WEB・モバイル2020.02.12

知恵を駆使して、さらなる高みへ

名古屋
株式会社ファーストクリエイト 代表取締役
Soichi Kito
鬼頭 創一

Webサイト構築のプロセスを最適化することで、クライアントにとってもクリエイターにとってもベネフィットがある仕組み作りを進める株式会社ファーストクリエイト。代表の鬼頭創一さんに、異業種からWeb業界に転身したきっかけや人生のターニングポイント、クリエイターへのアドバイスなどを伺いました。

夢はなく、経営者への憧れもなかった

鬼頭社長は、少年時代から経営者への憧れがあったのでしょうか?

小学生の頃は、将来の夢がコロコロと変わる、ガンプラ(ガンダムのプラモデル)好きの“普通の子”でした。中学時代は通っていた学校がすごく荒れていたため、自分の身を守ることで精一杯。夢を描く余裕はなく、経営者への憧れも皆無でした。高校時代も夢とは無縁の生活を送っていました。しかし、高校卒業後に転機が訪れたんです。

どのような転機があったのですか?

ニュージーランドへの留学です。大学進学も考えましたが、これといって学びたい学問もなかったため、思い切って「自分の存在を知る人が誰もいない場所に行こう!」と決心しました。21歳までの約2年半を海外で過ごしました。

留学先ではどのようなことを学びましたか?

語学に加えて政治学と環境学を学んだのですが、それよりも「異文化交流」が自分の中で大きかったです。その学校に通っていたのは、アメリカ・フランス・タイなどさまざまな国籍を持つ学生たち。最近よく耳にする「多様性」というものを、いち早く体感することができました。留学中に経験したことが、私の現在の考え方の軸になっているような気がします。

帰国後のキャリアを教えてください。

帰国してすぐにバブルが崩壊したため就職先はまったく見つからず、アルバイトを転々としているうちにホテルのベルボーイの仕事に出会い、そこから計17年間をホテル業界で過ごしました。フロントから客室係、お客様対応、海外営業、広報などさまざまな仕事に携わりました。

睡眠時間を削って、スキルアップに没頭した

ホテル業界から、なぜWeb業界に?

きっかけはインターネットでのホテル予約です。当時はまだネット予約が全体の数%という規模だったのですが「これは伸びる!」と直感して34歳でWeb業界に飛び込みました。「HTMLって何?」という状態からのスタートでしたが、入社した制作会社でのアフターケア担当の仕事を通じてコーディングやデザインを徐々に覚えていったんです。

飛び込んだ新たな世界はいかがでしたか?

Web制作は小学校時代に夢中になった「ガンプラ」に通ずる部分が多く、どハマりしました。Webサイトを理想の形に組み上げていく作業に、まさに没入しました。今のように働き方改革が叫ばれる前だったので日々の仕事はとにかくキツかったのですが、制作の基礎を学ぶことができました。

そこから起業に至るまでのストーリーをお聞かせください。

働いていた会社が2年ほどで傾いてしまったため、家族を養うためにホテル業界に一度カムバックしたんです。そこで偶然、勤務先のWebサイトがリニューアルされることになって担当となり、その後に広報部に異動となりました。ちょうどその頃から独立も考え始め、プライベートでWebの仕事も受けるようになりました。初めは、スキルアップのために無償で制作を請け負い、睡眠時間を削って年間10本ほどのWebサイトを構築。運用は有償とすることで安定して稼げる段取りができたため、脱サラに踏み切りました。

その後の御社の歩みも教えてください。

脱サラして2期目には年商が1000万を超え、3期目には2000万円が見えてきたため法人化しました。そこからパートナーを増やして事業領域も広げていったのですが、営業を強化した会社に刷新しました。Web業界はなぜかディレクターが営業を兼任することが多いのですが、営業担当と制作担当を明確に切り分けることができたため、そこから業績が急カーブで上がるようになりました。

絶対に「ノー」と言わない

「ファーストクリエイト」の社名の由来と御社の強みを教えてください。

社名の由来はズバリ「創一」という私の名前です(笑)。営業ネタとしても有用なのですが、実は当時小学4年生だった息子と相談して決めました。当社の強みは、やはり営業を強化している部分だと思います。Web制作をはじめとしたクリエイティブの営業って、実はとても難しく、頭も使うし骨も折れる仕事です。私は現場の経験もあるので、デザインのこともシステムのこともサーバーまわりのこともその場で即答できますし、見積もりにしても会社に持ち帰ることをせずにその場で概算を伝えることができます。そのレスポンスの良さが、クライアントにとっても心強いのだと思います。

鬼頭社長が日々心掛けていることは?

経営方針と行動指針にもなっているのですが、一つが「知恵を使うこと」。知恵を使ってクライアントの要望に応えることはもちろん、その上を行く提案をするよう日々心掛けています。そしてもう一つが「Never Say No」。絶対に「ノー」と言わないことです。自分ができないことでも、グループや外部ブレーンの協力を仰ぎながら要望に応えるよう努めています。「できない」というのは簡単ですが、その先に成長はないからです。

今後のビジョンをお聞かせください。

拠点としている中部地方は、海外や東京に比べてクリエイティブや知恵に対するリテラシーが低いと感じています。その部分の価値が認められないと、クリエイターも業界も疲弊するばかりです。この先2年を目処(めど)にその状態を変え、仲間も私もハッピーな状態を生み出したいと考えています。そのために、知名度が高く信頼も厚い“強い会社”にしていきます。

最後にクリエイターへのメッセージをお願いします。

日々の営業活動で感じているのが「大企業は、小回りがきいて一生懸命がんばってくれる仲間を探している」ということです。当社はまだまだ小さな会社ですが、それでも年商数百億レベルの企業とのアポイントが取れることもよくあります。これは、ホテル業界の経験からはとても意外なことなんです。だから、あなたもクリエイターとしての可能性を自ら狭めることなく、大きな会社にも臆せずアタックし、アピールすることがとても大事だと思います。そこから思いがけない扉が開くことが、きっとあるはずです!

取材日:2019年12月23日

株式会社ファーストクリエイト

  • 代表者名:鬼頭 創一
  • 設立年月:2017年12月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:ブランディング、Web制作、SNS運用、NPS、オウンドメディア、グラフィックデザイン、システム開発、写真&動画
  • 所在地:〒450-0003 愛知県名古屋市中村区名駅南1丁目3-14 石原ビル3F/4F
  • TEL:052-526-0542
  • URL:https://first-create.com
  • お問い合わせ先:info@first-create.com

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