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社員の満足が会社の魅力を作る

札幌
株式会社アレクト 取締役副社長 安保英樹 氏
ゲーム業界でキャリアを積んだ、北海道在住のクリエイターによって立ち上げられた株式会社アレクト。札幌市を拠点に、ゲームや映画、2Dや3Dを用いたゲームキャラクターなどの受注制作を行っています。「魅力的」をコンセプトに掲げ、仲間とともに一丸となり、その追求・体現へと取り組む同社で、ご自身もデザイナーである取締役副社長の安保英樹(あんぼひでき)氏に、会社立ち上げの経緯や今後の展開についてお話を伺いました。

北海道のクリエイターが集まり新会社設立

会社立ち上げまでの経緯を教えてください。

2012年にゲームソフト会社ハドソンがコナミデジタルエンタテインメントに吸収合併され、法人が解散したことによって、札幌のゲーム業界における制作業態が激変しました。その数年前から仲間や同僚と、転勤や異動もなく、好きな札幌で働ける場所が欲しいねと話していたんです。そのため、いよいよ解散という声が聞こえた時に、それなら自分たちでやろうと、有志約20名で立ち上げたのが今の会社です。メンバーはみんなゲーム業界でのキャリアも長く、高いスキルを持った非常に優秀なメンバーでしたので、彼らと一緒なら独立してもやっていけるという確信がありました。

そのメンバーの中から、高津氏が社長として手を挙げたのですか?

高津はもともと同じ業界の人間で、私のクライアントでもありました。彼が前の会社を辞めたタイミングと、私がフリーになった時期が重なったこともあり、じゃあ一緒にやろうかということになりました。高津とはお互いに認め合っていたので、一緒に組むことでいい仕事ができるという風に思っていました。会社立ち上げに賛同したメンバーの多くが制作畑の人間で、高津は営業出身だったこともあり、プロデューサーとして社長に就任し、私はデザイナー兼ディレクターとして現場をまとめました。

御社の主な事業内容について教えてください。

弊社では、2Dや3Dの表現方法を問わず、幅広い視野と技術でコンテンツ制作を行っています。Maya・3ds Max・Softimageといったツールを積極的に採用し、CGを用いた映像制作やゲーム、デザインデータ制作、VRやARのアプリのデザインなどを中心に受託開発しており、さらにフルCGのオリジナルコンテンツ開発、コンサルティング業務なども行っています。

現在のお取引先は、どのように開拓されたのですか?

これまでにお付き合いのあったお客様や、前職の先輩や同僚からご紹介いただいたお客様、社長が新規開拓したお客様から発注をいただいており、東京や大阪の会社とのお取引が全体の90%以上を占めております。基本的にクライアントとの打ち合わせはメールやスカイプなどで行っており、逆に会わなくても物事がきちんと進むような流れを作ってきました。もちろん、クライアントの中には物理的な距離を心配される方もいますが、こちらから常に積極的に提案をし、気持ちの面で距離を感じさせないように取り組んでいます。そうすることが安心感や信頼感となり、お互いに求めている形に近づきやすくなるのです。

社員満足度の高さが“魅力的"な仕事に繋がる

立ち上げから現在まで、どのようなご苦労がありましたか?

苦労を感じる間もなく、とにかくみんなで一生懸命だったと思います(笑)。仕事を選り好みせず、場数をこなしてここまで来たという感じでしょうか。そのおかげで、いろいろな仕事との出会いや会社との付き合いが増え、知識や提案の幅も広がりましたし、スタッフのスキルも必然的に上がっていると思います。今では、スピードやクオリティに関しても、東京の同業他社には負けないと自負しています。

御社はコンセプトに「魅力的」を掲げていますが、どういった考えなのでしょうか。

“魅力的なものは、魅力的な人間にしか作れない"というのが、私たちの考えです。そのためにもまずは、全ての社員にとって魅力的である会社でなければいけません。大事なのは、やりたいことと給与と環境のバランスです。それが整うことが社員の満足に繋がり、いいもの・魅力的なものを生み出す力になると考えています。

北海道に本社を置くことのメリットを教えてください。

メリットはやはり、スタッフそれぞれが自分のやりたい仕事をして、楽しく暮らせるということでしょうか。私も含めスタッフのほとんどが、北海道出身者や北海道の大学・専門学校の卒業生で、みんな北海道が大好きです。友人や家族がいて、気候も良くて食べ物も美味しい、さらに家や会社の賃料も安くて生活しやすいなんて、とても魅力的だと思います。そんな土地に住みながら第一線の仕事を行い、それで東京と同等レベルの給料が支給されるなら、あえて東京である必要はないですよね。

求めるのは、何でもできる「ゼネラリスト」

最近の業界の動向や流行、求められるものについて教えてください。

ひと昔前は、プリレンダーという、事前にレンダリングされたCGを用いていました。その方があらかじめ時間をかけられるので、仕上がりをキレイにしやすいのですが、現在主流となっているリアルタイムCGは即座にレンダリングをするために、プリレンダーよりも表現精度を落とす場合が多かったんです。そうした中で、いかにキレイに表現するかが課題だったのですが、最近ではハードの進化に伴い、徐々にプリレンダーに近い映像表現が可能になってきています。そのため、リアルタイムCGによって、いかに“リアル"を表現するかということが、ここからのメインになってくるでしょう。実験段階では既にアニメが作られ、テレビドラマもリアルタイムCGとの組み合わせがされるなど、ARやVRの表現の幅が広がることから、一層リアルタイムCGの需要が高まっていくと思います。

そうした背景を踏まえ、御社ではどのような人材育成を行っていますか。

目標としているのは、「全部できる人」であることですね。スペシャリストは何か1つのことに特化した人、ゼネラリストは全部できる人のことを言いますが、弊社では、まずはゼネラリストであって欲しいと考えています。そのうえで、1人ひとりがいずれ、何らかの分野に特化してくれればいいと思います。

スタッフは皆さん、一通りのことができるわけですね。

そうですね。もちろんゲームをやりたい人、アニメが得意な人などそれぞれいますが、まずは全体のことを出来るようにしたうえで、適性に合わせて割り振りし、受注の内容ごとにチームを組んで作業を行っています。

「先生」制度で新卒を育てる

毎年新卒を採用されているようですが、会社としてはどのような人物を求めますか?

理想は3DCGが作れる人ですが、残念ながら札幌にはそういった人材が少ないですし、弊社の認知度もまだまだ低いことから、東京などの大手に人材が流れているのが実状です。そのため、新卒や未経験者を教育し、いつか立派になってくれたらいいというのが今の考え方です。採用の基準は、デザインの基礎があるかどうかという点で、CG制作の経験がなくても、知識は後からついてきますので、まずはしっかりとしたデッサンができて、リアルなものからデフォルメされたアニメタッチまで、幅広く描ける技術が必要となります。

初心者や新入社員には、どのような指導・教育をされるのですか?

弊社には「先生」という職種で稼動している社員がおりまして、彼が新入社員たちに付いて、制作に一緒に取り組みながら教育していきます。とはいえ、すぐにレベルが高いものを任せるわけにはいきませんので、まずは難易度の低い案件を受注して、その仕事を通して実践で覚えてもらいます。因みに弊社では、人材のミスマッチを防ぐため、入社前には必ず4週間のインターンシップを行います。期間中の滞在費や面接にかかる交通費、引っ越し代の一部など、入社までにかかる費用は弊社が負担しています。

最後に、今後の事業についての構想や展望を教えてください

私たちは映像デザインの業務をメインとしていますが、今後はゲーム開発にも力を入れていきたいと思っています。現在、大阪のプログラムメインの会社と共同でコンシューマーゲームを開発していますが、プログラマーを仕切るリーダーを中心に、そこからさらに一歩進んだ開発業務に取り組んでいきたいというのが弊社の構想です。さらに将来的な社長のビジョンですが、数年先にはオリジナルゲームを出したいという野望や志を持っています。もちろん、いきなり全てをゲーム開発に注ぐのではなく、受託の仕事をベースに置きつつ、その利益で取り組むといった流れを作っていきたいと考えています。そのためにも、どんどん若い力、新しい力を入れて、ともに力を合わせて取り組んで行きたいと思っています。

取材日:2018年3月27日 ライター:八幡智子

株式会社アレクト

  • 代表者名:代表取締役社長 高津 創志(たかつ そうし)
  • 設立年月:2013年9月
  • 資本金:1000万円
  • 事業内容:ゲーム、遊技機、映画、イベント映像、CM、 モバイルコンテンツ、インターネットなどの各種映像企画制作及びコンサルティング業務
  • 所在地:札幌市中央区南1条西7丁目16番2 岩倉ビル4F
  • URL:http://www.arect.co.jp/
  • お問い合わせ先:上記HPの「CONTACT US」より
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