MENU

COLUMNコラム・ザ・ちゃんこ

LGBTQ+を考える「プライド月間」と企業のマーケティング・キャンペーン

Vol.116
Dig it! NYC 藤井さゆり

毎年6月、アメリカではLGBTQ+への理解を深める期間として「プライド月間(Pride Month)」が始まり、全国各地でイベントやパレードが行われます。

 

ニューヨークでも6月14日〜24日に「NYC Pride Week」として「ヒューマンライツコンファレンス」や「コスプレ&プライド」、「ファミリームービーナイト」など、LGBTQ+に関する様々なイベントが開催されました。

 

nycpride.org

 

ランドマークであるエンパイアステートビルやNYPD(ニューヨーク市警察)のパトカーまでもがLGBTQ+を象徴する色であるレインボーカラーに。レインボーフラッグを立てるお店やレストランも多く見られます。行政機関も含めて、ニューヨーク市全体でLGBTQ+をサポートしている感じです。プライド月間を祝うという側面もあるので、お祭りという雰囲気もあります。

 

 

 

FDNY(ニューヨーク市消防局)の公式インスタグラムでは、同機関に勤務する女性職員が同僚の女性からプロポーズされているシーンが投稿されていました。※ニューヨーク州で同性婚は法律で合法化されています。

 



下記はNYC Pride公式インスタグラムより、ニューヨークでのパレードの様子。

 

#NYCPride2018 We’re ready for the NYC Pride March!

NYC Prideさん(@nycpride)がシェアした投稿 -



インスタグラムもハッシュタグ#Pride2018を使って「プライド月間」を盛り上げようと呼びかけています。今回インスタグラムは、LGBTQ+コミュニティで活躍する5人の若いリーダーと彼らがお手本とするロールモデルとを引き合わせるというサプライズを行い、インスタグラムを通して、利用者に自分の人生のロールモデルとなる人々と繋がろうと促しています。また、レインボーカラーのスタンプやハッシュタグも登場しました。


instagram-press.com/blog/2018/06/01/celebrating-pride2018-on-instagram/

 

「プライド月間」は、LGBTQ+の人々への理解を深める期間である側面、企業やブランドにとっては、ブランディングやキャンペーン、販促をする絶好の機会でもあります。具体的には、ブランドロゴをレインボーカラーにしたり、レインボーを使った限定商品や特別メニューを売り出す、インスタグラムなどのソーシャルメディア上でレインボーカラーを表現するなどの、いわゆる「プライド月間マーケティング」です。

 

ハロウィンやクリスマスの販促と同様なやり方ではありますが、企業・ブランドにとって「プライド月間マーケティング」を行うことは「LGBTQ+をサポートします」という意思表明になります。

 

日本ではあまり馴染みのない「プライド月間マーケティング」。「プライド月間」に併せた企業・ブランドのキャンペーンや販促がどんなふうに行われたのか、主にインスタグラムでの動きをご紹介したいと思います。

 

Apple

 

 

LGBTQ+の人々をiPhoneのポートレートモードで撮影した写真を投稿しています。

 

その他プライド月間に併せ、Apple Watchでは今年バージョンであるレインボーデザインバンドが販売されており、無料でダウンロード可能なレインボーのウォッチフェイスがお目見えしました。

 

Apple's New Pride Watch Band & Apple Watch Pride Face

Andrew OHara - YouTube

 

Google

 

 

サンフランシスコ、トロントなど、Googleがパレードに参加したことを投稿。

 

また、LGBTQ+をサポートするNPOへの寄付を呼びかけるため、特別ページpride.googleを設置。

 

pride.google

 

Facebook

 

The Pride Bridge is back at HQ to celebrate Pride Month!#prideconnectsus (Photo: @nonogogomomo)

Facebookさん(@facebook)がシェアした投稿 -



Facebook本社では、レインボーカラーの「プライドブリッジ」が登場したようです。

 

Uber

 

A #BackseatView from a #RideWithPride.

Uberさん(@uber)がシェアした投稿 -

 

バックシートから見えるサンフランシスコでのレインボーフラッグ。

 

Uberでは「プライド月間」に併せ、「LGBTQ+をサポートするキャンペーン」が大々的に行われています。UberドライバーやUberで働くLGBTQ+の人々を紹介したり、「Everyone’s welcome here」として、LGBTQ+雇用者へのサポートやコミュニティに積極的に関わることを謳っています。

 

uber.com/pride/

 

Netflix

 

 

日本でもお馴染みのネトフリ。この投稿を見た時、ドラァグクイーンの人々が出てくるドラマ告知かなと思ったのですが違いました。

 

下記のビデオを見てもらうとわかると思いますが、この投稿は、日常では会社員などの仕事をしているドラァグクイーンの人たちがそれぞれのドラマの主役に仮装しての告知、というものだったのです。投稿に写っているドラァグクイーンの人たちはドラマとは直接関係がなく、ドラマの告知のためだけに起用された人々です。

 

The Crown | Queens of Netflix: Jezebel Bardot | Netflix

Netflix - Youtube

 

Chewing Gum | Queens of Netflix: Tynomi Banks | Netflix

Netflix - Youtube

 

Big Mouth | Queens of Netflix: Beardra Bidness | Netflix

Netflix - Youtube

 

GLOW | Queens of Netflix: Erin Brockobic | Netflix

Netflix - Youtube

 

今、告知したいドラマをどうやって「プライド月間」に併せた形で押し出していくか、と考えた結果、こうなったのでしょうね。短時間の映像の中で、ノーメイクの姿からドラァグクイーンへと変身する様子がドキュメンタリー風に描かれていて素晴らしいです。「プライド月間マーケティング・キャンペーン」として、私の中ではナンバーワンとしたいと思います。

 

さて、ここではグローバルに展開する5つの企業を取り上げてみましたが、この他にもプライド月間マーケティング・キャンペーンを行なっている企業やブランドは大小限らず多くあります。特に、たくさんのLGBTQ+の人々が働いているアパレル業界によく見られます。

 

日本でもここ最近、LGBTQ+の人々への理解が少しづつ深まってきて、今年4月には過去最大級のLGBTQ+イベント「東京レインボープライド2018」が開催されたり、学校の制服見直しやトイレ改修、性的指向を尊重するような内容を社内施策に盛り込む企業も出てきており、LGBTQ+の人々への配慮した環境づくりも見られるようになってきましたね。

 

日本では「プライド月間」が根付いていないため、今のところ、マーケティングやキャンペーンをしている企業は少ないとは思いますが、近い将来、やり始める企業がもっと出てきてもいいのでは、と思っています。子供にLGBTQ+を教える機会として教育的にもよいと思いますし、経済的効果もあると思います。今年の6月、日本はワールドカップ一色でしたので「プライド月間」の入る余地はなかったと思いますが、来年入ってくるのか?興味深いところです。

 

Profile of 藤井さゆり

藤井さゆり

東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
Foxylilly.com
facebook.com/foxylilly
instagram.com/foxylilly

続きを読む