行列に並ぶのは好きですか

Vol.7
編集&ライター
Juzooo
じゅーぞー

 私は並ぶことが嫌いだ。子どもの頃からそうだった。だから“人気の行列店“に危機として並んでいる人たちの気がしれない。驚いたことに、人が行列を作っていると、何の店かもよく知らずに慌てて並んでしまう人も少なくないという……。驚きである。
 私の職場のある秋葉原では、早朝、定期的に大規模な行列が出現する。ぱっと見た感じでは「1000人は並んでいるのではないか」、そう思える大行列だ。
それがAKB48劇場の入っているドンキホーテのビルまで続いているので、最初はAKB48のイベントでもあるのかと思っていた。しかし、何度かその大行列に遭遇するたびに何か違うと感じ始めた。そしてある時、その真相を知ることになるのだ。
 それは「最後尾」の看板を持った兄ちゃんの名札だった。そこにあった店名は「スロット●●」。実は、同じビルに入っているスロット屋の大放出日に並ぶ大行列だったのである。
 IR(総合型リゾート)関連のニュースが世間を騒がせ、「ギャンブル依存症」への懸念が叫ばれているが、あんな大行列を見てしまうと、全国に溢れるパチンコ店やスロット店のせいで、多くの日本人がすでに「ギャンブル依存症」に罹患していると思わずにいられない。
 写真は、我が家の最寄駅のスロット店の裏の空スペースで発見した“地上絵“である。最初は何だろうと思った。自転車を整然と駐輪させるための白線かと思ったが、それにしてはやけに小さい。目測だが、40cm×20cmほどしかないのだ。次の土曜日の早朝、その小さく区切られた白線の意味を知った。それは開店前に客を順番に並ばせるための仕切りだったのである。まるでアウシュビッツのような光景に、私は愕然とした。

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