職種その他2019.04.28

モダンアートの寵児、森村泰昌の作品がいつでも観られる美術館!

大阪
コピーライター、セミナー講師
くすぐる大人の好奇心❤
松井 貴代

私が森村泰昌の作品を初めて見たのは、約20年前、1998年の京都国立近代美術館での『森村泰昌・空想美術館〜絵画になった私』。ゴッホや彼の作品に自らが変容し、さらに同化しているかのような表現に驚きました。その際、来館者もゴッホの「ひまわり」と自分がコラボできるプリクラなども設置され、とっても画期的だったのを思い出します。斬新な森村アートに惹かれて調べるうちに、マリリン・モンローなどに「なりきる」初期の「女優シリーズ」も観られるチャンスに恵まれ、ずっと彼の作品を追い求めています。2016年の大阪国立国際美術館での『自画像の美術史〜「私」と「わたし」が出会う時』では、レンブラントや華やかなフリーダ・カーロの世界観を独創的に表現。作品を来館者が写真に撮っていいという自由な空気感も漂い、時空を超えたユニークな異国に居るような感じでした。

 「なりきる」という表現手法は一貫しているのに、その精度はどんどん磨かれ、観る度にますます刺激的な森村アートの進化は止まりません。そんな彼の作品がいつでも見られるのが「モリムラ@ミュージアム」。何て贅沢なこと! 森村ファンにとっては、たまらないですが、まだ彼の世界を知らない方にもぜひ、訪れていただきたい所です。

 現在「モリムラ@ミュージアム」では、第二回特別展「モリメール」を開催中(6/30(日)まで)。世界初、誰もが「フェルメールの絵になれる」展覧会。残念ながら体験できる「モリメール写真館」のチケットは完売してしまったようです。ただし、お楽しみはいっぱいあります。今回の展覧会は、フェルメールの《絵画芸術》、 《真珠の耳飾りの少女》に、加え《牛乳を注ぐ女》の3点をテーマにした森村作品がお目見え。フェルメール三部作が揃い、各作品の関連資料や映像、撮影に用いられたフェルメールの部屋のセットなどの展示もあります。ミニシアターやライブラリーなど見どころ満載。詳しくはHPをご覧くださいね。遊び心をくすぐられ、固定観念を打ち破ってくれる新たな思考と出会えます。ぜひ足を運んで。

森村泰昌『フェルメール研究<わが町に何を注ぐか>』2019年

プロフィール
コピーライター、セミナー講師
松井 貴代
京都精華大学大学院人文学研究科修士課程修了。雑誌広告、情報誌、カタログ、Webサィトなど多数の仕事に携わり、ファッション、美容を中心に、女性のライフスタイルや多様性を提案する広告制作を行っています。フリーランスのコピーライター、またコピーライティングをレクチャーするセミナー講師として活動中。

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