「アフターフォロー」、三つ目は「フォローから広がる、新規の制作」があります。
ホームページ制作を受注し、ホームページを開設した後に、 さらにクライアントさんと常に打ち合わせし、ホームページのクオリティを上げるお手伝いをする、これが一つ目と二つ目の柱です。
三つ目の柱の「フォローから広がる新規の制作」は、パンフレット、冊子、ビジョンマップ、チラシ、ニュースレター、顧客満足度調査などの、クライアントさんの課題に対するご提案活動です。
ホームページ制作会社ですが、広報活動はWebだけで完結できるものではありません。クライアントさんの「広報に関わるお手伝い」をすることに、会社として全力を注いでいます。

イケルの強みやこだわりについて教えてください。

我が社の強みは「潜在的欲求を掴む力と、表現する力」です。
イケルはホームページ制作会社でありながら、経営理念「伝えるを楽しみ、伝えるを育て、伝えるを広げる」を軸に広報関連の仕事を幅広く請け負っているので、クライアントさんの伝えたいことや、強み、求めていることが解り、課題や改善ポイントが見えてきます。そのため、課題に関する相談を受けたり、逆にご提案をしたりして、仕事を受注しています。
我々はホームページ制作会社ですが、作って納品して終わる「ホームページ制作屋さん」ではありません。 今後は、より戦略的に営業展開していくためにも、この強みはこれからも磨いていきます。

起業時の思いを体現し、3年連続優良企業に。大切なのは「社員の主体性」

ユースエール認定企業制度をはじめ、数々の認定を受けているのはなぜでしょうか?

起業を思い立った際の「社員がいきいきと輝ける会社にしたい」という想いを実現させるため、働き方については色々と考え、改善してきました。
特に厚生労働大臣が認定する若者の採用・育成などが積極的な企業を選ぶ 「ユースエール認定企業」は、3年連続で認定されました。
具体的には、2カ月に1回、1時間ほど社員と面談を行なっています。「困っていることや、気になっていることはないか?」「仕事の進捗や、個人の目標の進捗はどうか?」などを雑談から聞き出し、より良い環境にするための努力を怠りません。
社員の心にゆとりがなければ、クライアントさんを喜ばせたいという原動力も生まれないし、クライアントさんにも最大限に喜んで貰えない。社員のモチベーションが仕事の質に直結していると肌で感じているので、売り上げを上げるためにも、改善できる部分があればドンドン改善します。

イケルには個性的なクリエイターが多いようですが、どのようにして集められたのですか?また会社として、どのようなクリエイターと働きたいと考えていますか?

イケルはチームワークを大切にした企業です。そのため、「社員が一緒に働きたい人かどうか?」が採用の軸になっています。
よって、採用は新卒担当の社員が面接を行い、社長が関わるのは最終面接だけ。最終面接では、人間性を深くみせてもらいます。
まず前提として、企業理念に共感してくれているか。そして「好奇心、行動力、向上心(スキルアップ)、協調性、情報収集能力があるか」という5つの条件を満たしている人であるかどうか。特に、協調性は大事にしていますね。人に共感できる人は、クライアントさんの求めている何かを掴み取る能力が優れている可能性が高く、クライアントさんのニーズにマッチしたものをご提案、提供できる素質があります。
またイケルには20~50代が在籍しており、年齢層に偏りがありません。多様性がある方が良いものづくりや発想が生まれるので、さまざまな年代の価値観や感性、市場を見る力など、色々な意見を取り入れる会社です。

社員たちがつくる何十年も先の未来。仕事や場所に「愛着が持てるか」

10年、30年先を見据えた、経営指針書「ブチ破れ!13」は誰が作ったのでしょうか?今後の展望を踏まえ、教えてください。

経営指針書「ブチ破れ!13」は、イケルの社員が作りました。
事業展望は?働く環境はどうか?取り組みたいことは何か?など、具体的に細分化されて書かれているもので、毎年、キャッチコピーや表紙も一新し、社員全体で共有している冊子です。社員の「こうありたい」を集め、ではどうやってそれを実現するか?といった具体的にやることを考え、実行するための、将来のビジョン設計図です。
例えば10年先のしたいことでは、「子育てについてのサービスを展開したい」「10年以内に、シンガポールに社員旅行をしてみたい」、30年先のしたいことでは「100人体制になりたい」と書いてあります。
30年後に向け、活動範囲の拡大をしようと思っています。現在のクライアントさんは地元の中小企業が90%を占めていますが、今後は県外活動も視野に入れて動くつもりです。
30年後、社長の私はもう居ないでしょう。たとえ今、社長が病気になって途中退場してしまっても困らない体制をつくり、トップが変わっても継続できる、社員主体で動ける強い会社であること。景気の波があっても、地域やクライアントさんがご支援くださるくらいの存在感を出せる会社であること。
経営理念に真摯に向き合い、その目標を達成することが、次へつなげる社長の役目だと思っています。

地元で働くクリエイターに向けて、メッセージをお願いします!

正直なところ、どこに居てもあまり差のない環境が整ってきたように思います。地方と言われる岡山に居ても、大都会と言われる東京に居ても、近年はオンラインでできることや、クライアントに提供できることが増えていきました。
今までイケルは、1時間で行ける範囲を重点的に、手厚いフォローができることを重視していましたが、今期からは岡山を軸に、県外にも対応しています。オンラインが充実してきた現代、遠方であっても手厚いフォローが可能だと気付いたからです。これからは、そういった案件も増えてくるでしょう。
そのため場所的な意味の「どこで働くか」は、自分の愛着の持てる場所がどこか?が大事になってくるのではないでしょうか。愛着の持てる場所を選び、愛着の持てる仕事を選び、愛着の持てる会社を選ぶこと。自分のモチベーションや仕事のクオリティを高めるための、判断基準の一つだと思います。
今の時代、やりたいことや軸が明確で、熱意があれば、どこに居てもいきいきと輝けます。ご自分に合う企業を探し、頑張ってくださいね!

取材日:2023年3月6日 ライター:山口 夏織

株式会社イケル

  • 代表者名:山下 秀男
  • 設立年月:2010年5月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:ホームぺージ制作事業(企画・制作・システム開発)、ホームぺージ保守サービス・運用支援、SEO対策およびアクセス解析、DTPデザイン制作(ロゴ・名刺・パンフレット・ニュースレター 等)、広告運用支援、ブランディング支援、勉強会・セミナー開催、運送会社の比較検索サイト「運び方.com」運営、フリーイラスト素材サイト「ぴくらいく」運営
  • 所在地:〒700-0952 岡山県岡山市北区平田170番113 ウィンビル202
  • URL:https://ikel.co.jp/
  • お問い合わせ先:086-245-5667

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