職種その他2022.01.05

学生時代に体験したいろいろなイベントを企画運営する醍醐味。広告代理店勤めを経て独立後、あの時の楽しさを手にできた。

金沢
プレイリー株式会社 代表取締役  プランナー
Ryoichi Mihara
三原 亮一

1980年代後半から90年代初めにかけて、世の中全体が天井知らずの盛り上がりをみせていたバブル景気の時代。学祭やほかの大学との合同イベントが盛り上がる中、参加者として楽しむのではなく、運営側として企画、立案し、運営に熱中していた学生たちがいました。プレイリー株式会社の代表取締役、プランナーの三原亮一(みはら りょういち)さんもそんな一人でした。

その時、体験した企画・立案の醍醐味をそのまま仕事にできたら。三原さんはふるさとに戻り広告代理店に就職した後に、独立を果たします。

「ようやく自分がやりたかったことができるようになった」と当時を振り返る三原さんは、ポストコロナの時代をにらんで新たな展開に目を凝らします。

 

食、工芸、自然、体験。地域の資源を生かしたプロモーションやブランディングに取り組む。ワンストップでお客さまの要望にこたえたい

 

まずはプレイリーの事業内容を教えてください。

企画・制作、プロモーションを基本とし、地元の広告代理店で勤務していた経験を生かした事業をやらせていただいています。

大きなウエートを占めるのは、自治体の観光誘客の取り組み、その施策立案のお手伝いやプロモーション、そして運営です。

取引先の中心は石川県をはじめ、北陸3県の自治体。企業や店舗の事業立ち上げをサポートしたり、商品開発のコンサルティングをしたりと、多彩な案件をいただいていますね。

同業他社との違いはどこでしょうか?

強みは考えるだけでなく、実行するまでを一貫して行える点でしょうか。現在、スタッフは私と役員1人、パート1人という体制ですが、パートナーとなる専門性をもった企業や人材がおり、彼らと連携してワンストップで取り組んでいきます。先日も、石川県内の自治体で実施した誘客イベントに企画段階から携わり、私自身が現場ディレクターとして運営を担当。パートナーたちと力を合わせて開催することができました。

自治体を相手としたビジネスには、高い専門性や深い知識が求められますよね。

大学卒業後に勤めた広告代理店での経験が生きているのだと思います。幅広い業界の方々と会えて、ノウハウを培うことができたので感謝しています。多くの自治体は、地域が抱える資源をたくさんの方に知ってほしい、そして大勢の方に訪れてほしいのです。あとは資源や魅力をどうやって認知していただけるかが課題。目的に沿って知名度を上げるための方策が求められます。

具体的にはどのように進めるのですか?

売り出したい資源はどのようなジャンルに所属するのかを考え、その資源の魅力を向上させるためのブランディングを行い、いかに発信していくか、これらを掘り下げていきます。資源は食、工芸、自然、体験などさまざまです。話題づくりに取り組み、日本各地や場合によっては海外に発信することも。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響はありましたか?

大きな影響を受けました。コロナ禍以前は、インバウンドに関わる業務の依頼も多かったので。海外からの誘客促進、海外向けのプロモーションといった業務も相当あったのですが……。それがここにきてようやく復活の兆しがあります。どちらかといえば、自治体からは欧米をターゲットとした誘客プロモーションがあり、民間企業からは東南アジアを中心に商材の売り込みが多いですね。 すでにビジネスの現場では、新型コロナワクチン接種証明書の発行を見越して、アフターコロナの展開を見据えているといったところでしょうか。

 

バブル絶頂期の学生時代、学祭やイベントの企画・立案、運営に熱中。

経営者であり、プランナーでもある三原さんの経歴をお聞かせいただけますか。

石川県の南部にある白山市の出身で、高校時代には美大へ進学することも考えたほどクリエイティブなことが好きだったんですね。 結局、県外の普通大学へ進みます。学生時代はバブルの絶頂期でした。今では考えられないほど派手に学祭やパーティーといったさまざまなイベントが繰り広げられており、所属したサークルで、イベントの企画・立案・運営まで夢中で取り組んでいました。

そこから地元に戻って就職されたのですね。

就職活動に入る直前に、バブル景気が終わりを迎えます。株価も地価も暴落し、バブル経済が崩壊していきました。企業の新入社員採用も激減し、一気に厳しい局面を迎えました。学生時代の経験からイベント企画や広告制作といった仕事に携わりたいと就職先を探しました。そこで地元の広告代理店に就職することに。

独立に至った経緯を教えてください。

広告代理店では営業ながら、念願のクリエイティブな仕事に関わるようになりました。私たちは当たり前ですが、企業人としてスポンサーを探し、売り先を開拓しなくてはなりません。ただそれがどうにも苦手で、次第に行き詰まってきたんです。その後いろいろな方のご縁や助けがあり現在のプレイリー株式会社を立ち上げることになりました。

 

人とのつながりの中で広がる仕事。「何かこたえを出してくれるだろう」の期待にこたえたい。

 

気になったのでお聞きします。プレイリーにはホームページがありませんね。

皆さんからもよく尋ねられるのですが、お客さまが先入観をもつことなくお会いできればと考えているんです。幸いにも「こんなことをやろうと思うんだけど」とお客さまから直接声をかけていただけます。

そのために仕事の相談に対しては「分かりません」「難しいですね」とは口にしないようにしていて。事例やサンプルがなくても「あぁ、それだったらできますよ」とまずは返答したいと思っています。おかげさまで、つながりの輪の中で電話一本、メール一本で仕事をいただけています。

多くの方の期待やつながりの中で仕事が広がっているんですね。

会社勤めを辞めてから名刺の減るペースが格段に速いんです。いろんな方と出会い、さまざまなつながりが出てきました。「あれをやっているこの人」と、「これをやっているこの人」を結びつければ、必ず新しいことが生まれると楽しみながら仕事に向き合っています。勤めていた頃の「やらされている」という感覚はまったくなく、学生時代の時のわくわくする感覚が、今蘇ってきていますね。

将来的にどのような事業を目指していきますか?

ものを作っていくことが好きなので、この軸は変えようとは思っていません。今は私が考えた事業を自分中心で行っていますが、この先はチームで事業を作り、私がいなくてもそのビジネスモデルで会社が運営できるようになれば、と考えています。

具体的なロードマップはありますか?

制作スタッフを募り、体制を強化したいと考えています。すでに世の中は、アフターコロナを見据えて動き始めていると思うんです。さらに東京-金沢間を結ぶ北陸新幹線は2024年春には、金沢から福井県敦賀市までの延伸開業が予定されています。さらにその後には大阪で万博も開催されます。こうした大きなプロジェクトのタイミングをぜひビジネスチャンスにつなげたいですね。

取材日:2021年11月26日 ライター:加茂谷 慎治

プレイリー株式会社

  • 代表者名:三原 亮一
  • 設立年月:2015年10月
  • 事業内容:PR・プロモーション企画、Webプロモーション、PR動画制作、各種イベント企画・運営、各種マーケティングリサーチ、各種印刷物等デザイン制作
  • 所在地:〒921-8051 石川県金沢市黒田1丁目280番地AZサイト202号
  • お問い合わせ先:TEL 076-269-3322 FAX 076-203-0046

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