職種その他2021.09.22

新事業創出を続け経済活性化の一翼を担う世界企業グループへ。多角経営戦略で成長するCross Groupの矜持

東京
Cross Group 代表
Takashi Yamaguchi
山口 孝志
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コア事業の投資助言・代理業(投資顧問業)を成長ドライバーに、投資システム開発やWebコンサルティングをはじめ、ECや飲食などの領域にも事業を拡大するCross Group(クロスグループ)。C&G Holdings株式会社を親会社として多角経営を進め、盤石な経営基盤による長期的かつ安定的なサービスの提供を目指しています。Cross Group代表の山口孝志(やまぐち たかし)さんは、「会社は一度走り出したら成長を止めるべきではない。社員主体で新規事業を創出し続け、より多くの人の豊かな人生に貢献したい」と言います。その成長の原動力は何なのか、ご自身の経歴や創業の経緯、経営理念なども含め、じっくりと伺いました。

 

公務員、インド放浪、塾講師。波瀾万丈を乗り越え、極めたFX

創業の経緯をお聞かせください。

大学卒業後に新卒で地方公務員になったものの、3年ほどで辞めました。大学時代にバックパッカーをしていた経験があり、公務員を辞めてからしばらくはインドなど世界を旅する生活を送っていました。帰国後に結婚して長男が生まれたときには、貯金が底をついていて。生活のため、塾講師のほかにアルバイトをいくつも掛け持ちしました。朝5時から深夜2時まで働く毎日でしたが、今思えば、夫婦協力して懸命に努力した日々は、お金はなくとも幸せな時間でしたね。そんなあるとき、ふと「塾ならホワイトボードと場所さえあれば自分でもできるな」と思い、個人で塾を開いたのです。実は、これが投資と出会うきっかけになりました。

塾経営と投資がどうつながるのですか?

塾の授業は夕方からなので、昼は時間が空いているのです。その時間を利用して、株トレードを始めたというわけです。しかし、3年ほど続けた株トレードはことごとく失敗。書店でFXの書籍を見かけて興味を持ち、「次にこれがうまくいかなかったらトレードから身を引こう」と決意してFXを始めました。当然、最初はうまくいきません。でも、FXはどうしても極めたかった。というのも、世界各国の金利政策や政局も一緒に学べることが、とても面白かったのですね。楽しみながらも必死に勉強を続けて、株トレード開始から5年が経ったころには、ようやく利益の出し方が分かってきました。ちょうどそのころ、私のトレード履歴を見て「これは世に出すべきだ」と言ってくださる人がいて。それで会員制のシグナル配信サービスを始めました。すると、会員の方々の資産が1年間で10倍、多い人は50倍にまで増えたという実績を残せたのです。その口コミがネット上で広がり、証券会社からも専属トレーダーのオファーが来るまでになりました。そこで2009年にクロスリテイリング株式会社を設立。投資助言・代理業をスタートしたという経緯です。

 

グループ成長の原点は「投資×Web」の成功モデル

個人トレーダーとして活動するのではなく、起業を選択されたのはなぜですか?

もっと投資が普通に行われる世の中を作りたかったからです。私は投資の勉強をしているとき、日本には欧米のような投資文化が育っていないことを痛感しました。金融や投資に関する教育が、日本は諸外国に比べて非常に遅れていたのです。ですから、日本において株式投資やFXの教養を高め、資産を増やすためのサポートができれば、起業しても事業が成り立つだろうと考えました。2009年はデジタルマーケティングが大きく発展していた時期でもあったため、投資とWebを融合したサービス展開を決めたのです。

どうして投資とWebを融合させたのでしょうか。

当時の金融系企業の営業は、まだ電話や新聞や雑誌広告に頼っており、自社サイトすらない企業もありました。一方で、インターネットの可能性は一般にも広く認知されはじめ、それは私も十分に認識していました。古くからある投資の手法と、新しいインターネットの爆発力を融合すれば、強固なビジネスになると考えたわけです。しかし、最初はインターネットでの集客がなかなか思い通りにいきませんでした。投資教育に関するサイトでしたから、アカデミックなテイストにしていたのですが、それが間違いでした。やはりエンターテイメント性がないと、人は見向きもしないのです。例えば、論文より雑誌のほうが読み物として万人向けであるように、Webサイトも固い内容よりはエンターテイメント性があるほうが、入り口としては入りやすいですよね。そこで、入り口は遊び心満載にして、内容としては楽しみながらきちんと学べる場を提供し、なおかつ、何かあったときはメールや電話で必ずフォローする体制を整えました。こうすることで会員が増え、定着するようになりました。

そうしたノウハウをもとに、Web事業も同時に拡大していったのですね。

そうです。当グループはとくに、Webでの集客を得意としています。その原点がまさに、エンターテイメント性を盛り込んだ集客プログラムを構築した経験であり、それは今もWeb事業全般に生かされています。このモデルの成功は、私としても自信になりましたし、成功体験が社内にも浸透して、Web関連業務を得意とする社員がどんどん育っていきました。そして、さまざまな事業に応用がきくようになったのです。

 

「絶対に社員の雇用を守る」決意で踏み出した多角経営

投資とWebのシナジーが生まれ事業領域を広げられたことが、多角経営へ舵を切るきっかけに?

それもありますが、多角経営はもう1つの目的からです。会社が成長して社員数が増えるにつれ、「何かあっても社員の雇用は絶対に守らなければいけない」という責任感が私に芽生えました。将来も盤石な体制で経営をするためには、多角経営で事業ポートフォリオを組むのが最善だろうと考えたのです。実は、新規事業の立ち上げの際は、入社してきた社員の「挑戦したいこと」を優先して事業を決定する場合が多く、それが当社の強みにもつながっています。例えば、Webマーケティングや広告を取り扱うグループ法人の株式会社Works Agencyは、その分野が好きで得意な広告代理店出身の転職者が入社したことがきっかけで設立しました。投資案件や資産運用などの情報発信を行う株式会社Asset Cubeも同様です。アクセサリーのECを主に行うBerkat Japan株式会社は、物販に強い興味を持つ社員を中心に、当グループのアセットを活用して設立しました。社員の得意分野を生かしたほうがモチベーションを高く保てますし、社員のやりがいにもなります。そして私は裏方となって応援する立場に回るのが一番いいだろうと。今のグループがあるのは、皆で話し合いながら、可能性を感じた事業を着実に進めてきた結果です。各事業の相乗効果でグループ全体が伸びていけば嬉しいですね。

2015年にはホールディングス化して現在のクロスグループとなりましたね。社内に変化は生まれましたか?

ホールディングス化は単なる経営上の手続きだけで、働く側の社員からすれば何も変わらないだろうと思っていました。ところが、ホールディングスを頂点としたピラミッド構造になったことで、グループ全体がより強固なチームワークで結ばれたのです。各法人がグループを形成する一員としての責任感を強く持ち、スクラムを組んでグループを成長させようというマインドが醸成されたのですね。ホールディングス化にこうした心理的な意味合いがあったのは、嬉しい誤算でもありました。多角経営をしていると失敗もあります。しかし社員には、失敗を恐れず行動して、失敗してもその経験を次に生かしていってほしいですね。会社はその学びの場でもあると思っています。

 

多様性を認め合うチーム作りで世界規模のグループ企業へ

今どのようなクリエイティブ人材を求めていますか?

まずはWebデザイナーとライターですね。単にきれいなデザインができる、流麗な文章が書けるというのではなく、ビジネスとしてきちんとターゲットに訴求し集客できるクリエイティブを制作できる人材を求めています。また、動画クリエイターは非常に重要視しています。なぜなら、動画以上に訴求力のあるコンテンツはないと考えているからです。この先、VRやARの技術が発展しても、映像制作のスキルがあれば対応できますから、将来性も期待できます。もちろんテキストや画像といったクリエイティブも欠かせませんが、当グループでは常に動画領域が得意なクリエイターを求めていますね。

採用で重視するポイントはどこですか?

スキルよりは「人」を見ています。いくらスキルがあってもチームに馴染めず実力を発揮できないといったケースは、意外と多いのです。それよりは、未経験でも着実に学んで成長できる人を採用したい。実際、当グループは未経験者の採用例が豊富です。「2年でも3年でも待つのでじっくり育ってほしい」というのが、投資家でもある私の考えです。また、不得意な分野があっても、それをきちんと伝えられる人のほうが、チームで補い合えるのでうまくいく場合が多いですね。ですので、当グループでは、それぞれの得手不得手やバックグラウンドなどを皆が認め合える環境作りを推進しています。お互いを認め合い、足りない部分は他の人が補い合う。多様性を理解して、個人を尊重できるチームでありたいのです。弊社では男性が長期の育休を取得することもめずらしくありません。こうした企業文化をこれからも育てていきたいですね。

今後の展望をお聞かせください。

グローバルな事業展開を目指しています。日本は少子高齢化などたくさんのリスク要因を抱えており、今後マーケットが縮小していく可能性も高い。多角経営と同様に、アジアやオセアニアなどの成長可能性の高い国に事業展開して、リスクを低減しながら成長を続けたいと考えています。会社は基本的に、一度スタートしたら事業を拡大し続けないといけないものだと思っています。現状維持を目指してしまうと、社員の給料が上がらないだけでなく、成長意欲のある優秀な社員が定着しません。そうすると会社は右肩下がりになって潰れてしまう。社員が不幸になってしまっては、起業した意味がありませんよね。もちろん、事業拡大は雇用や新規事業の創出という社会的な意義もありますが、まずは社員という最大のステークホルダーが幸せであるために、どこまでも大きく成長して世界規模の企業グループにする。それが当グループの掲げるビジョンです。

これからの時代に活躍したいクリエイターへメッセージをお願いします。

時代に合わせて変化できることが大切だと思います。それには、常に新しいものから学ぶ姿勢が欠かせません。世の中には、新しいものをすぐには受け入れない風潮もいまだに残っていますが、一時期は否定されていたものが、後から価値を持つことはよくあります。例えば、昔はマンガを読んでいると親や先生に怒られたものですが、今では世界に誇れる日本の文化です。子どもがパソコンやスマホを使うのを良しとしない大人がいる一方で、そういったデバイスが扱えないと子どもたちの教育環境すら作れない時代になっている。Web広告や動画サイトにしても、以前と比べて圧倒的に影響力が大きくなっています。こうした変化を敏感に察知して、常に新しい感性を取り入れ、学ばなければ、時代に合ったものは提供できないのです。ですからクリエイターの方は、周囲がどんなに否定しても「これは新しい」と感じた分野には積極的に挑戦して、自身のクリエイティブに学びを取り入れてほしいですね。

取材日:2021年7月13日 ライター:小泉 真治

Cross Group

  • 代表者名:山口 孝志
  • 設立年月:2009年7月
  • 事業内容:投資顧問業、投資システム開発事業、資産運用事業、セミナー事業、メディアサイト運営事業、Webコンサルティング事業、動画配信事業、EC事業、海外事業、飲食事業
  • 所在地:〒130-0013東京都墨田区錦糸1-2-1アルカセントラル8F/12F
  • URL:https://cross-group.co.jp
  • お問い合わせ先:上記コーポレートサイト内「お問い合わせ」より

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