職種その他2018.05.02

生き方、仕事、全て「三方よし」が目標です

仙台
株式会社TGM 代表取締役 田上 悠喜氏
株式会社TGMは日本全国から主に服とアクセサリーのブランド品を買取り、販売を行う会社です。代表取締役の田上さんは、2010年に個人事業主として「ブランド買取ライフ」を立ち上げ、2013年に法人化されました。当初3名で始めたライフは、現在30名の従業員を抱えるまでに成長しました。大きな転機は2012年から開始したインターネット販売で、田上さんご自身がeコマースについてゼロから学び、現在も戦略作りだけでなく運営を担っていらっしゃいます。起業して8年、売上高10億円を目指して思考・実践の日々ですが、それを支える信念は近江商人の「三方よし」。リユース商品を一般の方から日本一高く買い取り適正価格で販売し、信用され必要とされる企業となり成長したいと熱く語ってくださいました。

学んできた分野と全く違う業種でのスタートでした

これまでのキャリアについてお聞かせください

学生のとき建築とインテリアデザインについて学びました。設計から内装までトータルで手掛けたいという目標があったので、インテリアコーディネイトやカラーコーディネイトも学びました。そのころ、家屋改造のビフォー・アフターを扱うテレビ番組に出演していた経験のある講師の方に出会い、自分の望む仕事について相談したところ「実際の建築業界で、それを実現するのは難しいのではないか」とのことでした。実務とは直接関係しない営業からのスタートすることもあったり、設計図を引くことと施工は別の担当というのが当たり前であったり、当時の私にとっては建築業界に進もうという気持ちにブレーキがかかってしまいました。

起業と経営に必要な基本全てが学べたのが最初の就職です

そこから現在にどのように結びついたのですか?

学校を卒業して自転車でオーストラリアに行こうと思い、資金作りのためにリユース商品の買取・販売会社のアルバイトを始め、目標が達成できた3カ月で退職しました。仙台から自転車で成田空港に向かうスタートで、なんとか無事に渡豪し帰国できました。目標が決まったら、少々計画段階で紆余曲折しても、目的を見失わない限り物事は実現できると実感した出来事でした。帰国後、就職先を模索していたところ、リユース商品の買取・販売会社の社員の方から入社しないかと声をかけていただきました。仙台でも珍しい業種、面白い経営方針、ベンチャー気質の会社でしたので、そこでまずはやってみようと入社を決めました。

就業から起業に至った経験について教えてください

入社した会社は扱う商品の幅が広く、ゲームソフト、おもちゃ、服、雑貨など商品ごとの担当部署が仕入れから値付け、販売まで行いました。これらの部署責任者を全て経験すると次は店長のポジションとなり、私も最終的に店長を務めました。その企業の方針は、店長に大きな決裁権を与えて運営を任せるというもので、経営計画の策定から当期決算まで、ほぼ経営者と同等の業務と責任が課されました。たとえば自らの給与額からアルバイトの方の採用、商品の仕入れ、価格設定など全て店長が決めて店舗を運営します。この企業での約7年の勤務と、特に店長時代の体験が起業の方向性と会社運営に必要なことをすべて教えてくれました。

最初から独立したいという意志があったのですか?

幼いころから、同じ制服を着て過ごさないといけない毎日に息が詰まって、何故、人と同じことをしなくちゃいけないのかと感じていました。これは、独自性をもって、やるならやりたいことをして、良し悪しも含む成果を味わいたいという自分の原点だと思っています。いずれかの企業に属して、サラリーマンとしてやっていくのは合わないと思っていましたので、人とは違う何かを見つけ、独立して事業を行いたいという意志は二十代のころから明確にありました。

小さな会社が勝つために必要なことを徹底してやる

現在の事業について教えてください。

現在は服、アクセサリーのブランド品に特化した買取と販売を行っています。店舗での買取販売からスタートし、2012年からインターネットで日本全国の一般のお客様から買取・販売を行う方法に注力しています。「日本一の買取店を目指す」という目標を掲げ、数種のブランドにおいては日本トップクラスの取扱い数を実現するに至っております。

貴社の強みについて教えてください

型番商品といわれるゲームソフトなどは、全て同じ価値を持っているため、相場価格がほぼ一定ですので流通量で勝負する商品といえます。このような商品で大手と勝負しても到底かないません。一方、服というものは季節・品番・サイズごとに流通している数量、状態などにおいて、一点として同じものは存在しません。おのずと値段も全て異なるので、一点一点に対しての目利きが勝負どころとなってきます。丁寧に心眼を持って見極め、適正な値段を提示し、満足していただいたうえで買い取らせていただくという方法がTMG流です。ここは大手企業の参入障壁になるところだと思っています。 またランチェスター戦略として、どこか一点に特化して大手と差別化するということをずっと行っており、大手が扱わないブランドに焦点を当て、そのブランドについては日本一取扱い数が多いという状況を実現しています。

eコマースが全世界を対象としたビジネス展開を実現させる

店舗販売よりeコマースに注力されているとのことですが、そのメリットについてお聞かせください

お客さまが店舗に立ち寄られ気になる商品を見つけたとしても、衝動買いできる上限額はありますし、購入決定するまで時間がかかります。しかも商品を店舗間で数回移動させる必要が生じて手間と時間もかかることが分かりました。しかし、インターネットでは元々その商品が欲しいという方が、自ら「ブランド名 バッグ」というキーワードで検索して検討されるので購入決定が速い。また商品の移動回数も少なくて済むことと、専門業者へ委託できるため結果としてコストが抑えられます。また対象顧客は店舗近隣に縛られず、全世界が対象ですから、地方にある企業でも勝負できる大きなメリットがあります。ちなみに現在も10%程度は海外からの取引です。

Webマーケティングで一番注力されているのは?

まずお客さまに弊社の存在を知っていただくために、検索エンジンで上位に掲載されることが生命線となりますので、SEO対策は最重要課題と言えます。SEOを意識したライティング、コンテンツ作成は手間がかかりますが、絶対に手は抜けない部分です。現在は当社の要望に沿った細やかな対応を外注するのが難しいことや、商品の入れ替えをスピーディーに反映させる必要もあることから、サイトの製作・運営・管理は自社で行っています。並行してサイト訪問数を増やすために、SNSやブログで情報発信を続けるなど、あらゆるアプローチをしかけています。

今後の方向性について教えてください

リユース業は日進月歩で新しい商売の方法が生まれています。大手企業はAIによるchatbotをお客様との連絡に利用したり、手持ちのブランド品の画像を撮影して登録しておくと、現在の評価価格と将来の価格変動がグラフで表示され、売り時が分かるというスマホアプリも登場しています。今後はSEO対策だけでは事業は伸ばせないことが分かっていて、大手が独自のシステム開発を行うなか戦っていくためには、TGMも専門知識を持った方の力を借りていかなくてはなりません。ブレーンをつくり新たな方法を模索してチャレンジしていこうと思っており、そのための準備を整えているところです。

専門家が協働できる環境を作り新しい価値を創造したい

その準備についてお聞かせください

シェアオフィス「ZITEKI BASE」というクリエイター向けのコワーキングスペースを、2018年4月下旬に開設します。クリエイターが事務所と打ち合わせスペースなどを共有し、独立した仕事を行いつつ、案件によっては協働するイメージです。ITについて相談できる場があればいいのに…とか、オフィスにしても機器が充実して、オシャレで便利な場所にあって、しかもお手頃で…と、私自身が感じてきた「あったらいいのに」を形にしてみようと思い、設計から内装、インテリアも自分で手がけました。人が集まったら新しい何が生まれるのか?という期待と、私自身が相談できて、スキルや情報、刺激などを得たいという狙いがあります。貸し手、借り手の双方が満足できる空間で、互いに新しい価値の創造ができれば本望です。

シェアオフィス「ZITEKI BASE」:https://ziteki.com/base/

月並みだけど「素直で明るく元気なひと」と一緒に働きたい

一緒に働くスタッフにどのようなことを求めますか?

創業以来、毎年取り組むことが違うかなり変化の激しい会社ですので、方針に共感して、面白がって乗っかっちゃえという風に考えられる人だといいですね。どこの社会でも同じだと思いますが、世の中を斜に構えて見たり、人の話をまっすぐに聞くことができない方は、一緒に働くのは難しいかなと思います。
また、人とは違うということに価値があると私自身が強く思っていますので、多様性というものを非常に重視しており、国籍・性別・年齢など様々な人が存在してほしいと思っています。できる範囲は限られるかもしれませんが、例えば在宅勤務やパートタイムなど、その方に合ったスタイルで力を発揮していただける環境を整えていきたいです。

多種多様な方をまとめるために行っていることは?

TGMでの働き方を「クレド」として社内で共有しています。方針から始まり、業務フローなども掲載しているので、社員はマニュアルとしてとらえていると思いますが、朝礼などもそのクレドを見ながら行っています。 私が終始一貫して言い続けているのは「革新を続け三方よしの社会の仕組みをつくる」「目標と現状のギャップを埋めるのが仕事です」の二つ。これは言うは易し、行うは難しですが、お客様が満足し、自分たちも満足する仕組みを考え続けなければ、どの仕事も事業も継続はできないということを認識していてほしいと願っています。個人の生き方も三方よしを意識すれば、豊かな人生になるのではないかなと思って、自分もまだまだですから、これを実現しようと日々学んでいるところです。

取材日:2018年2月27日 ライター:桐生由規

株式会社TGM

  • 代表者名: 代表取締役 田上悠喜
  • 設立年月: 2013年7月
  • 資本金: 1,000,000円
  • 事業内容: ブランド買取事業/ブランド販売事業/Webメディア事業
  • 所在地: 宮城県仙台市青葉区一番町1丁目2‐33
  • お問い合わせ先: TEL)022‐398‐9537、Fax)022‐398‐9573
  • URL: https://life.p-kit.com/
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