WEB・モバイル2024.02.06

音声、映像、照明など多様なデータ形式を統一化する記録・再生システム『GPAP(General Purpose Audio Protocol)』を開発

静岡
ヤマハ株式会社

幅広いエンタメシーンに活用でき、高臨場感ライブビューイングのリアルタイム配信も可能に。 ~大小さまざまな会場に導入できる汎用性の高い独自方式のパネル型スクリーンも開発~

ヤマハ株式会社は、音声だけでなく、映像や、照明の制御信号など、ファイル形式の異なるさまざまなデータをオーディオデータ(wavデータ)の形式に統一して記録・再生する世界初[*1]のシステム『GPAP(ジーパップ/General Purpose Audio Protocol)』を開発しました。また、サイズを柔軟に変更でき設営・撤収も簡単にできるパネル型スクリーンを新たに独自開発しました。
*1:異なるフォーマットデータを同一形式(wav)で保存する技術として。(2024年1月ヤマハ調べ)

音楽ユニット「ORESAMA」のDistance Viewingの様子(2020年10月開催)

 当社は2020年に、コロナ禍で打撃を受けるライブハウスの再興につながるコンテンツを提案するために、映像、音響だけではなく照明や舞台演出などライブの体験すべてを記録してステージ上に忠実に再現する高臨場感ライブビューイングシステム「Distance Viewing」を開発しました。その後、回復を見せるライブ市場をさらに活気づける、これまでにない新たなライブの体験や価値を手軽に提供できるような技術の改良・汎用化と実証実験を重ねてきました。そのなかで、記録フォーマットの異なる多様なデータの同期・再生の複雑な処理や、スペースが限られたライブ会場への大きなスクリーンの導入の難しさという課題に直面し、これらを解決するために『GPAP』およびパネル型スクリーンを開発しました。

 『GPAP』では、音声だけでなく照明や舞台装置の制御信号などさまざまなデジタルデータをすべてwav形式に統一して保存・再生できるため、複雑な同期処理をおこなうことなく容易にシンクロ再生することができるほか、すべてのデータをまとめて配信することも可能です。音楽ライブ以外にもテーマパークやイルミネーションショーなどのエンターテインメント領域のほか、商業施設などマルチメディアコンテンツを扱う幅広い領域で、コンテンツのライブラリー化や、データ保存・再生のオペレーションの簡略化、VR空間での体験コンテンツの創造などさまざまな活用が見込まれます。

 また新開発のパネル型スクリーンは、素早く展開して短時間で設営できる折り畳み式です。拡張性に優れ、スクリーンのサイズを変えることができるため、大小さまざまな会場に導入でき、音楽ライブ以外にも幅広い用途での活用が可能です。

 当社は、『GPAP』およびパネル型スクリーンの開発を進めることで、今後も拡大が見込めるライブ、コンサート市場に付加価値を創出するとともに、今後の事業展開を見据えてそれぞれの技術を段階的に市場投入し、さまざまな領域でのニーズの開拓と新たな価値創造に取り組んでまいります。

  • 『GPAP(General Purpose Audio Protocol)』の主な特長

・異なるフォーマットのデータの一括保存・シンクロ再生が可能

音声や映像のデータ、照明や舞台装置などの制御信号は、通常、それぞれ独自のフォーマットで記録され、異なる記録ハードウェアに保存されます。これらのデータをシンクロさせて同時に再生する場合には、独立して記録されている各データを同期させるための煩雑な処理をおこなう必要があります。

『GPAP』では、これらすべてのデータをwav形式に統一化し、ひとつのオーディオタイムライン上で記録することができるため、時間情報をベースにした同期処理をおこなうことなく、すべてのデータを簡単にシンクロ再生することができます。

・シンプルなセッティングで記録・再生でき、DAWソフトでの編集も可能

PAミキサーや照明コントローラーなどの機材を『GPAP』専用のインターフェースにケーブル接続するだけで、各フォーマットをwav形式に変換し、オーディオデータとして収録できます。また、マルチトラックレコーダーやPCなど、wavファイルの再生機能を備えたさまざまなデバイスを『GPAP』の再生装置として利用することができます。さらに、記録したデータは「Cubase」などの市販DAWソフトで編集可能で、ソフト上で音声と照明やレーザーなどのデータを並列で編集することも可能です。

・高臨場感ライブビューイングのリアルタイム配信が可能

株式会社コルグが開発したハイレゾ対応の高音質インターネット動画配信システム「Live Extreme」と組み合わせることで、『GPAP』で記録したマルチメディアコンテンツの配信が可能となります。これにより、高臨場感ライブビューイングシステム「Distance Viewing」のリアルタイム配信ができるようになりました。そのほか、家庭や個人向けには、スマート照明器具を制御するデータを音声や映像とともに配信して、照明が同期したイマーシブなライブコンテンツを自宅などで楽しめるといった活用も可能です。

「Live Extreme」について

株式会社コルグが開発した、業界史上最高音質によるインターネット動画配信システム。最大4Kの高解像度映像とともに、高音質なロスレス・オーディオをはじめ、更に高品位なハイレゾ・オーディオ(最大 PCM 384kHz/24bit および DSD 5.6MHz)をライブ配信できる世界初[*2]のシステムです。

「Live Extreme」を使用することで、『GPAP』でオーディオとして記録した各種データを劣化させずに配信し、忠実に再現することができます。

*2:サンプリング周波数96kHzを超えるハイレゾ・オーディオに対応した動画配信システムとして(コルグ調べ)

https://live-extreme.net

  • パネル型スクリーンの主な特長

・設営・撤収時間や保管・運搬コストを低減

素早く簡単に広げたり折り畳んだりできる折り畳み式のフレームに、パネル型のスクリーンを取り付ける方式を採用しており、設営や撤収を短時間で簡単におこなえます。また、省スペースで収納でき運搬も容易なため、今まで大スクリーンの搬入や設置が難しかった場所にも気軽に導入できます。

 

・会場スペースに合わせてサイズを変更可能

フレームをつなげることで、スクリーンの高さは最大約5メートルまで、横幅は自在に拡張できます。会場のスペースや用途に合わせて、コンパクトなものから数十メートル規模の横長スクリーンまで、最適なサイズに調整できます。

  • 関連ニュースリリース

『Distance Viewing』を初開催 音楽ユニット「ORESAMA」のライブをステージ上にバーチャル再現(2020年10月7日発表)
https://www.yamaha.com/ja/news_release/2020/20100701/


ヤマハ 企業情報サイト/ニュースリリース
https://www.yamaha.com/ja/news_release/


※文中の商品名、社名等は当社や各社の商標または登録商標です。
※このニュースリリースに掲載されている情報などは、発表日現在の情報です。
発表日以降に変更される場合もありますので、あらかじめご了承ください。

本記事に関するお問い合わせ:ヤマハ株式会社

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