映像2019.11.23

セミナー・講座を制覇せよ3 ~CGってなんだ?~

東京 九段下
映像編集&コピーライター
秘密のチュートリアル!
野辺五月

前回は「CGWORLD 2019 クリエイティブカンファレンス」という大型のイベントのレポを先に書きましたが、今回はちょっと前に話を戻して、「小ぶりで良質なセミナー・イベント」を一つお話したいと思います。
タイトルは「CGってなんだ?」。ボーンデジタルを会場に、BlenderやCinema4D、AfterEffectsなどのCG界隈の「まずCGって何だろう」から始める軽いセッション。
私は、こちらに主催関連のつながりで参加しました。
登壇者は5名で、バラエティにとんだラインナップのそうそうたるメンバー。
私の狙いはC4Dの連携と、Element3Dというプラグインについての話でしたが、中には学校でCGを教えている先生もいて「そもそもCGをどうして学ぶのか」「仕事としてのCG」などの総論もあり、初心者~中級者まで楽しめるラインナップでした。

さて、終わったイベントのことばかりいってもアレですが、なぜこのイベントを取り上げたかというと、終わった後たまたま別のセミナーで一緒になった方とお話をする機会があったのです。そこで、「セミナー・講座」をどう有効活用するか思わず考えたくなるようなことがありました。
このイベントの中で、「今の若いCGアーティストを目指す人」の事情に触れるタイミングがあったのですが、この事情と、参加者の事情について……まさに「中途のリアル」としては触れざるを得ないことがでてきます。
(なおこのイベント自体はとても楽しく、二度目があったらぜひ皆様もチェックしてほしいです。&この手のイベントはわりとPeatixで検索すると出てくるということも書いておこうと思います。)

実はイベント、参加者最年少は中学生。そして、私がイベント終わりに会話した方は、私より年上のデザイナーさんでした。当然ですが、これからCGをやる愉しむ、少し触っている・今後もどんどん触っていきたいという部分はわりと「かぶっている」のです。が、「仕事にしよう」ということになると、年齢によりちょっと事情が違ってきます。
「トライはしないよりせよ」と、わりとどの参加者も背中をおしてくれていましたが、私が会の後お話した方は「今後増えそうな仕事」としてのCG関連をみにきていました。もちろん増えるとは思いますし、勉強して仕事にという気概は私もあるので、わかります。ただ、「中途」で「動画」の現場……シビアになってくるのが「時間」。
ここについて、私自身も考えてしまいました。
まっさらな若者であれば、それこそとにかく触るでいいとおもいますし、好きだったり興味をもったりしたら触らずにはいられないとおもいます。その一方で、「食えるかも」をベースに触りだすときは、「狙い」と相談するべきだと言わざるを得ない気もしました。
例えば、食えるかもと思って「中途」人が、勉強しだしても、若者の習得速度は、今の世の中、(ツール的な意味でも)早かったりします。これは専門学校で教えてる先生もいっていました。細かい作りこみについての完成度も、わりとたかいのが現状だそうです。
では「中途」の我々はどうするのか? いわば途中から入る場合は、やっぱり<これまでの仕事でえたスキルとの掛け合わせ>に尽きるなぁという話です。ご一緒した方は幸い多少カメラの経験があるようなので、Premiere編集はまだ簡単だとおっしゃっていました。ただ、もっと食えそうだからとCGに乗り出そうとしているものの、専門的なソフトはたくさんあり、プラグインもたくさんあります。「どれからやるか?」「どこまでお金をかけるか」のお話に、なります。

そうするとおのずと「どうしたいの?」「どこに行きたいの」……が問われます。
「仕事になるかも」の奥に、自分の持っているスキルと合わせてどこが?どう?……ということも考えなければ、すぐに仕事には結び付きません。そのまま会社に所属するにも、異業種転向の利点が会社側になければ雇われませんし、未経験OKのところも若い人に限る場合は当然あります。
お話しながら自分でも唸りました。
一方で、登壇者の中には、見事な転身を遂げている方もいらっしゃいました。たとえば、建築畑でもともと3DCADなど触っている・設計が分かるということから、C4DのようなソフトやUE4をつかって映像を作り出す方向に移動した方……ただまあわかるとおり、ベースが「設計」であり、映像以前の話です。また更にはまるっきり関係なく、「会計士」だった方もいましたが、そういう関係のない仕事の方ほどそもそも映像が「好き」なんですよね。仕事になるから、でなくて、いわば本気の趣味なのです。
そういう意味でも、「好きでうまくいっている」をそのまま真似すると、「仕事にしようとしている」人にとってはつらくなりそうだなぁとおもえました。
私自身はこの記事のとおり、好きがなくて「戦略的にやる」ももちろんありだとおもっています。
「仕事になるかも」があって、動くのは悪いことではありません。が……習得する時間が長いのがCGでもあると思います。「何のために」「どのくらい時間をつかうか」ここについては、きっちり考えたほうがいい――講座の先生のことばがふと思い出されました。
ちなみに私の場合結局、映画が好きで、ショートフィルムはとっていたりなんかするので、ある程度は時間をかけても無駄には思えないのですが……本当に、ソフトの習得を進めようとすればするほど、「時間つぶしの罪作りな奴だなぁ」という感想が出てきます(笑)
中途・途中から勉強する身としては、ソフトを極めたいのか・仕事をしたいのか・就職したいのか・流行をしりたいのか……セミナー・講座にいく機会がふえるほど、ここが大事になりそうだぞと。
現状のとりとめもないお話ですが、投げかけて今回は終わりにしたいと思います。
来月はAdobe Maxの報告ができるかと思っております。もし顔を出す方がいらっしゃいましたら、現地でお会いいたしましょう。

それでは、また次回へ続く。

プロフィール
映像編集&コピーライター
野辺五月
学生時代、研究の片手間、ひょんなことからシナリオライター(ゴースト)へ。 HP告知・雑誌掲載時の対応・外注管理などの制作進行?!も兼ね、ほそぼそと仕事をするうちに、潰れる現場。舞う仕事。消える責任者…… 諸々あって、気づけば、編プロ・広告会社・IT関連などを渡り歩くフリーランスと化す。 2015年映像畑へ。プレミア・AE使い。基本はいつでもシナリオ構成!のひと。趣味は飲み歩き。

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