WEB・モバイル2020.11.19

「ハーバルセラピスト」になる(前編)

Vol.6
編集者・シニアハーバルセラピスト (JAMHA認定)
メディカルハーブライフ
二橋彩乃

(前回まで)
家族の病気や自身の体調不良を経て、メディカルハーブに興味を持つ。
メディカルハーブコーディネーターの資格取得後、さらに上位資格へと進むことに。

生活にハーブが根付きつつある頃、もっと深く学んでみたいと思い、
「ハーバルセラピスト」に興味を持った。

ハーバルセラピストとは、体調や季節の変化に応じて、
ハーブやアロマを使った健康なライフスタイルを提案できる専門家である。
30種類のメディカルハーブと12種類の精油について、科学的、体型的な知識を身につけていることが必要だ。

試験を受けるためにはスクールで学ぶ必要があるが、
資格を取得すると、認定校で講師を務めたり、
ハーブ専門店などでより踏み込んだアドバイスもできたりするようになる。

さっそく認定校に申し込んで迎えた、授業当日。

クラスは20人前後で、主に女性だった。
中には認定校がない地方から、仕事帰り、新幹線に飛び乗って参加している方もいた
(※現在はオンライン授業も増えている)。

年代はバラバラで、
食品関係の仕事で、仕事上、資格が必要となった人、
有機野菜を育てる農家に嫁ぎ、ハーブも栽培していきたいと考えている人、
育児にもっとハーブを積極的に生かしたいという人、
薬剤師で、ハーブ療法を学びたい人、
ホームサロンの開業を目指す人、
カフェ経営者で、ハーブの新メニューを考えている人など。

そんな、ハーブを求めて集まってきた仲間との出会いは楽しかった。

授業は全部で18回。
協会が発行するテキストと指定される参考資料(医学専門書など)を使う。

メディカルハーブは代替療法のため、
最初に、西洋・近代医学における生命観や治療の目的とも比較し、
それぞれのメリットやデメリットを学ぶ。
そのために、まずは各国でのメディカルハーブにつながる歴史をおさえるが、
著名な人物、書物、医薬品などが登場する。
覚えるべきことが多いため、復習が欠かせない。

ヨーロッパでは、紀元前400年頃、古代ギリシャの医師ヒポクラテスから始まるし、
インドのアーユルヴェーダの『スシュルタ・サンヒター』や、
中国の『黄帝内経』といった古典医学書も登場する。

その後、各回で、各ハーブや精油のプロフィールをしっかり叩き込みつつ、
身体の中でハーブがどう作用するか、身体の構造と機能を具体的に学ぶ。

植物の化学成分(フィトケミカル)を見ていくのに、
N(窒素)や、C6H12O6(グルコース)など、化学構造式が頻繁に登場する。

さらに、たった1つのハーブの中に含まれる植物化学成分も、
数百~数千と膨大である。

化学構造式は、私のような文系頭には拒否感が強かったし、
予想以上に医学的な内容が多かった。

ハーブの中でも「メディカル」とつく分野だから当然なのだが、
初回の授業で渡されたテキストを眺めながら、ついていけるだろうかと、
すでに不安を感じていた。

(続く)

プロフィール
編集者・シニアハーバルセラピスト (JAMHA認定)
二橋彩乃
2つの出版社でデザイン、アート、生活実用など多ジャンルの編集経験を経て独立。独立後の仕事に『マンガで実用 使える禅』(企画・編集・執筆/朝日新聞出版)、『美術館&博物館さんぽ 首都圏版』(編集/ぴあ)、雑誌「セラピスト」(取材・執筆/BAB)や、医療系webメディアの記事執筆など。ハーブの魅力にとりつかれ、ハーバルセラピスト、シニアハーバルセラピスト、メディカルハーブコーディネーターと3つの資格を取得(日本メディカルハーブ協会認定)。

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