【ウェビー賞2023】「メタバース」部門新設、Chat GPT、「絵文字の父」栗田穣崇​​さんが受賞!

Vol. 49
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Sayuri Fujii
藤井さゆり

1996年から始まり今年27年目を迎えた、インターネット上の優秀な作品を表彰する​​ウェビー賞。今年は米国50州と世界70か国から約14,000件のエントリーがあり、授賞式は2023年5月15日にニューヨークで開催されました。

 

従来から設置されている「Special Achievement(特別功労賞)」「Websites and Moblie sites」、「Video」、「Advertising, Media & PR」他4つの部門に、今年から「Metaverse, Immersive & Virtual」という部門が新設されています。

 

「Metaverse, Immersive & Virtual」部門の受賞でいくつかご紹介しますと、ケチャップ​​で有名な食品メーカー「ハインツ」が受賞。OpenAIによるテキスト入力から画像を作成するAIイメージジェネレーター「​​DALL·E 2 (ダリツー)」​​を使ったハインツのキャンペーンです。

 

Heinz A.I. Ketchup – Heinz

 

DALL-E 2に「ケチャップ」とはどのようなものかを聞いたところ、AIにとってのケチャップは「ハインツ」のイメージになるーこの結果を元にハインツは、「ルネッサンスケチャップボトル」や「ケチャップタロットカード」など、ハインツのケチャップをベースにした奇妙なイメージを作り出しました。

 

その後、ラベルをハインツのAIイメージに置き換えた特別版のハインツボトルを作成。また、すべてのハインツAIイメージを見るために人々が集まるアートギャラリーのメタバースを設置しました。

 

もう一つはNikeとSnapが手掛けるARサングラスSpectacles​​のコラボレーション。

 

Snap Spectacles x Nike | A New Augmented Reality Running Experience – Spectacles

 

Spectaclesをかけてランニングをすると、要所要所でARが出現。ランニングがより楽しくなり、モチベーションが上がるような仕掛けとなっています。

 

それから「Special Achievement(特別功労賞)」部門の一部である、Webby Breakout of the Yearに選ばれたのは、ChatGPT。「Webby Breakout of the Year」は、ウェブの進化と成長を牽引する革新的なアイデアやプロジェクトにスポットライトを当て、その功績を称えることを目的とした賞です。

 

これは言わずもがなという感じですね。ChatGPTは、2022年11月にOpenAIが公開した​​テキスト入力AIツールですが、公開からわずか数か月で世界的現象となり、ユーザー数3,000万人、毎日500万人のユーザーがおり、過去最も早く導入されたソフトウェアです。

 

今年3月にはより精度や正確さが上がった最新バージョンGPT-4が公開。様々なプラグインや、企業や行政による導入も増えてきています。

 Introducing GPT-4 – OpenAI

その他に注目したいのは、同じく「Special Achievement(特別功労賞)」部門で、Webby Lifetime Achievement​​に選ばれた、​​絵文字開発者の栗田穣崇(しげたか)​​さん。栗田さんは、現在、株式会社ドワンゴ専務取締役COO兼ニコニコ代表、株式会社カスタムキャスト取締役をされています。

 

 
 
 
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「Webby Lifetime Achievement」は​​、そのキャリア全体で卓越した業績を上げた個人または団体に対して授与される特別な賞です。この賞は、ウェブやデジタルメディアの発展に大きな影響を与え、革新的な業績を残した人々​​に授与されます。

 

ウェビー賞での栗田さんについての紹介文を引用します。

 

栗田穣崇氏は、1999年に最初の絵文字セットを作り、現代のコミュニケーションを永遠に変えた功績により、2023年のWebby Lifetime Achievement受賞者として表彰されます。

 

日本の携帯電話会社、NTTドコモで働く25歳のデザイナーとして、栗田氏は176のアイデア、コンセプト、感情をわずか 12 × 12 ピクセルのグリッドに変換しました。彼が最初のセットを作成して以来、絵文字は文化や社会の違い、言語の壁を越えたデジタル形式のコミュニケーションへと進化しました。

 

世界中で使用されている3,600を超えるカラフルな絵文字は、会話を楽しくするだけでなく、各世代の独自の色やニュアンスを表現するのにも役立ちます。

 

彼らは、国籍、民族、性自認、能力、信念などに至るまで、私たちのシンボルの包括性についてオンラインでの会話を促進し、世界中の人々の帰属意識を育むのに役立つ幅広い新しい絵文字を毎年生み出してきました。

 

 
 
 
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初代絵文字が開発されたのは、1999年に開発した携帯電話向けインターネットサービス「iモード」のためで、当時株式会社NTTドコモの「iモード」開発チームに所属していた栗田さんによるものでした。

 

現在では、emojiと言えばここアメリカでも通用するように、世界の共通言語になっているほど、人と人とのコミュニケーションには欠かせないものとなっています。

 

過去にはオバマ大統領がホワイトハウスに安倍首相を招いた際に、日本がemojiを生み出し世界を変えたことに感謝の意を示していますし、オックスフォード辞典は、2015年の「ワード・オブ・ザ・イヤー」にemojiを選んでいるほどです。

 

ウェビー賞による栗田さんのレッドカーペットでのインタビュー。

 

Full Interview: Emoji Creator, Shigetaka Kurita at The 27th Webby Awards – The Webby Awards

 

そしてウェビー賞と言えば、受賞者は5ワードでスピーチをしなくてはならないというルールがあります。栗田さんの5ワードスピーチはこちら。

 

 
 
 
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絵文字開発者ならではの5ワードスピーチですね!会場も湧いているのがわかります。

 

いかがでしたでしょうか。ウェビー賞のSpecial Achievement受賞は栗田さんが日本人初かなと思ったら、昨年、アーティストの村上隆さんが受賞されていました。村上隆さんは今年からウェビー賞の審査員もされています。

 

日本人の功績が世界に認められるのは素晴らしいことですし、日本人として誇らしいですよね。今後もさらに、日本人クリエイターや日本の企業が受賞されることを期待します!ご興味のある企業さん、メーカーさんはぜひエントリーを!(応募は2023年9月中旬から)

 

(参考)

The Webby Awards

 Heinz A.I Ketchup​​ – As of the World

176種の“初代絵文字”はどう生まれたか 「iモード」開発者の原点とは – はたわらワイド

 「絵文字」で国民性を読み解くことができる – 東洋経済オンライン

プロフィール
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藤井さゆり
東京生まれ、2008年ニューヨークに移住。 公益法人に勤務の傍ら、仲間内で企画したクラブイベントのフライヤーデザインをしたことから、デザインの面白さに目覚め転職。 転職後は、都内商業施設のウェブサイトの販促用ページ企画と取材、ライティングを経験。 ニューヨーク移住後は、ウェブマーケティングを企業にて経験、ウェブデザインをフリーランスで行う。 現在は、日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」のオーナー兼デザイナーを務める。
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Instagram: @foxylilly

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