WEB・モバイル2024.01.24

“簡単に誰でも使える”を重視。独自の言語で子どもから企業まで幅広い層に役立つアプリを開発

札幌
オリーブ情報処理サービス株式会社 代表取締役
Kinji Hotta
堀田 錦二

ホテル購買部門のシステム化や給与明細電子化など、ユーザーの生産性向上や業務効率化を叶えるアプリケーション開発を行なっている札幌のオリーブ情報処理サービス株式会社。若い頃、日本で最初に開発された表計算ソフト、SORDの「PIPS(ピップス)」の有能さに感銘を受けた代表の堀田さん。今や姿を消したPIPSの役割を継承し、よりユーザーのニーズに寄り添ったアプリケーション開発に注力されています。そんな代表の堀田 錦二(ほった きんじ)さんに、現在の仕事や今後の取り組みについてお話を伺いました。

人生を変えるほど魅力を感じた日本初の国産表計算ソフト、SORD「PIPS」との運命的な出会い

大学をご卒業後、まずはどのような仕事を始められたのですか?

上智大学の理工学部に5年間通い、そのあとは経済学部に移り2年間勉強しました。トータルで7年間過ごした大学を卒業したのが1970年。新卒でバイエル社の子会社に入社し、そこで3年間勤めました。
なぜ3年ばかりで退職したのかと言うと、実は大学の時、さまざまな国に旅行していたことがきっかけです。旅行先のイタリアのミラノでイタリア産の家具の展示会に行き、そのデザイン性と美しさに大きな衝撃を受けました。就職後もイタリア産の家具の魅力が忘れられず、個人輸入で仕事にしてみようと一念発起して新しい仕事を始めるつもりだったのですが、意外な誤算にぶつかりました。イタリアの家具は大きく、日本の小さな家屋にはサイズ感が合わないと気がついたんです。そこで個人輸入事業は諦めました。

就職した会社を辞めてまでやろうと思った個人輸入業を諦めたあとはどうされたのですか?

父親が当時、北海道三菱自動車販売株式会社のCEOを務めていた関係で、子会社の菱和自動車販売株式会社の専務として経営に携わりました。5、6年間は自動車関係の仕事に就きました。

そこではどんなことを学ばれたのですか?

1980年代初頭だったその頃、企業にコンピューター導入が普及し始めた時代でした。今の若い人は知らないかもしれないけれど、ソフトウェアの概念を劇的に変えた国内初の表計算ソフト、SORDのPIPSが登場したんです。PIPSは弊社開発の簡易言語「オリーブ語」のベースにもなっているソフトなのですが、人間がコンピューターに対して、対話的に指令を出せるという視覚的にも大変わかりやすいソフトウェアというか簡易言語でした。これは業界にとって大きな発明であり転機だったと思います。
私もこのPIPSを使って販売管理や売れ筋商品の分析をしていました。なんて便利なものができたんだと本当に感動しました。これまで紙上にて計算でやってきたことが手間をかけることなく、PIPSがすべて弾き出してくれる。計算式をプログラミングするという多大な労力から解放され、相当な作業時間の節約を可能にしたんです。PIPSは本当に画期的でしたね。今でも当時の感動は忘れていません。

世の中から姿を消したSORDの簡易言語PIPS。ないなら自分で作ろうとアプリケーション開発事業をスタート

自動車業界で順調に働かれていたようですが、何をきっかけに起業されたのでしょうか?

オリーブ情報処理サービス株式会社を立ち上げたのは1983年のことです。それまで勤めていた会社で利用していたPIPSの快適さに引かれて、これをもっと有効活用する方法はないかと考えるようになりました。PIPSをベースにしたアプリケーションを作って販売すれば多くの人が助かるのではないかという思いが極まり、どうしてもやってみたくなったんです。そこで思い切って起業に踏み切りました。

PIPSは現在存在しないソフトウェアですよね?

そうです。SORDはのちに東芝の傘下に入るのですが、2000年には東芝がPIPSの生産を終了しました。ですが弊社は今でもPIPSの言語を使って経理・総務の業務を行っています。PIPSを継承している数少ない会社だと思います。だから起業した時は、PIPSを完全に理解している人間はほとんどいませんでした。だったら自分がやろうと。ニッチな市場に目をつけたんです。今はPIPSの簡易言語を継承した弊社独自の簡易言語「オリーブ語」をベースに、コンピューターと対話形式で指令が出せるアプリケーション開発に注力しています。

具体的にはどのようなアプリケーションをこれまで開発されたのですか?

ホテルのレストランや宴会場などの購買部門業務をシステム化する「OLIVE SUITE(オリーブスイート)」や、給与明細の電子交付ができる「給与明細書電子配信ソリューション」、小学生向けに開発した簡単に表計算ができる簡易型表計算アプリなどがあります。どなたでも簡単に使いこなせるアプリケーションだと自信をもっておすすめしています。

PIPSを継承した独自の簡易言語「オリーブ語」を開発。第一弾は小学生向け表計算アプリケーション

最近小学生向けの表計算アプリケーションを開発されましたが、小学生をターゲットにした真意は?

レポートや企画書、家計簿、売上・仕入管理など世の中に表はあふれています。社会に出たら何かしらの表に出会わずにはいられません。そこで子どものうちから表や表計算に慣れ親しんでおけば将来きっと役立つと考え、簡単に使える表計算アプリケーションを開発しました。これが「オリーブ語」製品の第一弾です。

開発体制を教えてください。

合計3人の開発者が揃っており、一つのアプリケーションに対して1〜2人の体制で行なっています。外注に頼ることはなくすべて開発は内製しています。

今後の展望を教えてください。

やはり「オリーブ語」のことになってしまうのですが、弊社独自の簡易言語である「オリーブ語」をベースにしたさまざまなアプリケーションをもっと幅広いジャンルで開発していこうと思っています。そして「Microsoft Excel」で可能な指令を「オリーブ語」でも可能にしたいです。指令の種類をもっと増やして機能性の幅を広げたいですね。

スタッフは会社の宝。それぞれライフスタイルにあった働き方で最高のパフォーマンスを発揮してほしい

会社経営者として大切にしてきたことは何ですか?

スタッフのみんなです。もちろん業務効率化につながるアプリケーション開発という使命はありますが、私のやりたい事業についてきてくれるスタッフたちには本当に感謝しています。私が言わなくても自主的に学習して動いてくれる。私が要望を伝える時、特に具体的な指示はしていないんですよ。というか上手く伝えられない(笑)。でも上手く私の思いを汲み取って理解し、逆に提案してくれる。本当にスタッフに助けられる毎日です。

スタッフが働きやすい職場を作るために何かされていることはありますか?

起業した頃、1990年代当時はまだ珍しかったフレックスタイム制を導入しました。それぞれの生活リズムに合わせた働き方をしてほしいとの思いからで、その方が無駄な業務も減り、効率的だと考えました。
また、コロナ禍で増えた在宅勤務ですが弊社では2000年から取り入れています。女性スタッフも多いので、出産後などは特に在宅勤務の方が働きやすいだろうと思い始めました。大事なスタッフが最高のパフォーマンスを発揮できる働き方ならどんどん取り入れていきたいですね。

最後に今がんばっている世の中のクリエイターたちに応援メッセージをお願いします。

基本中の基本ではありますが、プログラマーでもデザイナーでも共通して言えるのは、お客さまのことを第一に考えること。お客さまの課題に誠意をもって耳を傾けてください。会社の方針や売上目標よりもお客さまの言葉の方がずっと大事です。「お客さま命」の精神で課題を解決していけば自然と目標は近づいてくるはずです。真心のあるクリエイターを目指してほしいですね。

取材日:2023年11月29日 ライター:宮本 和加子

オリーブ情報処理サービス株式会社

  • 代表者名:堀田 錦二
  • 設立年月:1983年2月
  • 資本金:4,500万円
  • 事業内容:アプリケーション開発、販売
  • 所在地:〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西6丁目5−4 第 58山京ビル3F
  • URL:https://www.olive.co.jp/
  • お問い合わせ先:011-241-4886 

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