職種その他2017.11.08

競合他社に負けないためのテクニックとこだわり。人気ショッピングサイトの秘密に迫る

京都
株式会社D-REALIZE
( ディー リアライズ )
大崎 豊 氏
「質のよいインテリアは暮らしを豊かにしてくれる。」株式会社D-REALIZEが販売するインテリアはそう感じさせてくれる商品ばかりです。運営しているショッピングサイトを覗けば、写真と動画を駆使し、まるで実店舗で商品を手に取っているかのように、その商品の魅力が一目で分かるサイト作りに、購入者への気遣いを感じます。
京都市中京区にある本社を訪ね、店長の大崎 豊さんから入社のきっかけや、サイト構築へのこだわりなど、人気ショッピングサイトの裏側について伺いました。

4人で実現させたいと「D-REALIZE」と命名

大崎さんはもともと起業されたことがあるとお聞きしました。

ええ。学生の頃、就職活動時に、休みが多いとか、初任給が高いなどの理由で就職先を選んでいる友人たちに違和感を感じ、仕事をするなら興味を持ち続けられることをしたいと、同じ志を持っている友人二人と、廃材を利用した家具を販売する事業を始めました。原価がかからないこともあり、ある程度の収入を得ることができました。その後、蓄えたお金で工具をそろえ、倉庫を借り、重機を入れて、今度は内装プロデュース的な感じで、ラーメン屋やカフェなどのリフォームを請け負いました。ありがたいことに事業は順調でしたが、このままずっとこの仕事で食べていけるかを試算した時に、三人とも一生は難しいという結論に至り、解散することに決めました。

御社の設立について教えてください。

解散後すぐに、別の友人が私たち三人に加わることで話は急展開します。新しく加わった友人が資本を全額出資し、ショッピングサイトを軸にビジネス展開しようという話になったのです。この時、新しく加わった友人というのが現社長の清水で、それが弊社の始まりです。清水は起業するなら連名ではなく、自分でやりたいと考えていたようです。その熱い想いに、我々3名は感化される形になりました。
社名は、アルファベットの4つ目の文字に当たる「D」に、「実現」という意味の「Realize」をプラスし、「4人で実現させよう」という意味を込めた「D-REALIZE」としました。11年と半年ほど前の話です。

「D-REALIZE」設立後はどのように展開されたのでしょうか?

ショッピングサイトを運営するにあたり、数あるサイトの中からまず楽天市場を選びました。当時、楽天は認知度の低い会社でしたが、近鉄バッファローズを買収することが決まっており、野球が盛り上がれば認知度が高まり、先駆者収入が見込めるのではないかと考えたのです。
販売する商品として、値崩れしにくいインテリアに注目しました。扱う商品・値段が競合他社と違わなければ、小規模の会社でも大会社に太刀打ちできると考えたからです。
まずは、売り上げが増えると、お取引先から弊社だけの限定カラーの商品を販売しないかといううれしいお誘いをいただき、それが他社との差別化につながり、収益に結びつきました。今では、このオリジナル商品の多さが弊社の強みの一つになっています。

原動力となったのはある社長との出会い

実用性とデザイン性を兼ね備えた人気商品「チューブラーシリーズ」。

御社が飛躍するきっかけになった出来事を教えてください。

世界中でグッドデザイン賞を受賞するなど、個性豊かなインテリア商品を開発しているイデア株式会社と直接取引できたことは弊社にとって大きな飛躍のきっかけとなりました。本来、商品を販売するには、問屋を通してからショップへというのが通常の流れなのですが、イデア株式会社の羽場社長が、代表の清水の若さと勢いを買ってくださり、「直接やろう」と言って契約してくださったのです。

その最初の商品が「チューブラー」というゴミ箱です。実用性とデザイン性を兼ね備えた人気商品で、弊社が今あるのはこの「チューブラー」のおかげと言っても過言ではありません。羽場社長との出会いにより、お取引先との直接売買契約ができることを知り、その後の商品探しに生かすことができました。また、社員全員が「これは絶対いける!」という確信を持てる大きな原動力となりました。

扱う商品について、選ぶポイントは何でしょう?

まず、値段が崩れていないというのが最低条件です。弊社は安売りをしないので、値段が崩れている商品を扱うことはありません。条件を満たす商品の中から、デザイン性の高いものや、買い換える回数が少ないものなど、さまざまな角度から厳選します。競合他社に比べると、弊社が取り扱っている商品は2,500アイテムと少ないのですが、その一つ一つは絶対にヒットすると確信を持って選び抜いた上質な商品ばかりです。

商品告知はまさに心理戦

お客様への伝え方として取り組んでいることを教えてください。

写真を見ていいな、と思っていただくだけでなく、より一層、お客様の購買意欲を沸き起こすため、文章にも力を入れております。キャッチコピーや商品説明は、家にあってもいいなと思っていただけるように、よりリアルに商品の魅力を感じていただけるように制作しています。写真(撮り方含め)・コピー・文章全てをトータルで考え、デザインという価値を提供する、ということを心掛けています。

サイトを作るにあたって、一番のこだわりは何ですか?

掲載する写真にはとてもこだわっています。単に、お取引先から頂いた写真を載せるのでなく、商品の魅力が購入者にしっかり伝わるように、一つ一つコンセプトを考えて撮影しています。
調理器具であれば、どのようにすればその商品の良さを伝えられるか、使いやすさをアピールできるかを考えて、自分たちで食材を購入して実際に調理しながら、マニアックなぐらい作り込んでいきます。まるで、実店舗で商品の実演販売をしているかのような安心感を生み出せるサイト作りを目指しています。
特に、季節物や一押しを扱っているページにはより力を注いでいます。正直、品ぞろえを増やしたいと思うのですが、手間ひまかけてサイトを構築しているので、今のアイテム数で限界なのです。

今を高めて、次のステップへ

最後に、会社としての展望について教えてください。

衣食住の中で、「オシャレをしたい(衣)」「オイシイものを食べたい(食)」という思いは内容は違えど、世界共通だと思うんです。しかし、住に関する考え方は日本と他の国とでは全く違っているように感じます。日本人は家を建てることにお金をかけますが、インテリアは量販店で購入するなど、抑える傾向があります。しかし、海外では逆で、家は親や親族から中古をもらって、リノベーションして内装にこだわるなど、インテリアに重きを置く傾向があります。暮らしを豊かにするためには室内の雰囲気作りが大切との考え方です。弊社では同様に、質の良いインテリアを置くことは、豊かな暮らしに通じると考え、これからも変わらず厳選したインテリアを提案し続けていきたいと考えています。
しかし、売り上げはいつか限界がくると考えており、それまでの伏線として、新たな事業を立ち上げようと動き始めています。弊社にはショッピングサイトを運営するためのノウハウだけでなく、プロのカメラマンやライターなどサイト構築に関わる専門家がいます。今後は商品を売るだけではなく、コンサルタント的なサービスも提案できたらと考えています。
弊社はありがたいことに、楽天市場のインテリア部門において、2017年上半期ジャンル賞をいただきました。その結果、テレビや雑誌などの媒体にも多数取りあげていただき、自信を持ってノウハウを提供できると考えております。
良い商品を持っていながらも、ネットでの売り方が分からないという企業がたくさんあります。そのお力になれればと考えています。

取材日:2017年9月28日 ライター:7omoya

株式会社D-REALIZE

  • 代表取締役:清水 猛
  • 設立年月:2007年2月1日
  • 資本金:6,000,000円
  • 事業内容:デザイン家具 / インテリア雑貨の製造及び販売
  • 所在地:〒604-8201 京都府 京都市 中京区 長浜町 153番地 おいけビル 3階
  • URL:http://www.d-realize.co.jp
  • インテリアショップroomy:https://www.rakuten.ne.jp/gold/roomy/
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