その場で商談→お仕事受注!未来のクライアントに出会える場、「クリエイターEXPO」

東京
クリエイターズステーション編集部
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編集部U

 

映像・アニメーション・イラスト・音楽・デザインなど…あらゆるジャンルのクリエイターが出展するクリエイターEXPO。第12回が、2023年6月28日(水)~30日(金)の3日間にわたり開催されました。
一般参加NG、商談のための展示会。そこに挑むクリエイターの想いとは?どんな出会いがあるのか?3日間の現地レポートをお届けします!

 

◆第12回クリエイターEXPO

クリエイターEXPOは、5つの専門見本市から構成される大規模国際総合展・コンテンツ東京の展示会の1つです。イラストレーション、デザイン、映像・アニメーション、写真、絵本・児童書、アート・デザイン書道、音楽・サウンド、漫画、ゲーム・CG、ライティングと、多岐に渡る分野の個人クリエイターが出展するのが特徴です。第12回となる今回は、約550名のクリエイターが出展されています。

 

◆熱心に話し込む人々、各ブースで行われる商談

初日、到着したのはお昼12時をまわった頃。会場は既に多くの人で賑わい、皆さん熱心にブースを見て回っていました。クリエイターEXPOは会場の中央に位置しています。
印象的だったのは、ビラ配りや呼び込みが盛んに行われていること。やはりコンテンツビジネスの場ということもあって、皆さん商談に繋げるため積極的に参加者に声をかけていました。出展者の方に伺ったところ、参加者の方も案件を抱えている方や業界の方が中心のため具体的な話に繋がることが多い、という声がありました。

 

◆ビジュアルコミュニケーションを意識したブース設計―イラストレーターのじんかい氏にインタビュー!

クリエイターEXPOエリアの一角に、ひと際目を引くイラストが。力強い水墨画を手掛けるクリエイター・じんかい氏のブースです。今年で6回目の出展という彼に、本企画展参加の経緯や出展時のポイントについてインタビューさせていただきました!

 


プロフィール:稔絵 zinkai
水墨イラストレーター
アナログの水墨画を活かしたイラストや、水墨アニメーションを制作。
TVアニメ、MV、イベントイラスト、グッズなどを手掛ける。

 

今回6回目の参加ということですが、初めてクリエイターEXPOに出展するきっかけは何でしたか?


フリーランスになる前は鹿児島にいて、3年間デザインの会社にいました。その後フリーで活動していくことを目指しながら少しずつ案件を受けていたんですが、東京で大々的にやっているイベントは仕事を掴むチャンスだと思って、フリーになってすぐ申し込みました。

クリエイターEXPOは出展料等参加のハードルが高いと聞くので、フリーになってすぐ、というのは驚きです。初出展はいかがでしたか?


初出展から、商談の機会がありました。たまたま緊急でイラストレーターを探している方がいて、僕の作風が刺さってその場で商談が決定したんです。そういう意味でかなり好印象でした。

初出展からその場で商談が決まるというのはすごいですね!


そうですね、僕は恵まれている方だったと思います。出展者のSNSを見ると、たくさんお仕事が来ました!という方もいれば、収穫なし…という方もいるんです。今だと1回の出展で、準備含め諸々30万円ほど費用が掛かります。それで収益ゼロって結構きついですよね。どれだけ磨きをかけても、ご縁を掴めるかどうかはわからない。ですが、ここは運を引き寄せるための場所なので、その運を掴むために挑戦することは重要だと思います。

じんかい氏が初出展で運を掴めたのは、なぜでしょうか。


自分の作風を、この会場でどう魅せるかについては結構吟味しました。それがそのまんま刺さったと思います。前の会社がグラフィックデザインの関係だったので、“人に刺さる魅せ方”は仕事を通して学んできました。そこでの経験が生かされて仕事に繋がった。むしろこの経験がなければ難しかったと思います。

ブース設計が決め手だったのですね。ご自身のこだわりのポイントについて、詳しくお聞かせください。


自分が一番自信のある、これは人に刺さるだろう!というビジュアルを一番でっかく、文字は少なくしています。これは広告的な考え方です。あれもしたい、これもしたい、実績はどうで…って全部並べようとすると文字が増えるじゃないですか。文字が増えるとその分絵を小さくしなければいけない。でもお客様の判断基準って、抱えている案件と画風が合っているかどうか、つまりビジュアルなんです。だから絵を一番目立たせるように配置して、お客様の頭の中でこの企画に使えるかもしれない!と想起してもらえるように「情報を最適化」しています。イラストレーターやフォトグラファーのようなビジュアルを使う人に必要なのは、「ビジュアルコミュニケーション」だと思います。

ビジュアルコミュニケーションという考え方にも、デザインの経験が生かされているように思います。


そうですね、デザインって実は最強なんですよ。ブース設計や同人誌を作るときなんかも、やっていてよかったなって思います。何をやるにも結局デザインがついてくる。この会場って、たくさんの情報…いわば広告物に溢れているわけじゃないですか。普段広告って片目でちらっと追うくらいでしょう?だから、その瞬間に「あっ!」って思えるようにしなければならない。自分の作品のことだけじゃなくて、会場全体の空間、お客様の流れや、歩きながら考えていること・見ていることから考慮しないといけないと思います。

このブースもインパクトのあるかっこいいメインビジュアルを大きく使っていらっしゃいますね。3日間を終えて、反応はいかがでしたか。


すぐお仕事に、ということはなかったですが、今後に繋がる有意義な話をすることができました。また、アニメ等で僕の作品を見てくださった方からも声をかけていただけました。
コロナ禍だったここ数年と比較すると、明らかに参加者の数も増えています。

ありがとうございます。最後に、クリエイターEXPOへの出展を考えているクリエイターの方に向けて、メッセージをいただけますか。


クリエイターEXPOには、様々な業界の人や、同じ会社であっても複数の部署の方が訪れます。それぞれ探しているものは異なるので、自分の作品が誰かに刺さることもあります。絶対と言い切ることはできませんが、仕事を掴むチャンスは大いにあると思います。

タペストリーの他、アニメーション作品を流すモニターや自身の仕事道具を展示

 

◆大盛況!3日間のクリエイターEXPOを終えて

今回初めてクリエイターEXPOに参加しましたが、多くのクリエイターの方と直接お話して、皆さんの意気込みや感想、作品についてお聞きすることができ大変有意義な時間となりました。中にはクリエイターEXPO初出展の方や、地方から遠征されている方も多数いらっしゃり、このイベントがフリーのクリエイターさんにとっていかに大きな存在かを感じました。


今回初出展のアヤカワさん

愛知県から参加の石河和真さん

個人のクリエイターが出展できるイベントは複数ありますが、クリエイターEXPOの一番の特徴は、やはり商談を目的としていることだと感じます。“クリエイターに直接依頼をしたい企業”と“自分自身を売り込みたいクリエイター”が直接出会い、相談/依頼-提案/受注ができる場。今後の仕事の機会を広げていきたいという方には、ぜひおすすめしたいイベントです!

 

◆AIとの共生、クリエイティブ業界のこれから

今回のコンテンツ東京で「生成AI×コンテンツ制作」をテーマにしたカンファレンスがあったように、今クリエイティブ業界では生成AIが注目されています。
出展クリエイターの方複数にAIについての意見を伺ったところ、肯定派もいれば、否定派も…と意見が分かれる形に。ただ、反対派の意見はAIそのものを反対するのではなく、AIを使用する人の使い方・考え方を問題視している人が多い印象でした。例えば企業の機密情報をAIに提供してしまう危険性や、わざわざ攻撃的な発言をして衝突を生み出す姿勢…。こういった問題がある一方、AIによって制作スピードが向上すること・新たな技術との組み合わせで作品が昇華されることは、これからの時代に必要であるという声もありました。
今の時代は進化の過渡期。ひとりひとりがモラルを守り、これから法整備が整えば、今ある懸念点が少しずつ瓦解され、AIと共存する道が開かれていくのではないでしょうか。

 

※本展は業界関係者のための商談展です。一般の方のご入場はできません。
※記事の写真はすべて、許可を取り撮影しています。

 


 

第12回クリエイターEXPO

会期:2023/6/28(水)~30日(金)
会場:東京ビッグサイト(東展示棟)
開場時間:10:00-17:00
主催者:RX Japan株式会社
公式サイト:https://www.content-tokyo.jp/ja-jp/about/cr.html

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