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COLUMNコラム・ザ・ちゃんこ

AppleのスマートスピーカーHomePodは売り上げ不振…しかし、コマーシャルは素晴らしい!

Vol.113
Dig it! NYC 藤井さゆり

2018年2月9日に米国で発売されたAppleのスマートスピーカー「HomePod」(ホームポッド)が、売り上げ不振とのこと。先発のAmazon EchoやGoogle Homeに比べ値段が約200ドル高いことがネックで、その分音質にこだわったHomePodでしたが、消費者としてはそこまで求めてなかった、ということでしょうか。

 

「人気商品となるだろう」と予想していたAppleにとっては残念なニュースですが、発売の翌月に公開され、SNS上でも話題になった映画監督のスパイク・ジョーンズによるHomePodのコマーシャルは素晴らしかったです。売り上げにはそんなに貢献しなかったかもしれませんが、音楽と合致した演出が秀逸で、クリエイティブかつ美しいコマーシャル。

 


HomePod — Welcome Home by Spike Jonze — Apple
Apple - Youtube

 

映像の中で壁が動いたりするシーンは、CGではなく人力でやっています。Adweekで撮影シーンの裏側が描かれた模様が見られるのですが、このコマーシャルを作るために、クリエイティブディレクター、プロダクトデザイナー、ミュージックコンポーザー、ライティングデザイナーなど数多くのクリエイターが関わっていて、映像関係のクリエイターさんにとってはかなり興味深いものだと思います。↓下記リンクを参照

 

Adweek : This Look Inside Spike Jonze’s Apple Ad Is as Fascinating as the Film Itself

 

考えてみれば、歴代のApple製品を振り返っても、古くは以前のコラムでも取り上げた1984年のMacintoshや、iMacやiPodなどのコマーシャルもクリエイティブでしたし、BGMもカッコイイものが多いんですよね。

 

昨年発売されたiPhoneXのコマーシャルも、Face ID(顔認証)、強化ガラス、Animoji、ポートレートライティング、AR(拡張現実)といったたくさんの新機能がBGMに合わせてうまく盛り込まれて紹介されていて、見ていてワクワクさせられました。BGMはソフィー・タッカー(Soffi Tukker)の「Best Friend」。

 


Meet iPhone X — Apple
Apple - Youtube

 

 

先日発売されたiPhone8と8Plusのスペシャルエディション(RED)のコマーシャルはiPhoneではなく車の宣伝?と思えるような雰囲気。こちらもBGMはソフィー・タッカーが起用されています。

 


iPhone 8 (PRODUCT)RED™ Special Edition — Apple
Apple - Youtube

 

こちらはiPhoneXの新機能、Face IDのコマーシャル。Face IDでiPhoneだけでなく、学校のロッカールームや倉庫など、現実世界でも見るだけであらゆるロックが解除されてしまう、というもの。ナイスアイディア&面白い!

 


iPhone X — Unlock — Apple
Apple - Youtube

 

次は、Face IDによるApple PayとApple Payを使った個人間送金(Apple Pay with a messgae)についてのコマーシャル。とにかくオシャレ!

 


iPhone X — Fly Market — Apple
Apple - Youtube

 


iPhone X — Pay with a message — Apple
Apple - Youtube

 

これもiPhoneXの新機能になりますが、カメラに付いているポートレートモードのライティングについてのコマーシャル。プロのチームによる撮影シーンとiPhoneXのポートレートライティングによるものとの比較に思わずうなってしまいます。

 


iPhone X — Portrait Lighting — Apple
Apple - Youtube

 

Apple Watch Series 3のコマーシャルではスペイン人のフリースタイルプロスケートボーダー、キリアン・マーティンが出演。ワイヤレスイヤホンとApple Watch3を着けて、駅の構内を縦横無尽に滑っていくシーンが芸術的です。

 


Apple Watch Series 3 + Apple Music — Roll — Apple
Apple - Youtube

 

続いてもApple Watch Series 3。「Apple Watchを水の中に入れても通話できます」ということをサーフィンと海を使って最大限にカッコよく表現したコマーシャル。Yumi Araiさんという日本人(アートディレクターとしてAppleと仕事をしている方?)と思われる女性から電話がかかってきているので、この女性サーファーも日本人だと推測。

 


Apple Watch Series 3 — Surf — Apple
Apple - Youtube

 

続いてiPadのコマーシャル。一つ目は、仕事で使う人向けのiPad Pro。iPad Proを使って仕事をする人たちが描かれており、起床から出勤、メールやストックマーケットのチェック、決済、クリエイティブ系ワークなどで使われている様子を見せることで「プロフェッショナルのためのiPad」であることが存分にアピールされています。

 


The New iPad Pro — On Any Given Wednesday — Apple
Apple - Youtube

 

二つ目はApple Pencilが付いている新しいiPadのコマーシャル。こちらは生徒、学生にターゲットを絞っていることがわかります。コマーシャルでは、重力について調べるという宿題が出されて、子供達が楽しそうな雰囲気で実験をしています。子供の時iPadがあったらすごく欲しかっただろうなぁ…!

 


iPad — Homework — Apple
Apple - Youtube

 

最後はApple Musicのコマーシャル。それぞれお互いの曲をかけてエクササイズをするテイラー・スイフトと、カナダ人ラッパー、ドレイクのコマーシャルには、「えっ、そうなる?!」と思わず声をあげてしまいます…テイラー・スイフトバージョンはちょっと衝撃です。

 


Apple Music — Apple Music Anthem — Apple
Apple - Youtube

 

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Apple Music – Taylor vs. Treadmill
Apple - Youtube

 


Apple Music – Drake vs. Bench Press
Apple - Youtube

 

ということで今回は、Apple製品関連のコマーシャルをご紹介してみましたが、いかがでしたかでしょうか。

 

Appleの最高経営責任者であった、故スティーブ・ジョブズは、1997年に放映された有名なAppleのコマーシャル“Think Diffrent”の広告キャンペーンについて、社内ミーティングで次のように語っています。

 

Fastcompany.com:Timeless Branding Lessons From A Young Steve Jobsより引用

 

Our customers want to know, “Who is Apple and what is it that we stand for? Where do we fit in this world?” What we’re about isn’t making boxes for people to get their jobs done, though we do that well. We do that better than almost anybody in some cases. But Apple’s about something more than that: Apple, at the core, its core value, is we believe that people with passion can change the world for the better. That’s what we believe.

 

私たちの顧客が知りたいこととは「Appleとは誰なのか、そして何を表しているのか?Appleがこの世界のどこにフィットするのか?」ということ。私たちがしようとしていることは、仕事を終わらせるだけの人々のために箱を作っているのではない。たとえ私たちが(そういった人々のために箱を作るのが)得意だったとしても。箱を作るだけだったら私たちは他よりも良い仕事をすることができる。しかし、Appleはそれ以上のことができる。Appleの核の部分とその価値は、情熱を持った人々が世界をより良い方向へと変えることができると信じていること。それが私たちの信念だ。

 

この時のスティーブ・ジョブズの言葉は、現在のコマーシャルからもDNAとして受け継がれている、と感じられます。Appleがコンピューターを作るだけの会社だと考えていたら、iPhoneやApple Watchなどの製品ができることはなかったでしょう。こういったことを考えていたから、世界を変えるほどの数々の素晴らしい製品が生み出されたのだと思います。

 

また、スティーブ・ジョブズは、製品やデザインの他、パッケージに至るまで、ユーザーエクスペリエンスについても考えていました。パッケージは無駄を排除した美しいデザインですし、そして箱を開けると製品とすぐに対面できるというワクワク感もあります。Appleのコマーシャルにも同様のワクワクを感じますよね。

 

ちなみにHomePodは日本未発売ですが、今年中は間に合わず、来年と言われているようです。日本での反響はどうなるのか楽しみですね。

 

参考、引用元

fastcompany.com:Why Apple’s HomePod May Be Flopping

Apple公式ウェブサイト

YouTube

Profile of 藤井さゆり

藤井さゆり

東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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