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数字に強いクリエイターを育て、広告・ゲーム・教育と幅広い分野で活躍

東京
株式会社オートクチュール 代表取締役 中村晋矢氏
ゲーム開発と広告事業とビジネスインキュベーション……。一見異なるジャンルの事業を展開する株式会社オートクチュール。しかしすべての事業の根底には、“クリエイティブ"というひとつのキーワードがありました。トレンドの変化が早いクリエイティブ業界においていかにして会社を拡大していったのか。代表取締役の中村晋矢氏にお話をうかがいました。

外資系企業の経験から、クリエイターが数字に強くなる会社を目指す

まず会社立ち上げまでのキャリアを教えてください。

元々は出身地である愛媛県松山市にてDTPの仕事をしていました。その後、広告メディアを志して上京し、株式会社電通のインタラクティブコミュニケーション局に配属されました。同時に現GMOメイクショップのブランディング等のお手伝いをさせていただき、メイクショップがGMOに売却された際、電通を辞めて本格的にGMOメイクショップに参加しました。1年間在籍したのち、ニューロマーケティング※1について学ぶためオランダのリートフェルト大学に入学しました。

帰国後は知人の紹介で電通グループに入り、そこから外資系のオムニコムグループに移り、DTPの業界に戻りました。しかし運悪くリーマンショックのあおりを受けて、会社は維持できたものの、社長が他社へ移り、そのタイミングで私自身も会社を辞めました。その際、担当していたクライアントから「そのままディレクターを担当して欲しい」と言われ、であれば独立してしまおうと思い立ったのです。

※1 脳科学の立場から消費者の脳の反応を計測することで消費者心理や行動の仕組みを解明し、マーケティングに応用しようとする試み。

企業に在籍中ゆくゆくは独立をしたいという気持ちはあったのでしょうか?

よく聞かれますが実際、ありませんでした。日本ではクリエイターは使われる立場と思われがちですが、外資系企業ではそうではありません。目標金額を越えれば会社に対してコミッションが入り、それを会社、プロデューサー、ディレクター、そしてデザイナーに還元する仕組みがあります。そうなるとデザイナーと言えども責任が発生し、お金に対してシビアになるのです。これをオートクチュールでもやっていきたい、クリエイターが数字に強くなる会社にしたいと思うようになりました。ですので弊社に入るとデザイナーも2~3ヵ月後には数字に強くなります。皆、デスクにタイマーを置いてラフや彩色にどれほどの時間がかかったか計っているんですよ。

ソーシャルゲームから始まったゲーム事業

現在の事業についてお聞かせください。

弊社は大きくインターネット広告事業、ゲーム事業、ビジネスインキュベーションの3本柱で事業を展開しています。まずインターネット広告事業ですが、よくある「HP制作」ではなく、キャンペーンの全体設計や、企業の経営に関わるプランニングを行います。次のゲーム事業はゲーム全体の設計から制作までを行います。弊社はシステムよりもクリエイティブに強いので、社員の7~8割はクリエイターで、残りがプログラマーになります。最後のビジネスインキュベーションは「その他事業」ということで人材派遣やインテリアデザインなどさまざまな事業を行っています。

ゲーム業界に参入したきっかけはなんだったのでしょうか?

とあるベンチャーキャピタルの代表と仲が良く、その方が携帯電話のソーシャルゲーム会社に出資をすることになった際、弊社がキャラクターデザインとUI設計のお手伝いをしたのがきっかけです。

ゲーム事業をはじめるにあたり、参考にされたものなどはあるのでしょうか?

UI設計は広告のノウハウを転用できましたが、キャラクターデザインに関してはまったくの別物で、イラスト投稿サイト『Pixiv』からイラストレーターを探すところから始めました。また、地元のクリエイティブ系専門学校に赴き、卒業者リストをいただき電話で口説いてまわりました。今だったら個人情報の関係でNGですが(苦笑)。このような経緯から、地元、松山にゲーム事業を主としたオフィスを置くことになりました。

どのハードのゲーム開発が多いのでしょうか?

スマートフォンのゲームが多いですね。多くは受託なのですが、今年はこれまでのノウハウを活かし完全自社制作のスマホ向けゲーム『Rave Street(http://rave.st/)』をリリースしました。また、ニンテンドースイッチが出てからはUnreal Engine 4による開発が増えました。大型のコンシューマーゲームの開発はまだ難しいですが、コンシューマー向けにイラストの提供は行っています。『RaveStreet』の初期開発が落ち着き開発リソースが余るので、今後はコンシューマーの開発にも力を入れていきたいと思っています。

オートクチュールのHPのゲーム開発の項目にカジュアルゲームとありますが、これはどのようなゲームなのでしょうか。

カジュアルゲームは、スマートフォン向けのミニゲームです。新人がいきなり大型ゲームの開発をするのは難しいので、松山オフィスの研修課題として月に1本程度作っています。ただ簡単なゲームを作るのではなく、どのような技術向上をしたのかゲーム内のシステムでわかるようにと伝えています。一方の大型ゲームはいろいろな会社から受託して開発しています。受託開発のメリットはいろいろなゲームの仕様が見られることです。今作っているものは半年後にリリースされますので、我々は半年後のゲームのブームを知ることができます。そういった間接的ノウハウを次のゲーム作りに活かしています。

ルイ・ヴィトンの成功から地域活性化に繋がる提案を

広告事業の方はいかがでしょうか。

広告事業は立ち上げ当時から継続的に行っています。2014年から請け負っているルフトハンザ航空の全世界キャンペーンはシンガポールオフィスを設立するきっかけにもなりました。

2016年以降は直接契約が多いです。その中で特に大きかったのがルイ・ヴィトンとの直接契約ですね。京都の祇園・新橋通の150メートルを1時間だけ貸し切ったイベントは前代未聞のことでした。これらの事業は地域貢献にも繋がっています。昨今、神社仏閣は修繕管理費用に頭を悩ませており、このような企画が実現しました。

企業のブランディングから携わっているとのことですが、どのような瞬間に達成感を得たりモチベーションを維持したりしているのでしょうか。

短期的に売り上げをあげて数字を出すだけならお金をかけてテレビCMを打てば効果があります。しかし私たちがやっているブランディングは魅力的な企業として見せる部分にあります。そのため、長期的な取引になり、クライアントとの関係性が重要になってきます。数字にはあまりでてこない部分なのでガッツポーズをするような達成感はありません。でも手がけた企業が「就職したい企業ランキング」の上位になるのを見るとやっていてよかったなと思います。

長期的な付き合いの中で自分たちの方向性や提案することに対してぶれていないか、不安になることもあるのではないでしょうか?

もちろんあります。1年や2年やってきたらぶれるのは当たり前だと思いますので、そのつど修正をかけていきます。弊社では松山オフィスと東京のメンバーは、Skypeでやりとりしていますが、広告のクライアントに対しては週に1~2回顔を合わせてミーティングを行っています。この時代、遠隔でできる仕事も増えてはいますが、遠隔ではできない仕事もまだまだあるなと実感しています。

クリエイターもディレクションに関わる

その他事業であるビジネスインキュベーションについても教えてください。

2014年から一般派遣有料職業紹介事業を開始し、一方で進研ゼミのデジタル版・チャレンジタッチの開発を機に教育コンテンツ制作にも力を入れるようになりました。2015年から大陸にも進出し、台湾の樹徳大学と技術提携も行っています。弊社からは講師としてスタッフが大学に赴き、大学からは毎年合計15人の生徒が松山オフィスに来て2か月間の研修を行っています。
また、松山オフィスを中心にクリエイティブ人材の育成にも力を注いでおり、その一環として2018年5月にはデジタルハリウッドと提携し、オートクチュールデジタルハリウッド松山を開校する予定です。

さまざまな分野でお仕事をされていますが、御社の強みはどこにあるのでしょうか。

ディレクターもプロデューサーも元々は、何かを作っていた者が多いというところではないでしょうか。営業出身の人は少ない会社です。個性的な人間が多いですが、その分クリエイティブになったら早いですよ。打ち合わせ中にその場で案を出して決めていけるのですから。

クリエイターの適正や、こういう人がふさわしいというのはありますか?

クリエイトすることに苦を感じない方ですね。100%自分の好きなものだけを作っていられるわけではありませんから、苦を感じないことが大切かなと思います。あとはディレクション能力が1割でもあればいいかなと思っています。

コミュニケーションをデザインするクリエイター集団を目指して

御社の今後についてお聞かせください。

コミュニケーションもデザインできるようなクリエイター集団を目指しています。その中で、会社としては各部署がホールディングス化していければいいと思っています。デザイナーに1割のディレクション能力を求めるのはその思想があるからで、プロデューサーもゆくゆくは経営者になってほしいと思うのです。オートクチュールデジタルハリウッド松山はひとつのスタートだと思っています。

最後に、クリエイティブ業界を目指す方に一言お願いします。

弊社では独立に関する出資も行っています。イラストレーターで十分に食べていける人には独立後2~3ヵ月はオフィスを貸したり仕事を斡旋したりもしています。また、オートクチュールデジタルハリウッド松山を機に、クリエイター教育という面にも力を入れていく予定です。
これからクリエイティブ業界を目指す方へ。ビジネスに強いデザイナーになりたいと思っているなら、ぜひ弊社にお越しください。

取材日:2017年12月13日 ライター:みかめゆきよみ

株式会社オートクチュール (英文社名:Hautecouture Inc.)

  • 代表者名:代表取締役 中村晋矢
  • 設立年月日:2011年2月
  • 資本金:5,000万円
  • 事業内容:ゲーム事業、広告プランニング事業、クリエイティブ事業、ヒューマンソリューション事業
  • 所在地:
    ・オートクチュール 東京品川バックオフィス
     東京都港区港南4-1-10リバージュ品川 804号
    ・オートクチュール東京北参道
     東京都渋谷区千駄ヶ谷3-30-9 Modelia Brut 北参道 #001
    ・オートクチュール 松山オフィス
     愛媛県松山市三番町7丁目11番地9 第2竹田ビル3F
    ・オートクチュール 京都オフィス
     京都市下京区須浜町670-1
    ・オートクチュール 仙台オフィス
     宮城県仙台市若林区連坊2丁目12−20
    ・海外支社 Hautecouture GAMES Pte. Ltd. シンガポールオフィス
     10 ANSON ROAD #18-03 INTERNATIONAL PLAZA SINGAPORE (079903)
  • URL:http://hautecouture.jp/
  • 問い合わせ先:上記ホームページのCONTACTよりお問い合わせください。
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