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クリエイティブの力によって葬儀をより価値あるものにしたい

福岡
株式会社デジポート 取締役会長 渡部進氏
人口の高齢化が進む日本で、必然的に需要が高まりつつあるのが葬儀ビジネス。 静かな盛り上がりを見せている葬儀ビジネス業界に、クリエイティブという新風を吹き込んでいるのが、福岡に拠点を置く株式会社デジポートです。 現在の事業内容や今後の取り組みなどについて、取締役会長の渡部進氏にお話を伺いました。

葬儀ビジネスにクリエイティブを 遺影のデジタル加工からスタート

このビジネスで起業されたきっかけは?

私はもともと、国内PCメーカーの修理部門で働いていました。いろんな場所へ出向き、お客様先でパソコンを修理したりしていましたよ。 これからはPCを使う時代、デジタルの時代がやってくると肌で感じる中で、自分の経験やスキルを活かしてビジネスを始められるのではないか?と考えるようになったのです。 そして始めたのが、遺影写真の制作でした。最初は法人化せずに事業をスタートしました。

もともと、葬儀ビジネスにご興味があったのでしょうか?

そのころは意識していませんでしたが、遺影写真の加工からスタートして、ネット弔電受付、礼状作成と葬儀に関するビジネスを拡大しているので、当時から興味があったということでしょうね。

事業を始められた頃は、デジタルとアナログの境目という時代ですね?

そうです。平成8年くらいでしょうか。遺影写真はアナログ加工が主流でしたが、Photoshopなどのグラフィック系ソフトが急激に普及し始めた時期だったので、今のうちにデジタル加工を習得しておこう、という気持ちもありました。 もともとPCに関わっていましたから、新しいソフトに抵抗はなかったですし、むしろ得意とする事だったので。

事業はすぐに軌道に乗りましたか?

最初は苦戦しましたね。地元の葬儀屋さんに営業にいくと、既に作るところは決まっていたりするんですよね。とにかく地道に営業を続け、平成11年に正式に法人化しました。

弔電のネット受付も早くから始められていたとか?

インターネットでの電報即日配達サービス「Web電」は平成16年ごろからスタートしました。 こちらは口コミで広がっていきましたね。今でこそNTTさんもネット受付を行っていますが、私たちはその前から、郵便局が扱うレタックスを利用して、オーダーを受けたら即日配達されるシステムをほぼ自動化してやっていました。

今春にはオフィスも拡大されたとか。

新たに葬儀で参列者にお返しする礼状の作成サービスをスタートさせたことによって、人員も増え、おかげさまで手狭になってきたんです。場所も以前は甘木というちょっと引っ込んだエリアでしたので、小郡にちょうどいい場所を見つけて、移転を決めました。それがここです。 最近、とある商社に業務委託の話をいただいていて、西日本でもこのビジネスを展開していこうとしている所です。ずっと九州をメインに行ってきた業務でしたので、今後はもっと忙しくなるでしょうね。

インターネットでも 人の心をつなぐ事ができると実感

礼状の作成サービスとはどのようなものなのですか?

葬儀に参列された方に返す香典返しがありますよね。それについてくる礼状の文章をオリジナルで作成するサービスです。一般的には葬儀社から提示される定型文(テンプレート)から選んで作成する事が多いのですが、せっかくお渡しするのに、それでは誰も読まないし、気持ちも伝わりにくいのでは?と思ってスタートしたんです。 生前の故人様の人となりや思い出を、礼状という限られたスペースに表現してお渡しするわけですが、利用者の方からも葬儀社からも大きな反響をいただきました。

その礼状はどのように制作するのですか?

葬儀屋さんが提案しご親族の方が希望されたら、すぐ対応します。 ライターによる聴き取りインタビュー、原稿納品、印刷という段取りですね。葬儀に参列している方にお渡しする印刷物ですので、スピードも求められます。

身内を亡くされたばかりのご遺族へのインタビューはご苦労も多いのでは?

そうですね。インタビューの了承を得ているとはいえ、ご親族も悲しみの中にいらっしゃるわけですから、非常にデリケートなインタビューとなります。また、礼状は小さい紙ですので、文章に出来るのは10~13行くらい。お話を聞ける時間も限られていますから、良い部分を引き出して短くまとめるセンスが必要だと思います。「光る一行」で勝負、という感じですかね。

ライターの腕が問われますね。

もちろん、コミュニケーション力やセンスもさることながら、「人の気持ちに寄り添えるか?」「この仕事の意義を理解して取り組んでもらえるか?」が大切だと考えています。 故人様の生前の人となりや、アイデンティティがそこに残せるとあって、葬儀後にご遺族から感謝の言葉をいただくことも多いのです。「人の生死」を扱う仕事ですが、だからこそ価値がある。やりがいのある仕事だと思って取り組んでもらいたいですね。

最期のお別れを価値あるものにするために クリエイティブにできることを考えたい

今後新しいサービスを展開されるご予定は?

今、新たなプロジェクトが進んでいるんですが、葬儀関連のサービスです。具体的には言えませんが、それもご遺族の方の気持ちを汲み取ることのできる、価値のあるサービスになると確信しています。

それは楽しみですね。 葬儀関連業界としては今後、どのように変化していくと思われますか?

葬儀のスタイルは日本各地で、様式が様々なのですが、昨今の不景気や故人の生前からの希望で、家族葬といったシンプルな方へ進んでいっている印象があります。 それを否定するわけではありませんが、最後のお別れを最大限に価値のあるものにするために、クリエイティビティを発揮したいと考えています。やはり、先ほどの礼状作成にしても、テンプレートの文章ではなく、故人を感じられる文章であれば「あの人はこういう人だったな」と、深くて良いお別れができると思うんです。遺影作成にしても、デジタルで作業することによって完成度の高いものが適正な価格でできますから、このパッケージ化が進むといいですね。もちろん、私達の業務を認知していただく事が先決ですが。

とても、やりがいのある業務ですね。そこが会社としての強みでしょうか。

そうですね。「人の生死」に関わる業者は他にも沢山いらっしゃるのですが、葬儀社とのBtoBスタイルのビジネスで完結しているところが多いと感じます。ご遺族の方との直接のやりとりが少ない。 私たちも葬儀社とのやり取りが中心ではありますが、遺影のデジタル制作・礼状作成・弔電といった業務を一貫して請け負う事ができますし、遺族の方とのやり取りというデリケートな部分も受け持つ事ができます。それが葬儀社の方から見て一番の強みでしょうか。 さらに、「クリエイティブ」を活かして「葬儀」という人生の大切な行事の価値を高めるお手伝いができる、その点が私達の仕事の最大の価値ですので、ご遺族の方にも、関わっている葬儀関連企業にも、それ感じ取っていただけると信じてやっていきたいですね。

最後に、一緒に働きたいと思うクリエイター像を教えてください。

そうですね、まず大事なことは「人間が好きな人」ですね。クリエイターにも色々な方がいらっしゃいますが、他人に興味を持てないと、故人の大事なところを引き出せないと思いますし、どうしても業務的になってしまうと思います。遺影作成の際にも、社員には「自分の親の写真をつくるつもりでやりなさい」と言っているんですよ。 それぐらいの気持ちで業務にあたるから価値が生まれると思います。 せっかく価値のあることをやろうとしているので、それを汲み取る意欲がある人がいいですね。細かい指導はこちらでサポートしますので、その中で自分なりの感性を存分に発揮していただければ、と思います。

取材日:2014年7月15日

株式会社デジポート

  • 取締役会長:渡部 進(わたべ すすむ)
  • 設立年月:平成11年7月1日
  • 資本金:450万円
  • インターネットを利用した慶弔をはじめとする情報配信サービス及び通信販売業 デジタル画像処理(遺影写真作成) 会葬礼状制作サービス OA機器販売
  • 所在地:〒810-0022 福岡県小郡市小郡689番地
  • TEL:0942-27-6500
  • FAX:0942-27-6501
  • URL:http://www.digiport.jp/
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