WEB・モバイル2016.03.09

小さな渦から大きな渦へ 世界にオリジナルのサービスを届けたい

福岡
株式会社uzufactory 代表取締役 近藤 卓也氏
業務系システムとゲームアプリの開発を主軸として、2012年に福岡で創業した株式会社uzufactory。27歳で会社を立ち上げた近藤卓也氏は、とても穏やかな雰囲気ながら、熱い志と持ち前の行動力で毎年売上が倍増する勢いで会社を成長させています。創業のいきさつから今後の展望まで、お話を伺いました。

日本トップクラスのものづくりの現場を経験

もともとITやプログラミングに興味があったのですか?

子どもの頃からものづくりが好きで、中学生のときに独学でプログラミングをマスターして、じゃんけんゲームをサイトでリリースしました。ゲームセンターのゲームをマネして、自分で手の絵を描いて音も作って。とにかく興味を持ったことはなんでもやってみたいタイプだったのです。 工業高校に進学すると、四足歩行ロボットを作ったり、アントレプレナーセミナーに参加したりしました。小学6年生の時に、父親を事故で亡くし、その頃から家族を支えるために社長になりたいと思っていました。そして、世の中に影響を与えられるようなサービスを生み出したいと考えるようになりました。

社長になりたいと思って、まずは、どんな仕事をしたのですか。

2003年にトヨタグループの株式会社ジェイテクトに入社して、日本でもトップクラスのものづくりの現場で働かせていただきました。操作盤や制御装置、ロボットなどのプログラミングを担当する部署に配属され、20歳で作業責任者になり、海外に半年滞在して現地の方々と仕事をすることもありました。

若くして責任者を任せられたのは、なぜだと思いますか。

自分から積極的に何でもやっていたからかなと思います。そこでは、ひとりで仕事を完結できるようになったと感じ、転職しました。ゆくゆくはサービスを提供したいという思いがあったので、次はソフトウェアが必須と考え、23歳で九州にある自治体向けソフトウェアを開発する会社に入りました。会社の技術を決める部署で技術研究や検証を担当し、ソフトウェアの開発に関しても一通りマスターしたところで、独立を決意しました。

主な事業は、業務系システムとゲームアプリの開発

独立されたのは、いつ頃ですか?

2011年にフリーで活動を始めました。放送局のウェブサイトで高校野球の状況をリアルタイムで表示するようなシステムを開発したり、ゲームアプリを開発したり、子ども向けのゲームプログラミングの先生をしたりしていました。

その後に、会社を立ち上げたのですね。

はい、案件の増加に伴い、翌年の2012年に法人化しました。最初はわからないことが多く、社長の集まりに参加して、いろいろ教えてもらったりしました。小さな1DKのアパートで立ち上げたのですが、社員が1人、また1人と増えて手狭になり、2013年にこちらの広いオフィスに移転しました。今では社員が7人、スタッフ全体では15人になりました。

事業内容について教えてください。

今は主に2つの軸で事業を展開しています。ひとつは業務系のシステム開発。大手企業をはじめ、様々な規模のクライアント先の業務系システムを構築しています。クライアントと直接取引することも多く、受託開発案件を中心にやっていますが、役所などに出向することもあります。 もうひとつは、スマートフォンのゲームとアプリの企画・開発です。大手クライアントの案件をはじめ、オーダーに応じて一般ユーザー向けのアプリ開発も行っています。

技術力を磨きつつ、働きやすい環境を整える

御社の強みはどんなところでしょうか?

技術力の高さだと自負しています。広くて深い知識や技術を持つ職人集団として、若い会社だからこそ常識にとらわれず、チャレンジしていく姿勢があります。海外でリリースされたばかりの技術を取り入れるなど、フロンティア精神を持って高みを目指しつつ、一つひとつの仕事に全力で取り組んでいます。

社員の皆さんがのびのび働いているという印象を持ちました。

社員は20代半ばがメインです。自由参加のレクリエーションへの参加率も高く、社員の家族や取引先の方を交えて懇親会をするなど、アットホームな雰囲気があります。 福利厚生に関しても、できるだけ柔軟に対応したいと考えていて、社員の希望で英語のオンライン教育を導入したこともあります。仕事でも福利厚生でも、スタッフの意欲に応えていきたいと思っています。

採用されるのは経験者だけですか?

いえ、中途でも未経験で採用した人たちもいて、全く経験のなかった女性3人が今では戦力になっています。私が職人気質なので、一緒に仕事をしながら覚えてもらい、1年でいろいろできるようになりました。

未経験で採用されるポイントは?

しっかりした考えがあり、マニュアルに頼らず自分の言葉で自分の思いを話せる人なら、必ずしも経験は問いません。

作り手も使い手もウズウズするようなモノを作る

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「uzufactory」という社名の由来は?

みんなが使いたくてウズウズするようなものづくりで、ウズウズが広まって、一つの渦になり、世界を巻き込むような大きな渦を作ろうという思いを込めています。 私の地元・徳島県には、世界最大級の「鳴門の渦潮」があります。小さな渦ができては消え、また新しい渦が生まれていくのですが、ときには渦と渦が合わさり大きな渦へと成長することがあります。私たちも前向きに小さなチャレンジを重ねて、大きな渦を起こしたいと願っています。

これからの展望を教えてください。

これまでの経験や技術を活かして、今後はコンサルディング業務を展開する予定です。 また、オリジナルのゲームやウェブサービスの開発も進めています。ゆくゆくはオリジナルのアプリを開発して、世界にuzufactoryのサービスを展開したいという目標を掲げています。アプリ企画のアイデアはたくさんあります。 そしてもうひとつ、やりたいことに投資できる体制づくりも重要です。会社設立からもうすぐ5年で、売上は毎年倍増しています。5年で売上1億円という目標に向かって、頑張っています。私たち作る側もウズウズしながら楽しんでやっていきたいですね。

最後に、クリエイターにメッセージをお願いします。

興味があるなら、やってみたいと思うことがあるなら、気持ちだけでなく行動を伴うことが重要だと思います。今やれることに取り組み、世の中の動きも見ながら、先の先まで考えることも必要です。自分に負けずあきらめず、こだわって作りたいものを作ってほしいと思います。

取材日:2016年2月29日 ライター:佐々木恵美

企業名:株式会社uzufactory

  • 代表者名(ふりがな): 代表取締役 近藤卓也(こんどうたくや)
  • 設立年月: 2012年6月
  • 資本金: 2,000,000円
  • 事業内容: ソフトウェア開発、アプリ企画・開発・運営
  • 所 在 地: 〒812-0013 福岡市博多区奈良屋町1-1 ヤシマ博多ビル5F
  • TEL:092-291-2348
  • URL: http://www.uzuuzu.jp/
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