好奇心と遊び心、地域への愛情を持って、様々な映像作品を生み出す制作会社

沖縄
株式会社MARUKIN 代表取締役社長 、チーフディレクター
Takafumi Kinjyo,Taishi Yamanaka
金城 孝文 氏、山中 大志

「株式会社MARUKIN」は、沖縄のご当地テレビCMやテレビ番組、自治体の広報映像や観光映像、アーティストのMV、結婚式のエンドロールなど、「映像」と名の付くあらゆるものを作り出す制作会社です。代表取締役社長の金城さんとチーフディレクターの山中さん曰く、その原動力の源は、「常に好奇心を持つこと」と「地域に対する強い想い」。地元沖縄に根ざして映像を作り続ける、その真意に迫ります。

旺盛な好奇心と遊び心で、幅広いジャンルの映像作品を手がける

2013年の会社設立までの経緯を教えていただけますか?

金城さん:

私は生まれも育ちも、弊社の所在地である北中城村(きたなかぐすくそん)です。高校の頃から漠然と、地元で起業したいという夢を持っていました。高校卒業後は職業能力開発校の電気科で学び、地元の空調整備の会社へエンジニアとして就職しました。しかし、自分の会社を持つには営業を経験した方がいいと思い、建築系の会社へ営業職として働き始めます。そこで学んだことを生かし、20代の前半で建設会社を設立しました。

その会社を運営する中で感じたことは、天候に左右されてしまう建設業の不安定さでした。経営を安定させるために別の事業を展開させたいと模索していたところ、山中と出会いました。

山中さん:

私は沖縄の映像制作会社でしばらく働いた後、フリーランスのディレクターとして活動していました。その中で、金城の建築会社から企業PVの制作依頼を受けたことをきっかけにこの会社に合流し、映像制作部署を立ち上げました。

金城さん:

もともと私自身が文章を構成したり書いたりすることが好きだったこともあり、クリエイティブな仕事に興味を持っていました。山中と知り合えたことで、その興味が映像という形で事業化できることになったのだと思います。建築部門は「マルキンプラン」という名前で、今でも継続しています。

当時制作したマルキンプランの映像

主にどのようなジャンルの映像作品を手がけていますか?

金城さん:

沖縄ローカルのテレビ番組やCM、ウェディングの映像、企業のPR映像など多岐にわたりますが、沖縄県や市町村などの自治体の広報映像や教育映像を、特に多く手がけています。建設会社からの依頼も多いですね。

自治体や建設会社からの依頼が多いのはなぜですか?

金城さん:

私が県の商工会青年部の理事を務めているので、そこで培ったネットワークが役立っていると思います。また、建設会社のCMは大きなお金が動くことが多いので、業界的には花形です。そこを目指して営業活動を行っているのも、理由の一つだと思います。

多くのジャンルの作品を作れるというのは、御社の強みになっていますか?

金城さん:

そうだと思います。通常は、「CMに強い制作会社」や「ウェディングに強い会社」などと棲み分けされていますが、弊社の場合は、どのようなジャンルでも幅広く作ることができます。

それはなぜですか?

金城さん:

6名の社員全員が好奇心が旺盛だからだと思います。どんなものを作っても面白みを感じられますし、面白さを見出せるメンバーが揃っていると自負しています。

山中さん:

例えば産廃業者から映像制作の依頼を受けたことがありますが、その業界については全くの素人でした。しかし一から勉強することを楽しめましたし、苦労した分、映像を作り上げた時の喜びは大きくなります。

金城さん:

個人的な考えですが、常に一つのジャンルだけ手がけているとクリエイティブが落ちてしまうのではないでしょうか。様々なものを手がけ続けていくことで、スキルも知識も向上できると思っています。

他にも御社の特徴があれば教えてください。

金城さん:

映像制作会社には珍しいことだと思うのですが、定時に帰宅できるようにしています。不規則な時間で仕事をしがちな業界ですが、そこを変えたいのです。

それはなぜでしょう?

金城さん:

生活にメリハリをつけて欲しいからです。業務時間内に仕事を終えるとなれば、集中力も効率も上がります。そして退社後は自分の好きなように時間を使えますし、見聞を広められます。そうすることで新たなアイデアが生まれて、仕事にもつながっていきます。私自身もオフの時間は趣味の映画鑑賞を存分に楽しんで、そこで得たヒントを自社の映像作品に活かせることが多々あります。

地域の映像作品作りを通して、地域へ恩返しをしたい

御社のHPに「映像を通して地域振興発展の先駆者になる」とありました。また、過去に手がけられた作品も沖縄関連のものがほとんどだと感じるのですが、地域にこだわる理由を教えてください。

金城さん:

自分が地域に育てられた、と強く感じているからです。人ひとりが小学校6年間通うには、500万円から600万円の税金が必要だそうです。北中城村という小さな村も例外ではなく、私が成長するまでに多額の税金が使われてきました。しかも私は勉強ができる子供ではありませんでしたので(笑)、周囲の大人にかなり助けられて成長できたと思っています。そんな私が大人になってすべきことは、地域への恩返しです。会社をしっかりと運営して法人税を納めたり、地域の子供達に「席次が悪くても稼げるようになる」ということを伝えたりしたいと思っています。

地域にこだわって映像を作ること以外で、何か心がけていることはありますか?

金城さん:

自分たちの個性、色を出すようにしています。それは作品の中に独自のこだわりを入れ込むということではなく、依頼主とチームのような関係性を築くために、まず親近感を持ってもらえるように努めています。

具体的にどのようなことをされているのですか?

金城さん:

例えば弊社のHPです。メンバーの人間味が出るような自己紹介文を掲載したり、少しギャグの要素を入れたりしています。

山中さん:

行政系の映像を作ることが多いので、固い会社だと思われがちです。しかし「実際は気さくなスタッフばかりです」とHPで伝えることで、クライアントにはギャップを楽しんでもらえていると思います。

スタッフ一人ひとりの能力=ピースを組み合わせて、パズルを完成させる

最後に、これからの目標を教えていただけますか?

金城さん:

弊社には絶対的なエースがいるわけではありません。6人みんなが集まって一人前の会社だと思っています。それぞれ能力の異なるピースが上手く合致してこそ、良い作品、つまり良いパズルを作れます。今後は、そのピースとなるメンバーを少しずつ増やしていって、沖縄の魅力をより伝えられる映像を作っていきたいですね。

沖縄の魅力を伝えるために、何か新しい事業やサービスは考えていらっしゃいますか?

金城さん:

今のことろ沖縄では弊社しか行っていない事業として「撮影同行サービス」というものがあります。旅行や社員研修などで県外から沖縄へ来た方に同行して、その様子を撮影して映像作品に仕上げるサービスです。これをもう少し広く展開していきたいと考えています。

山中さん:

仕事柄ロケ地には詳しいので、観光マップには掲載されていないような場所もよく知っています。ロケのための車両も持っていますし、映像制作会社として培ってきたソフト面、ハード面ともに、有効活用していきたいですね。

取材日:2019年3月27日 ライター:仲濱 淳

株式会社MARUKIN -映像部門MARUKIN Create-

  • 代表者名:代表取締役社長 金城 孝文
  • 設立年月:2013年1月
  • 資本金:3,000,000円
  • 事業内容:映像・動画の企画制作、映像・動画メディアの企画、制作、運用、パンフレット・ポスターなどの企画制作
  • 所在地:〒901-2316 沖縄県北中城村安谷屋1353番地 JAおきなわ北中城支店2F
  • URL:https://marukincreate.com/
  • お問い合わせ先:098-989-0282

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