職種その他2019.05.22

大道芸人やご当地ヒーローの活動を通して、 和の心や子どもたちの“ヒーロー魂”を育てる

札幌
合同会社 道産子英雄企画 代表社員
Tomoki Kuroda
黒田 朋樹
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国内外でのイベントを通して子どもたちと触れ合い、日本文化やヒーロー魂を伝える活動を行っている、双子忍者アクション大道芸人「双龍(ツインズ・ドラゴン)」と、双子のヒーロー「舞神双嵐龍(ぶじんソーランドラゴン)」。そのプロデュースを務める合同会社・道産子英雄企画代表社員の黒田朋樹(くろだ ともき)氏に、活動にかける思いや、今後の目標についてお話を伺いました。

 

双子の特性を活かして、アクションに取り組む

 

会社における黒田さんの立場や活動について教えてください。

双子であるという特徴を活かし、弟と2人で双子忍者アクション大道芸人「双龍(ツインズ・ドラゴン)」として、さまざまなイベントに参加し、早変わりや分身の術、アクロバット、傘回しや和太鼓演奏といったパフォーマンスを行っています。また、それらの活動を経て誕生した「舞神 双嵐龍(ソーラードラゴン)」という双子のヒーローがいるのですが、そのプロデューサーも務めています。

大道芸を始めたきっかけは何ですか?

2人とも幼い頃から体を動かすのが好きで、10歳の頃にジャッキー・チェンの映画を劇場で見て憧れたのが今に繋がっていると思います。そこから2人で体操競技を本格的に始めて夢中になりました。運動神経も良かったので、それなりに大会でも結果を出しましたね。大学では弟は幼児教育の道に進み、メディアが子ども教育に与える影響を勉強しながら、ヒーローショーのアルバイトをしていました。一方の私も大学進学をしましたが、途中で休学し、オーストラリアでスタントマンの修業をしていました。その時は、ハリウッド進出を考えていたのですが、現地で生活をしていくうちに、外から見た日本の良さに改めて気付き、日本や北海道の魅力を多くの人に伝える仕事をしていきたいと考えるようになったんです。

そこからお2人で始められたんですか?

私は、帰国後はスタントマンの仕事をしていたのですが、自分ぐらいのレベルで身体を動かせる人は大勢いるんです。でも、「双子でスタントマン」というのは珍しいので、そこが突出するための切り口になるかなと。その頃、弟は幼稚園教諭として、クラスの子ども達の“ヒーロー化計画”を行っていたんです。子どもたちが正しいことをしたら褒め、君たちはすごいんだ、できるんだと伝え、子どもたちをヒーローにすることで自信をつけさせる様子を見て、“ヒーロー教育”の可能性があると考え、「パフォーマーになれば、何万人もの子どもたちを対象に、ヒーロー教育ができるよ」と弟を誘って、双子忍者として、アクションを中心とした大道芸を始めることにしました。

2人の思いを形にすべく、ヒーロー「舞神 双嵐龍」が誕生!

大道芸人になることで、お2人が目指した活動に繋がりましたか?

最初のうちは、そう上手くはいきませんでしたね。2009年に東京で大道芸を始めて、フェスやテレビ番組でも注目されるようになったことで、アクション業界では名前が知られるようになり、少しずつ仕事の依頼が来るようになりました。でも、当初考えていた“双子でアクションをする”というオファーはなかなか来なくて…。それがもどかしかったです。弟は教育をやりたい、私は日本文化を伝えたいと思って始めたのですが、2人とも自分が思うようにやり切れていませんでした。そこで、ほかの方法を考えようと、2010年に双子のヒーロー「舞神 双嵐龍(ソーランドラゴン)」を誕生させたんです。

双嵐龍の定義やコンセプトについて教えて下さい。

双嵐龍は、「ふるさとや日本、地球を愛し、よりよい未来をつくるために、できることから始められる“ヒーロー”を1人でも多く生み出したい」という思いから誕生しました。ソーランブルー水龍とソーランレッド炎龍の双子のヒーローが主役で、近年北海道から全国に広まった踊り“よさこいソーラン”を得意としており、踊りながら敵を倒したり、和太鼓や傘回しなどを披露して、日本の心や和の文化を伝えていきます。また、一緒に踊ることを通して、子ども達にちょっとしたヒーロー体験をしてもらい、“誰もがヒーローになれる!” “一人ひとりがヒーローだ!”という熱いメッセージを発信しています。さらに、敵役の鬼を登場させることで、“誰でもヒーローになれるけど、少しでも油断すると誰でも鬼になってしまう”ということも伝えています。

さまざまなパフォーマンスで、お祭りを盛り上げているんですね。

はい。頑張っています(笑)。お祭りでは、舞台に子どもたちを呼び込んで一緒に踊りながら、今、勇気を出して舞台に上がってきた気持ち、行動こそがまさに“ヒーロー”なんだよ…と伝え、日常生活の中でも何かできることから行動に移してみよう!と伝えています。ヒーローは特別な誰かじゃない。君達一人ひとりだ!誰もがヒーローになれる瞬間はたくさんあるんだ…と子どもたちに伝えたいんです。お祭りのほかにも、ヒーロー歌謡ショーやイベント司会者、ノベルティ配布、食レポ、結婚式の余興などさまざまな依頼を受けていて、呼ばれればどこにでも行きますよ。

甲冑や帯など、ディテールにも凝っていますね。

そうですね。和の文化や北海道の文化を伝えたいと思っていますので、そこにはこだわっています。衣裳も、北海道で乱舞転身する時は道産子モード、祭りの時は祭モード、そのパワーアップバージョンの舞モード、和芸を披露する時や、お正月、入学式や卒業式、結婚式などのお祝い行事に出陣する時は紋付袴モードと、シーンに合わせて変えています。

地道な活動が実を結び、教育関係や海外での仕事へと繋がっていく

活動資金はどのように調達しているんですか?

双嵐龍が誕生した後しばらくは、本州を拠点に北海道関連のイベントなどに参加していましたが、2014年9月に北海道ビジネスアイデアコンテストで準優勝を果たしたことから、その副賞の賞金をもとに2015年に北海道に拠点を移しました。その後、北海道でも私たちの活動が少しずつ知られるようになり、地元情報誌での連載やテレビ番組の放送、TVCMなどメディアに出演する機会が増え、そこで得た収益をもとに、教育事業を展開し始めました。また、2015年の北海道進出より、立て続けにいくつかの補助金を得ることができ、それらをもとに、オフィシャルグッズやCG映像製作もしました。

教育事業とはどういったことをするのですか?

幼稚園や小学校では、防犯・防災教室や交通安全教室、カンボジアやフィリピンの子どもたちにメッセージや文房具を届ける国際協力入門教室のほか、出前教室の際に子どもたちと一緒に給食を食べて、少しでも好き嫌いをなくせるようにサポートしたりもています。また、運動会前のソーラン節指導や障がい者理解講演会、食育クイズや環境クイズなども行っています。

全国各地でのイベント出演は大変ではないですか?

活動の拠点である北海道の代表は私が務め、つくば市にいる弟が本州班の代表を務めています。関東近郊で出演オファーがある場合は、2人で企画内容を詰め、本州班が出動します。正社員は私と弟の2人ですが、私たちをサポートしてくれる週末パフォーマー(アルバイトスタッフ)が北海道と本州班にそれぞれ約15人いますので、彼らの活躍に助けられています。

活躍の場は海外にも広がっていますが、どのような経緯で海外進出へと繋がったのですか。

イベントで私たちのことを知ってくださった方からの紹介で、2013年にタイの日本祭りに双子忍者として呼ばれたんです。その時に、ヒーローショーも出来ますよという話になり、双嵐龍の披露へと繋がりました。海外で人気なのが、CG映像をバックにしたパフォーマンスです。パンチやキックなどの動きに合わせて、映像や効果音をスクリーンに映し出して動きの意味を伝えたり、セリフを通訳の方に説明してもらいながら進行していきます。海外でもレンジャーものは受け入れられているので、私たちのパフォーマンスも好評を得て、今ではイタリアやフランス、フィリピンと各地からお声が掛かるようになりました。

これからの未来を作る子どもたちの“ヒーロー魂”を育てていきたい

同じ志を持ち、活動を共にしたいという方もいらっしゃるのでは?

嬉しいことに、そういった方も増えています。アクションにおいて一定のクオリティがあれば、男女問わずパフォーマーとして歓迎しますし、実際にショーにも出ることもできます。私が実施しているアクション教室にも、技を磨いたり動きを身につけたいと通う方が増えていて、中には中学生もいますよ。

運営・企画・出演に、アクション教室となると、毎日が忙しいですね。

週末はショーやイベントが集中するので忙しいのですが、私としてはもっと平日の教育事業に取り組みたいと思っています。できるだけ幼稚園や小学校に呼んでもらえるよう、教育的な内容も色々と考えていますので、気軽にお声掛けしていただけると嬉しいですね。

最後に、今後の目標について教えて下さい。

おかげさまでリピーターの方やファンの方も少しずつ増え、子どもから大人まで幅広い層に応援していただいております。中にはイベントのたびに足を運んでくださる熱心なファンもいらっしゃいますし、お手紙をいただくこともあります。そういった応援が力になりますので、知名度と経済的体力を付けて、もっと多くの人と触れ合う機会を作っていけるように頑張りたいです。また、子どものヒーロー魂を育むことができるようなグッズを作ったり、30分のテレビドラマシリーズも製作したいですね。全道各地のゆるキャラとコラボしながら、教育的な要素を組み込みつつ、その土地の魅力を伝えるなど、挑戦してみたいことはたくさんあります。そういった活動を通して最終的に目指すのは、これからの未来を作るヒーローを、1人でも多く育てていくこと。“ヒーロー魂”を身に付け、いじめや自殺のない、優しい心で世界の問題を解決して行けるような子どもを育てる手助けをしていきたいと思っています。

取材日:2019年4月16日 ライター:八幡智子

合同会社 道産子英雄企画

  • 代表者名:黒田 朋樹(くろだ ともき)
  • 設立年月:2015年1月
  • 資本金:2.000,000円
  • 事業内容:双子忍者アクション大道芸人「双龍」、双子のヒーロー「双嵐龍」による、イベント・お祭り出演。教育事業。
  • 所在地:〒005-0823  北海道札幌市南区南沢3-2-8-14
  • URL:道産子ヒーロー“舞神ソーランドラゴン”HP→http://tam-p.jp/sohrandragon/
       双子忍者“双龍(ツインズ・ドラゴン)”HP→http://tam-p.jp/ninja/
  • お問い合わせ先:上記HPの「お問い合わせ」より

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