グラフィック2019.09.04

富士山と余白の美術

東京
ライター・カメラマン・エディター・グラフィックデザイナー(見習い)
スーパーいわちゃんねる!クリ目版
岩崎

 山梨県の富士急ハイランドの隣にある「フジヤマミュージアム」に行ってきた。ここは富士急ハイランド運営元である富士急行と、富士山麓一帯の地域社会の公益文化向上・発展のために設立された(公)堀内浩庵会が建設し、それぞれが40年にわたって収集した富士山の絵画を展示している。館内は富士山一色で、ミュージアムショップでは富士山関連グッズはもちろん、アーティストたちが富士山をモチーフに製作した作品を販売している。富士山好きにはたまらないスポットだろう。

富士急ハイランドのジェットコースターが後ろに見える

 見学して、江戸時代から今日までにさまざまな人が富士山を描いてきたことがわかった。個人的に気になったのは「富士山の絵には余白が多い」という点である。空を広く取っている構図もあれば、山肌を雄大に見せている構図もある。富士山の手前に駿河湾を配置し、美しい水面を大きく描いているパターンもある。感覚ベースで、展示作品のうち7割は余白をゆったりと取っている印象だった。

お土産に展示作品のポストカードを買いました

 先日読んだ、ingectar-e著『けっきょく、よはく。: 余白を活かしたデザインレイアウトの本』(ソシム、2018年)でも語られている通り、余白は洗練されたデザインの実現に不可欠な要素である。富士山を描く多くの画家たちは、富士山の鮮美透涼なイメージや広大無辺なスケールを表現するため、積極的に余白を取り入れているのだろう。

 世の中には「余白恐怖症」の人たちがいるらしい。空いているスペースを「もったいない!何かで埋めなきゃ!」と思ってしまう症状だそうだ。そんな人たちには富士山の絵を見せてみるのもいいかも知れない…と、ちょっと思った。

プロフィール
ライター・カメラマン・エディター・グラフィックデザイナー(見習い)
岩崎
メディア関係の仕事に就く傍ら、書いて撮って編集・デザインして発信できる「平面系マルチクリエイター」を目指す平成元年生まれ。巳年・蠍座の女。本家ブログは「スーパーいわちゃんねる!」で検索。宮城県出身、東京都在住。上京してやりたいことは「ライブで中野サンプラザホールに行く」。

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