夜と異世界感

東京
ライター
来た、見た、行った!
かつらひさこ

クリエイターには朝型と夜型があると思う。

健康のことを考えれば、夜ちゃんと寝て朝起きるのが一番良いのだが、私の場合、頭が冴えるのはどう考えても夜である。

 

夜は音が少ない。しんと静まり返った世界にいると、この世に自分がたったひとりしかいないような気分になる。

音楽やラジオ、テレビなどを聞きながら作業をするクリエイターさんも多いと思うが、私はどうしても歌やお喋りを聞くことに引っ張られてしまうので、できるだけ音のない環境が好きなのだ。

 

昼は学校や会社など人が動く時間で、「日常」の世界なのだけど、夜は人が休む時間で、人がこの世にいるけどいないという、不思議な異世界感がある。

 

昼は「〇〇の妻」であったり「〇〇の母」である自分が、世の中とつながって暮らしていくためのいろいろなことを頑張っているのだけど、夜はそれがなくなり、「何物にも付属していない全くひとりの自分」に戻れる感じが好きなのもしれない。

 

深夜、ぶらっと近所のコンビニに行って、コーヒーを買いに行くことがよくある。

いつもの見慣れた場所が闇を纏うと、どこか別の次元に繋がってしまうような雰囲気が好きで、特にコーヒーが飲みたいという理由がなくても、何となく外に出てしまう。

 

あの夜の静けさと孤独感、異世界感を味わいたくて、今日もまたぶらりと深夜のコンビニに行くのである。

プロフィール
ライター
かつらひさこ
1975年札幌市生まれ。自分が思い描いていた予定より随分早めの結婚、出産、育児を経て、6年前からライティングを中心とした仕事を始める。毒にも薬にもならない読みやすい文章を書くことがモットー。趣味はクイズと人間観察。

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