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「アクションゲーム」を軸に、世界で勝負し冒険するゲーム開発会社

東京
ソレイユ株式会社 代表取締役社長 岡本 好古氏
移り変わりの激しいゲーム業界において、常に最新のゲーム機に追随し、高品質のゲームを開発し続けるソレイユ株式会社。「アクションゲームを作る」というブレない信念を貫く姿勢は、職人気質ともいえます。代表取締役の岡本 好古(おかもと よしふる)氏に、会社設立のきっかけや、ゲームのデベロッパーとしてのお仕事、そしてゲーム業界に適した人材についてうかがいました。

考古学からゲームへ。世界を舞台に冒険したい。

岡本さんご自身の経歴を教えてください。

私はゲームプランナーとして当時のテクモ株式会社に入りました。当初は『モンスターファーム』等を手がけた部署にいたのですが、社内で一番厳しいと言われていたTeam NINJA(『デッド オア アライブ』や『NINJA GAIDEN』の制作チーム)送りになりました。

「送り」という言葉が物々しいですが、それだけ大変な部署だったのでしょうか。

プロ意識の非常に高い集団でしたので、まさにデッド オア アライブ状態でした(笑)。当時のTeam NINJAのボスの板垣伴信氏が私を気に入ってくれまして、『NINJA GAIDEN』を一緒に仕上げるため1年ほどプレイルームに籠って調整しました。そのあとの『デッドオアアライブ4』ではオンラインのビジュアルロビーを担当し、『NINJA GAIDEN 2』でプロデューサーという立場になりました。その後会社を辞めて、ソレイユ株式会社を立ち上げ、今年で10年になります。

ゲーム業界を志した理由をお聞かせください。

父が日本の考古学者だったので、元々は考古学者を目指していました。映画の『インディ・ジョーンズ』に憧れましたね。その流れで大学に入ってイタリアの考古学を勉強していたのですが、ある日、父親と同じ仕事でいいのかと疑問を覚えてしまって。それで父と話し、違うことをやろうという話になりました。
世界を舞台に冒険したいという気持ちはありましたが、冒険家を職業にするのはつらいですし、それなら遊びを作る仕事をすれば楽しいのではないかと思いました。私の家はゲームをたくさん買ってもらえる環境ではありませんでしたが、子供の頃は鉛筆と消しゴムを使って野球盤やゴルフゲームを作って遊んでいたんです。

それこそプランナー的なことをやっていたのですね。

はい。それで考古学時代に培った絵の技術などを用いてアナログな企画書を5~6案出しました。テクモ株式会社と株式会社カプコンに受かり、どちらにするか悩んだのですが、当時の彼女と相談して東京にあるテクモ株式会社を選んだのです。そう考えると自分の生き方を自分で決めていないかもしれないですね。相対的に生きてきたのかなと思います。

アクションを軸に、お客さんを喜ばせるゲームを作る

では改めて、ソレイユ株式会社を設立された経緯をお願いします。

当時所属していたテクモ株式会社は一部上場企業だったので、経営を安定させることが第一になりシリーズものの制作が増えてしまいました。これは制作者からするとワクワクする感覚が少ないのです。自分が面白いと思うゲームが作れる、そんなピュアな現場に戻したいと思い、新会社を設立するに至りました。

ソレイユ株式会社の業務内容についてお聞かせください。

私たちはゲームデベロッパーとして活動しています。主な事業内容は8割が家庭⽤ゲーム機(コンシューマー向けゲーム)の開発です。次世代機と呼ばれるプラットフォームが出るたびにそこで勝負しています。それ以外にFree2 Play(基本プレイ無料、アイテム課⾦制)のPCゲームとスマホゲームにもチャレンジしています。我々はゲームセンター向けの格闘ゲームからずっとアクションを作ってきたので、得意とするジャンルはもちろんアクションゲームです。アクションの軸足は動かさず、片足はどのゲームジャンルにもいけるようにしてます。

そこがソレイユの強みになっているのですね。

強みがないと生き残っていけません。「アクションゲーム」で「ハイエンドゲーム機」というワードが出た時にはお声がけいただけるような会社にすることが第一ですね。それにアクションゲームは言語の垣根がないから世界で勝負ができる。実際、私たちが作ってたゲームもお客さんは95%が海外です。

それは意識をされて作った結果なのでしょうか。

意識してゲームを作ってはいません。世の中のエンターテインメントは愛や裏切りや友情、喜怒哀楽など、テーマが限られています。そこに根差すものを作れば、流行や地域性に左右されない、普遍的なものが作れるはず。そういうものづくりをしているから世界に響いているのではないかと思います。理屈っぽいゲームではお客さんに飽きられてしまいますから、誰でも楽しめて、こちらが意図するアクションに気づいてもらえるように意識して作り込んでいます。

ゲームをプレイする側に負荷をかけない配慮をしてきたのですね。

違和感をどれだけなくすかがゲーム作りです。今はゲームを始めるには更新データをダウンロードさせて数十分待たせたり、お客さんに負荷をかけています。それに、娯楽が細分化されて、お祭りを楽しいと思わなくなってきているんですね。昔ならドラクエ3発売日の行列もお祭りみたいなもので、それを含めてゲーム体験だったのですが……。私たちは、ゲームをプレイしているときも、そうでないときも、そのゲームについて考えて友達と盛り上がる、そんなお祭りをもう一度作りたいなと思っています。

ゲームを開発して達成感を得るのはどんな瞬間なのでしょうか。

お客さんがプレイしている姿を見た時ですね。楽しかったというネットの書き込みを見るのも嬉しいです。アーティストやクリエイターを自称する人もいますが、結局我々はサービス業なんです。先ほどゲームセンター向けのゲームを開発してきたと言いましたが、現場でお客さんを観察してきた経験から我々はお客さんの怖さを知っています。飽きられないためにどれだけ失点を防ぐか、興味を持っていただくためのフックをどれだけ持つか、常に考えています。お客さんが喜んでいる姿を直に見ることができた我々は幸せな世代だと思いますね。今はゲームプレイ動画を配信できますが、ちょっと前までお客さん不在の時代が続いたのです。それはかなり不幸な時代でした。

現在はデベロッパーとして活動されていますが、今後、自社コンテンツを開発することは考えていますか。

いくつか自社コンテンツでチャレンジしようと考えています。機会をうかがいながら投資して、自社資金で、自社IPでパブリッシングをしていく準備を進めています。

ゲーム開発者は自己表現タイプか顧客優先タイプになるべき

ゲーム開発に求められる人材についてどうお考えでしょうか。

2タイプが必要だと思っています。1つは自分の才能を信じて表現したいと思っている人。もう1つはお客さんを楽しませたいと思っている人です。前者は自己表現、後者は顧客優先ですね。その間にいる人たちはどちらかを選択したほうがいいです。それから、人間に興味ある人。これは後者にあてはまる条件で、人間に興味がない人はゲームが作れません。また、世界に興味を持つことも大切ですね。

前述の通り、私たちの仕事はサービス業なので、お客さんをちゃんと楽しませることが第一です。優秀でなくてもサービス精神があって、情熱的に取り組む人がいたらそれは評価します。私たちはアーティストではないですし、役割分担をしながら集団で仕事をしているわけですから、組織の中で他人のことを思いながら働けない人はお客さんのことを考えることができないと思います。

ちなみに、弊社は今60名ほど社員がいるのですが、15~16人は外国人です。外国人には働きやすい環境ですし、世界で勝負したい、人間に興味がある人には面白い環境だと思います。

今後、ゲーム業界はどうなっていくか、その中でソレイユではどのようなゲームを作っていこうとお考えでしょうか。

コンソールとPCの垣根はなくなるでしょうね。スマホとPCが生活の基盤になってしまっている以上、エンタメもそこに寄りそうしかないと思うのです。そして1つのコンテンツの中にPCで遊ぶパートとスマホで遊ぶパート、両方で遊ぶパートがあり、コンテンツを生活に帯同させながら長く遊ぶ感じになるのではないでしょうか。それと、ゲーミフィケーション(日常のあらゆる場にゲームの技術を取り入れるという試み)が一時期流行りましたけど、今後、教育の現場にもゲームが取り入れられていくと思います。

Team NINJA時代に培った職人的なものづくりに加えて、娯楽が細分化された今はより柔軟に丁寧にお客さんの動向を観察し、寄り添って、一緒にゲームを作っていく姿勢が必要かと思います。今のトレンドを模索しながら、自分たちの強みを最大限に活かし、最終的にはオリジナルIPのアクションゲームを綺麗なグラフィックで作りたいですね。

また、これは個人的な意見なのですが、老人ホームとかで役立つようなコンテンツ作りができたらと思っています。今は流行りの「eスポーツ」をもじって「gスポーツ」、ですね(笑) 。

最後に、今後の会社の目標や展望をお聞かせください。

今は海外出張が多いので、「世界を舞台に遊びたい」という夢は実現できているのかなと思います。
海外に販社を作って、世界をグルグルと回遊する開発者集団になりたいと思っています。
それと、ひとりひとりがこの仕事に誇りを持っている、そういう会社にしたいです。誇りを持つためには実績が必要で、実績を生むためには世界中にいるお客さんに喜んでいただくことが大事です。今、日本は元気がないと感じています。誇りや自信がなくなっていると思うのです。でもゲームの仕事はまだ世界で戦えるチャンスがあります。だからもう一度日本企業が強かった時代を体現したいですね。自分たちの仕事に普通に誇りを持ち、普通に世界で戦っていく、それだけです。

取材日:2018年7月25日 ライター:みかめ ゆきよみ

ソレイユ株式会社

  • 代表者名:代表取締役社長 岡本 好古
  • 設立年月:2008年8月
  • 資本金:500万円
  • 事業内容:ゲームソフトの企画、開発
  • 所在地:〒105-0014 東京都港区芝2-29-14 一星芝公園ビル7F
  • Tel:+81-3-5427-3741
  • Mail:info@soleilgamestudios.com
  • URL:http://soleilgamestudios.com/
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