WEB・モバイル2020.01.08

アパレル店、カフェとスペースを共有。Webデザイン、ブランディングで世の中を変える

石川
bkworks合同会社 代表社員
Hiroki Kuroda
黒田 宏樹

古来、信仰の山として親しまれる石川県の白山。雪に覆われたその峰々を望む小松市の郊外に「Transit」と名付けられた複合施設が建っています。通りに面してアパレルショップとカフェがあり、建物の横に回ってドアを開けると、Web サイトの企画・デザイン・制作やブランディングなどの事業を展開するbkworks合同会社のオフィスがあります。代表社員の黒田宏樹さんは「デザインで世の中を変えたい」と熱い思いを語ってくれました。

地元の先輩と複合施設を立ち上げ、オフィスを移転

会社設立までの経緯について教えてください。

私は小松市の隣にある、能美市の出身で県内の高校、大学を卒業後、小松市内の鉄工所に就職しました。小松市は建設機械のコマツ発祥の地で関連企業が多く、鉄工所も重機の部品を作っていました。しかしリーマンショックで仕事が減り、このままでいいのかと疑問を持つようになり、Web サイト制作やデザインに興味があったので将来は独立しようと決意し、独学で学びながらWeb サイト制作会社に転職しました。そこで3年半経験を積んで、29歳でフリーランスとして独立。それから5年が経った2019年4月、オフィス移転を機に法人化しました。

合同会社にした理由を教えてください。

独立後、友人知人の紹介で、取引先も徐々に増えてきました。企業さまの中には、法人でないと契約しづらいという話もあって、オフィスを移転するのを機に法人化することになりました。合同会社にしたのは、深い意味はありません。登記費用が安いことに加えて、アップルもグーグルもアマゾンも合同会社で、これでいいかなと思ったんです。

現在のオフィスに移ったのは何かきっかけがあったのでしょうか。

独立後は雑居ビルの一室をオフィスにして1人で仕事をしていました。しかし、地元の先輩と意気投合して夢を語り合う中、それぞれで商売しているより、お互い次のステップに移るのに都合がいいのではと思って、複合型の施設を立ち上げ、家賃は案分でスペースをシェアすることになったのです。その場所を先輩とともに「Transit(通過、乗り継ぎ)」と名付け、アパレルショップやカフェ、パブリックスペースも合わせて開設しました。

Web、動画、パンフレット。お客さまの立場で最適の提案を心掛ける

事業内容にWebサイトの企画・デザイン・制作をはじめ、マーケティング業務、CI・VI構築、ブランディングに関する企画・デザイン・制作などを掲げていますが、どんな特徴や強みを持っていると考えていますか。

お客さまの思いや発信したいこと、課題をヒアリングの中から引き出し、どのような展開が最も効果的であるかをお客さまの立場に立って考え、サービスを提案しています。業種や会社の規模、予算にもよりますが、例えばパンフレット制作のご依頼であってもWebサイトの方が効果的だと思えばそちらをご提案しますし、Webサイト制作のご依頼でも動画で発信する方がより伝わりやすいと思えばそちらを提案したりします。お客さまの魅力を最大限に伝えるために、コミュニケーションをしっかり取って企画・制作に努めています。

小松市に本社を置くことで、他の地域での業務と異なることはありますか。

出身地は隣の能美市ですが、高校があったいわば地元に拠点を置き、南加賀を中心に活動しています。Webサイト制作の仕事はネットさえつながればどこでも可能なので場所にはこだわりを持っていません。地縁のある小松で始まった仕事ですが、金沢、富山、福井、東京などの仕事も次第に増えてきました。一方で、地方都市ではネットに対して苦手意識を持っている方も多く、デザインの価値やWeb サイトの活用について理解を求めるのが大変です。紙媒体のように目に見える形となって納品されるものと違い、なじみのないWebの利点を説明するのに苦労しています。まずは名刺作成などの仕事から始め、お客さまの周囲の方々に評価していただけたことで、次の仕事につながっています。評価の積み重ねで信頼へと繋がり、最終的にはWebサイト制作に進んだこともあります。

人が集う場として活用、成果と喜びを共有したい

これまでに手掛けてこられたなかで特に印象に残っているお仕事はありますか。

飲食店、製造業、サービス業、個人など、さまざまな分野のWeb サイト制作に携わってきました。酒造メーカーのWebサイト制作では、一年を通じて日本酒の製造工程、職人さんの苦労や社長のこだわりに触れるにつれ、日本酒に興味が湧いてワクワクしました。著名な方も愛飲されるおいしい日本酒ですが、知名度はまだ高くはなく、浸透するのはこれからだと思っています。制作を通じて、良いものをより多くの人に発信するお手伝いができたことをうれしく思っています。

会社のVISIONに「仕事以外のあらゆることにも興味を持ち楽しむことによって、幅広い視野を持つことができます」とあります。新たな発見や気付きはありましたか。

例えば、以前はコーヒーをあまり飲まなかったのですが、開業祝いに豆をいただき、飲んでみたのがきっかけで、コーヒーにハマりました。結果、今回の複合施設にカフェを入れようという発想にもつながっています。自分の知らない分野にどんどん興味を持つ性格で、好奇心から視野が広がって、仕事を進める上でも役立っていると思います。おかげでいろんなことが客観視できるようになり、苦手意識を持たず、ワクワク楽しめるようになりました。スタッフにも「仕事以外に何か趣味を持つといいよ」とアドバイスしています。

今後の展開について教えてください。

新たな展開というよりも、今取り組んでいることをブラッシュアップしていきたいですね。自分自身、人との出会いやご縁によってここまでビジネスを展開してきました。オフィスのある複合型商業施設「Transit」を有効活用し、その名の通り通過点として人が集う場にしたいと考えています。イベントやワークショップなどを開き、人と人のコミュニケーションの場を提供することにより、集う皆さんが互いにいろいろなことに興味を持ち、刺激を受けてビジネスチャンスにつなげていただけるといいなと思います。私はその成果と喜びを共有し、共に成長出来るパートナーとしてサポートできる存在でありたいと思っています。

取材日:2019年12月3日 ライター:加茂谷 慎治

bkworks合同会社

  • 代表者名:代表社員 黒田 宏樹
  • 設立年月:2014年4月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容: Webサイトの企画・デザイン・制作および管理運営、各種マーケティング業務、各種CI・VI構築、ブランディングに関する企画・デザイン・制作およびコンサルティング・アートディレクション業務、付帯する一切の業務
  • 所在地:〒923-0832 石川県小松市若杉町2-50 Transit
  • URL:https://bkworks-design.com/
  • お問い合わせ先:0761-58-1398

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