有資格の広告屋として企業“代々”の発展を支援。SP・シェアオフィス・学生支援で広島から未来を創る
屋外広告やWebなどのSP(セールスプロモーション)、シェアオフィス事業、学生支援事業を三本柱に展開している広島の橙デザイン株式会社。製造の現場や広告営業など多様な経験を経て独立を果たした代表取締役の徳本 剛一(とくもと よしかず)さんは、「信頼されるパートナーでありたい」との思いを胸に事業を拡大してきました。“持たざる経営”による柔軟な体制で、顧客のニーズに応え、成長を続けています。若者支援にも力を入れ、地域と未来をつなぐ存在を目指す同社の歩みに迫りました。
ものづくりの現場で学んだスキルを糧に営業職へ
立ち上げ以前のキャリアについて教えてください。
実家が家具製造、販売業を営んでいたこともあり、ずっと興味があったインテリアデザインの勉強をするために広島の専門学校へ入学しました。卒業後は家具メーカーに就職し、製造の現場に2年ほど勤務。製造のスキルを生かしてイベント会社へ転職し、現場業務や営業職を経験しました。
その後、ある広告会社の営業職として活動を始めることになりました。ちょうどWeb広告などのオンラインによるセールスプロモーションが拡大し始めた頃で、広告業界も大きく変化の時期を迎えていました。変動する時代のうねりの中で、やがて一つの部署を任せられるまでになっていました。しかし、担うのは下請け仕事ばかり。この頃の私は、お客さまの思いに寄り添ったり、ワンストップで効率化を図ったりするためには“脱下請け”が必要である、という思いを強く抱くようになっていたのです。
その思いを実現するため、独立を決意。その後、各種資格を取得し独立。
“お客さまが一番、それを支える二番手としてサポートしたい”という思いがあり、この“2”にちなんで、2020年(令和2年)2月20日、橙デザイン株式会社を広島の地に設立しました。
起業に向けて注力したことなどあれば教えてください。
Webアナリスト 、屋外広告士、カラーコーディネーターの3つの資格を1年に1つ、3年後にすべて取得して独立をする。という目標を自身に課していました。
これら3つの資格の中でも屋外広告士は、国土交通大臣認定の国家資格に準ずる資格でもあり、合格率はかなり厳しいものではありましたが、「一発合格しないようだと起業する資格がない!」と懸命に取り組んで一発で合格。いよいよ独立へ向けて舵を切ることになりました。
クライアントから「信頼されるパートナー」であり続けたい
橙デザイン株式会社という名前の由来をお聞かせください。
お客さまの代々(橙)継続発展の設計 (デザイン) サポートに努めて参りたいという思いを社名に込め、そしてもう一つは、私自身が子どもの頃からオレンジ色が好きだったからです。
展開されている三つの事業について、特徴などを教えてください。
弊社では、SP(セールスプロモーション)事業、シェアオフィス事業、学生支援(インターンシップ)事業、これらを三本柱として展開しています。
SP(セールスプロモーション)事業は、これまでに私が培ってきたスキルと人とのつながりを生かし、お客さまの課題解決をワンストップで実現させる、弊社の屋台骨となっている事業です。 販促ツールやWeb制作、動画制作、紙媒体のみならず、工事を伴う屋外広告や店舗外装、内装、イベント出店サポートなど、幅広く対応しています。
そして、シェアオフィス事業は、創業2年目に生み出した利益で事業領域を拡大しよう、と発想して実現させた事業です。ありがたいことに現在、満室となっております。 実は私が起業した際にシェアオフィスを利用しており、シェアオフィスの必要性と改善点などを実感していました。そのため、よりニーズに沿った形の事業が実現できているのだと思います。
そして、学生支援(インターンシップ)事業については、学生さんのキャリア育成の一助となれば、と支援プログラムを展開しております。「INTERVIEW WITH PRESIDENT 広島」という学生が企業のトップの方にインタビューをし、その思いを記事にして若者に伝える企画です。企業のトップの方の思いを聞き出し、文章にまとめるという作業を通して、聞く力と伝える力を身につけてもらい、社会へ出る前の土台作りに役立ててもらうインターンシップとなっています。毎年、参加を希望してくれる学生さんは、皆さん意識の高い人たちばかりですし、経験を自身の力に社会へと旅立ってくれているようにサポートしています。
決して売上に直結する事業ではありませんが、私自身、若い人たちとの接点が生まれて良い刺激をもらえますし、企業側とのつながりもできるので、ボランティア事業ととらえ、創業以来6年間ずっと大切に取り組みを続けています。
貴社の強みについて教えてください。
お客さまのニーズに合った広告プランをご提案し、ワンストップで担う、これがまず弊社の一つの強みと言えます。弊社では、これまで私が長年培ってきたスキルを中心とした屋外広告、イベント、ディスプレイ、そして紙媒体などのオフラインプロモーションと、Webを使った広告、動画制作などのオンラインプロモーションを組み合わせ、さまざまな視点によるセールスプロモーションを企画・サポートしております。
また、コロナ禍より補助金のサポートを行っており、補助金を活用して広告費の負担を減らして、集客売上UPに直結する広告宣伝のお手伝いを実施しています。
これにより、お客さまから「信頼されるパートナー」として認知していただいている、と自負しております。
今後は新規事業の立ち上げや「持たざる経営」の推進で、販路拡大へ。柔軟な対応力を身につけて
若者参画、経営者人脈などの強みを生かし、今後、どのような会社にしたいと思われていますか。将来のビジョンなどをお聞かせください。
今後も新たな事業展開を考えております。まだ構想段階ですが、高齢者の方が集える場、ただ集まるだけではなく、そこから何かしら新たな価値が生み出されるような場所を作りたい、と考えております。
また、「持たざる経営」の一つとして弊社営業をアウトソーシングし、さまざまな案件を進めておりますが、今後は東名阪エリアの案件の拡大を目指したいと思っておりますが、広島に軸足は置きながらも、より販路を拡大することも一つの目標としています。
若手クリエイターや、クリエイターを目指している方へメッセージをいただけますか。
私自身の経験からお伝えできることは、柔軟な対応力が大切、ということでしょうか。 自身の核となる部分を持つことは大切ですが、変化の激しい時代のニーズに、よりフレキシブルに対応できるよう、柔軟性を持つことも重要だと思います。
これからの目標や夢など、教えてください。
ゆくゆくは三つの事業をそれぞれに分社化し、それまでに育成した後進に譲り、引退できればと考えております。
もう一つ、これは夢でもありますが、学生支援事業に参加してくれた学生たちが、社会で活躍する存在となり、弊社へ大きな案件を依頼してくれるようになってくれたらうれしいな、という淡い期待もあります。実際には、弊社にとってのメリットなどというよりも、既に、実社会で活躍を始めた学生もおりますので、彼らが社会で活躍してくれることを楽しみに見守っております。
取材日:2025年4月18日 ライター:村上 雅水
橙デザイン株式会社
- 代表者名:徳本 剛一
- 設立年月:2020年2月
- 資本金:300万円
- 事業内容:広告デザイン事業、プロモーションメディア事業、セールスプロモーションコンサルティング事業、地域メディア事業、補助金制度の活用について
- 所在地:〒730-0851 広島県広島市中区榎町5-14榎町ビル2F
- URL:https://daidai-design.jp
- お問い合わせ先:082-208-3086
- Mail:contact@daidai-design.jp