MENU

変わりゆく時代に合わせたビジュアルイメージサービスでクリエイターの作品づくりを支え続ける

札幌
イメージナビ株式会社 執行役員 山屋 恵嗣 氏
1991年に創業し、写真素材を集めた『素材事典』をはじめ、音やフォントなど、クリエイター向けの製品やサービスを提供してきたイメージナビ株式会社。変わりゆく時代の中、ビジュアルイメージサービスでクリエイターの作品づくりを支える会社のこれまでとこれからについて、執行役員の山屋恵嗣(やまや けいじ)氏にお話を伺いました。

当時、画期的だった『素材事典』でクリエイターを支える

1605_imgnv_01

入社以前はどういったお仕事をされていたのですか?

元々は、土木関係の仕事に就いており、測量設計をしていました。その後、札幌市の国際プラザという外郭団体で、外国のお客様を誘致する仕事を経て、アメリカの大学に2年間留学しました。帰国後、札幌に戻り、コンテンツ系クリエイターのインキュベーション施設であるICCで、ロンドンのクリエイティブと札幌のクリエイティブをつなぐ「sapporo ideas city」プロジェクトの運営マネージャーを務め、2005年に当時の株式会社データクラフト(現イメージナビ株式会社)へ入社しました。

(当時の)データクラフトは、どのような会社ですか?

1991年に創業し、写真素材を集めた『素材事典』をはじめ、音やフォントなど、クリエイター向けの製品やサービスを提供していました。当時はちょうど、インターネットやパソコンが出始めた頃で、それらが普及することによって、デザイン業界も新しい時代に突入しようとしていた時期だったのです。そういった状況に対応するものとして、高品質な写真素材200枚を1枚のCD-ROMに収めて、家電量販店で販売をしたのが、『素材事典』です。その頃はとてもエポックメイキングな商品であったため、大きく注目を集め、大きな反響がありました。企業をはじめ一般家庭にもパソコンが広まっていく過程で、ニーズが増し、長い間、素材集の中で国内トップシェアを誇っています。

現在では、オンラインでのダウンロード販売が主になっているようですが。

そうですね。2000年に入ってインターネットの時代が来ると、メディアがCD-ROMからネットに変わり始めました。そこで、2005年に始めたのが、『イメージナビ』というインターネットで写真やフォントなどの素材をダウンロードできるサービスです。CD-ROMとは異なり、素材のボリュームやそれらを管理・検索するためのシステムが必要となってきますが、いずれも自社で開発してパテント(特許)を持っていますので、スムーズに構築できたと思います。お陰さまでユーザーからは「探しやすい」「欲しいものがすぐに見つかる」といった声をいただいております。また、パソコンを使ったデザインワークに便利な素材集・フォントを中心に、関連書籍やデザイングッズまで幅広い商品を購入できるショッピングサイト『design pocket』を自社で運営しており、フォントのダウンロード販売では、国内シェアは最大だと自負しております。

元々コンテンツだったイメージナビが、そのまま社名になったんですか?

2005年のデータクラフト時代に、ストックフォトサイト「イメージナビ」がスタートしました。その際は、自社でつくったものだけでなく、国内外の写真、制作会社のコンテンツを幅広く集めました。そして、そのサイト名を会社名にして、イメージナビ株式会社を2015年にスタートしました。

トップクラスの写真家の作品を世界から集める

1605_imgnv_02

『イメージナビ』で公開している写真素材は、どのように集めているのですか?

写真家の展示会、フォトコン、Web、SNS、そして、海外の写真関連のコンベンションにでて写真家、コンテンツを集めます。サイト内には一般の方が投稿されるページもあるため、写真素材は日々入荷していますので、それらの中からセレクトして、月に約20万点を公開しています。

写真を仕入れる際は、何を重視しますか?

いい写真、表現力の高い写真はもちろんですが、他の要素はトレンドに呼応していること、そして、著作権等の諸権利がクリアになっていることも重要な要素です。 一般投稿の場合は、旅行に行った際に撮った写真などを預けていただくなどが多いので、こちらは特に、例えば、人の土地に勝手に入らない、肖像権に触れないなど、当然のことながら、人の権利を侵害しないということが基本条件になっています。

それを守るためには、何かしらの契約が必要ですよね。

プロ・アマ問わず写真家の方々には、事前に、撮ってはいけない被写体や、クレーム対象となる被写体についてきちんと説明をし、書面契約を交わしております。海外の方も多いので、オンラインで契約が完了できるページを用意しています。現在、約700名の方と契約を結んでいますが、その中でも、特に撮影技術のある特定の方には実際にお会いして、需要のあるテーマやユーザーからの要望で写真を撮影していいただくことも多いですね。

カメラの性能が上がる中、プロとアマチュアとの違いは?

プロとアマチュアの違いは無くってきていると感じています。現在は、いろいろな分野でプロとアマの定義が難しいのではないでしょうか? 確かに機材の性能は上がっていますし、お金を出せばプロ仕様のものは買えますが、だからといって、誰もが、どこででも簡単にいい写真、売れる写真が取れる訳ではないと思います。プロだからこそ知っている場所、アングル、構図、ライティイングがあり、それに対するクライアント評価と価値はあると思います。私たちは、そうしたプロの中でも、時代のニーズに応じた作品を創る腕を持つ方をいかにして集められるかに重点を置いております。またその一方で、一部のアマチュアの作品の品質は圧倒的に上がってきていると思います。それには、カメラの質もありますが、アマチュアだからかけられる時間とこだわりがあるのでしょうか。私達の、オンラインでの投稿型でのこのようなハイアマチュアの方の作品集めを強化しております。

時代が変わっても、きちんとした作品の価値はブレない

1605_imgnv_03

先ほど月に20万点をアップすると伺いましたが、セレクトするのも大変ですよね。

お客様は写真を比較して、ある意味で引き算で選ぶと思っております。ですので、入荷コンテンツを選ぶ際は、多様性、バリエーション、横位置、縦位置のバランスなど考慮します。 また、雑誌やWEBのカバーで使われるもの、挿絵的な説明的に使われるもの、ポスターで使いやすいものなど、用途を意識しながら選びます。

掲載する写真を選ぶ運営側の好みが、反映されてしまうことはありませんか?

確かに日によって選ぶ内容は変わりますし迷いますね。エディターには、基本的にベースをしっかり選べていれば、好みを入れたセレクトもよしといって言っています。悩んだ場合は、その写真をみて「楽しいか?」「面白いか?」「笑顔になるか?」の問いで、ポジティブなものを選ぶように言っています。 ただし、出版物などを制作するための素材には、情報としての写真が必要なことも多いですから、例えば歴史や風景、時代などに関して専門知識を持つ人や、その分野に興味のある人が選ぶと強いですよね。私たちも資料などと照らし合わせてきちんと調べますが、世界遺産検定を持っているスタッフや歴史好きのスタッフなどは、その写真に写っている建物や人物の重要性なども知っていますので、とても勉強になります。写真のセレクトをしていると、知識や興味・関心の幅も自然と広がりますね。

時代によって求められる写真は変化しますか?

時代によって求められる写真は変化します。私達のお客様はプロのデザイナーで、その後ろにはクライアント様がいらっしゃいます。クライアント様は目的があってコミュニケーションをとり、多くは社会とつながっています。ですので、社会の変化と求められる写真は呼応するでしょう。 ですが、北海道の風景等もそうですが、変わらず求められ、評価されるものもあるかと思っております。 古くても今なお動く写真は、美、笑顔だったり、何か心を動かすものがあります。

実際に利用される方は、やはりクリエイターが多いのでしょうか。

そうですね。ユーザーはクリエイターや広告関係に携わる企業様がほとんどで、何らかのクライアントへの提案用として利用されるケースが多いですね。写真のリクエストに対しては、私たちのサイトにないものは、コンテンツチームが世界の提携パートナー70社から探して交渉を行い、早急に対応します。パートナーとは非常にいい連携を保っていますので、そこもうちの強みだと思いますよ。

クリエイターをサポートするサービスを展開し続ける

1605_imgnv_04

常に新しい感性が求められるこの業界において、どういった人材が求められますか?

うちの会社でいえば、「北海道から世界に発信するサービスを作りたい」という人や、デザインの分かるエンジニアがいいですね。消費スピードや回転の早い業界ですから、一歩先に行くためには彼らから新しい刺激を受けることで視界も広くなりますし、こういう考えもあるんだという多様性が生まれると思います。初めからプロでなくてもいいんです。「やりたい!」「出来る!」という自分のセールスポイントを表現して活かせる人や、物事に主体的に取り組める人がいれば、企業も人も伸びて行くと思っています。

これからの展望を教えてください。

コンテンツがある強みを活かして、広告やコミュニケーションを作る方々のお手伝いをするサービスを提供し続けたいですね。おそらくこの先は、今以上に、身の回りがディスプレイで溢れてくると思います。街中、壁も、机も、時計も、眼鏡も、小物雑貨までも、形が変わってディスプレイになる。そうやってモノを伝える場所が増えた分、そこにどうサービスを提供してビジュアルを露出していくか。それらを作る人たちが、どういう素材を必要とするのかを見極めながら、お客様の利便性の向上に貢献できる、そんなサービスを構築して行きたいと思います。

取材日:2016年4月27日 ライター:八幡智子

イメージナビ株式会社

  • 代表者名: 代表取締役社長 瀧 栄治郎
  • 設立年月: 2015年3月
  • 事業内容: イメージズ事業(高品質ストックフォトのダウンロード販売サイト等の運営、imagenavi、YOURSTOCK、 素材事典.NET、designpocket)、ソリューション事業(Webサイトの企画・デザイン・構築・運用、 Webシステムの受託開発、iOS、Androidアプリ開発)
  • 所在地:札幌市北区北7条西1丁目1-2 SE札幌ビル13F
  • URL:http://imagenavi.jp/
  • お問い合わせ先:上記HPの「お問い合わせ」より
続きを読む

関連記事

風雲会社伝をもっと見る