WEB・モバイル2025.06.18

「価値あるコンテンツを発信する」Webメディアの未来を切り拓く起業家の挑戦

福岡
株式会社Liam 代表取締役
Mamoru Terao
寺尾 衛

福岡県福岡市を拠点に、Webメディア事業を展開する株式会社Liam。代表の寺尾 衛(てらお まもる)さんは、副業として始めたWebメディアが好調に推移したことをきっかけに独立を果たしました。
経営者として成果にコミットしながらも、常にユーザーインサイトを軸に価値創出を続けてきた寺尾さんに、現在の取り組みと今後の展望を伺いました。

副業から独立、そして起業家の道へ

これまでのキャリアを教えてください。

ビューティー・ウェルネス領域のブランド開発をする上場企業で約10年勤務したのち、インターネット広告代理店へと転職しました。
その在職中に副業としてWebメディアの運営を始めたところ、順調に業績が伸び、個人事業主として独立。さらに半年後には、株式会社Liamを設立するに至りました。
振り返れば、10代の頃からメディアやインターネットの世界に強い関心を抱いていましたが、当時は一歩踏み出す勇気がありませんでした。その後、さまざまな経験を重ねるなかで、ようやくこの領域に辿り着いた。そんな感覚があります。

現在の事業内容を教えてください。

現在、当社では主に Webメディア事業とWebマーケティング事業の二本柱を中心に事業展開をしております。各事業で培った専門性と経験を活かし、クライアント様およびユーザーの皆様に価値あるサービスを提供しています。
Webメディア事業では、マッチングアプリ・美容・旅行・グルメなど、幅広い分野にわたるインターネットメディアを運営しています。
中でも、マッチングアプリ情報メディア『ふくむすび』は月間30万回以上の閲覧数を誇り、多くの男女の出会いに寄与しています。当社のメディアを通じてユーザーに有益な情報と新たな出会いの機会を提供できていることは、大きな強みの一つです。
一方、Webマーケティング事業では、企業や店舗に対してインターネットマーケティングの支援を行っています。自社メディア運営で培ったノウハウを活用し、SEO対策を含む総合的なマーケティング戦略を提案・実施できる点が特徴です。これにより、クライアント様のWeb集客やブランド力向上に貢献し、事業成長を後押ししています。

実体験と信頼で届ける、価値あるコンテンツづくり

お仕事を進めるうえで、特に大切にされている考え方や姿勢があれば教えてください。

Webメディアの制作において、私たちが最も大切にしているのは、「インターネットを通じて価値あるコンテンツを届けること」です。
Webメディアは広告収益と切り離せない側面があるため、ユーザーが求めていない広告訴求を行ってしまうケースも少なくありません。しかし、それではユーザーからの信頼を築くことはできません。当社では、専門的な経験を持つライターやディレクターの方々と共に、ユーザーにとって本当に役立つ情報を届けることをポリシーとしています。
たとえば美容ジャンルでは、長年エステティシャンとして現場経験を積まれた方がライターとして関わってくださっています。マッチングアプリに関しても、数多くのアプリや出会いに精通し、リアルな体験をもとに語れる方が記事制作を担っています。こうした実体験に根ざした視点こそが、説得力のあるコンテンツを生み出す源だと考えています。
近年では、AIを活用したライティングが一般的になりつつありますが、私たちは「実体験をベースにしたコンテンツ」でなければ、ユーザーの心には響かないと考えています。そのため当社では、実績や経験だけでなく、人柄や価値観にも丁寧に向き合い、当社の理念に共感いただける方々とチームを組むことを大切にしています。

多くのWebメディアがある中で、御社が特に大切にしている編集方針を教えてください。

Webメディアは、ユーザーに閲覧されて初めて意味を持つため、検索結果で記事が上位に表示されるよう、SEO対策にも注力しています。実際に当社メディアの記事は、1,000を超えるキーワードで上位に表示されています。
もっとも、検索エンジンのアルゴリズムは日々進化しており、現在は「ユーザーにとって最良の情報」が上位に表示されるよう設計されています。ただ一方で、その傾向を分析し、小手先のテクニックで活用しようとするメディアも少なくありません。
当社では、基本的なSEO対策は適切に講じた上で、そうしたテクニックに頼るのではなく、「ユーザーにとって本当に価値のある情報とは何か」を常にユーザー目線で考えながら、丁寧にコンテンツを制作しています。

 

「検索される」から「選ばれる」へ。発信の本質を進化させる挑戦

数あるWebメディアの中で、御社ならではの強みや特長を教えてください。

当社の強みは、少数精鋭の体制を活かし、常に質の高いコンテンツを安定して提供できる点にあります。大手企業では完全に分業化されているケースも多く、結果としてコンテンツの深みや一貫性が損なわれることもあります。
その点、当社ではWebメディア構築の全体像を把握したうえで、私自身が企画や編集など要所にしっかり目を通せる体制を維持しています。ディレクターとは常に密に連携を取り、必要に応じてライターとも直接やり取りを行いながら、ひとつひとつのWebメディアを丁寧に作り上げています。
このような「経営と制作現場の近さ」こそが、コンテンツの質を高め、他社との差別化につながっていると考えています。

これからの展望や、挑戦していきたい分野についてお聞かせください。

Webメディア事業に関しては、今後もまだまだ大きな成長の余地があると感じています。 時代の流れが加速するなかで、新しい価値観やトレンドは次々に生まれています。たとえば美容ジャンルひとつをとっても、数年前と比べてユーザーの関心の方向性や情報の求め方には大きな変化が見られます。 そうした変化に対してアンテナを張り、ユーザーが本当に求めている情報を、タイムリーかつ高い解像度で届けていくことが、私たちの果たすべき役割だと考えています。
さらに今後は、SEO領域にとどまらず、InstagramやYouTubeなど複数のチャネルを活用した発信にも本格的に力を入れていく予定です。
コンテンツを「検索されるもの」から「発見されるもの」へと進化させ、ユーザーとの接点をさらに広げていくことで、発信の在り方そのものをアップデートしていきます。
また、マーケティングの中核として進化し続けるAIの活用も、今後の大きなテーマの一つです。
生成AIや分析系AIを適切に取り入れながら、あくまで人の視点や体験を起点とした“中身のあるコンテンツ”をどう生み出していくか。その融合が、これからのメディア価値を決定づけると考えています。

共に働く仲間として、大切にしている人物像や考え方はありますか?

一緒に仕事をするうえで大切にしているのは、自分の考えを持ち、物事を主体的に動かせる人かどうかという点です。立場に関係なく、必要なことをきちんと提案・発言できるような、健やかな自己主張ができる方とご一緒したいと考えています。
当社の社名の中にある “Iam” が示すように、自分の軸を持ち、意思を持って働く人たちの集合体でありたいというのが私たちの根底にある価値観です。
また、私たちは 「利益を出すことで社会に貢献する」ことを明確に掲げている会社でもあります。
収益性をしっかりと追求する一方で、得られた利益の中から寄付やスポンサー協賛を行うなど、具体的なかたちでの社会貢献にも継続して取り組んでいます。
そうした考えに共感してくださる方と、目の前のひとつひとつの仕事を丁寧に積み重ねていきたいと思っています。 そして、その先にいるユーザーや社会に少しでも価値や喜びを届けられるような仕事を一緒に実現していけたらうれしいです。

取材日:2025年5月2日 ライター:川村 忠寛

株式会社Liam

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