職種その他2019.10.02

女性の視点で道を切り拓き、東北を盛り上げていきたい

仙台
株式会社 epi&company 代表取締役社長
Honami Matsuhashi
松橋 穂波

2015年に設立された株式会社 epi&company(エピアンドカンパニー)は、女性目線で企業と商品開発やプロモーションを行う企業です。社長の松橋穂波(まつはし ほなみ)氏は大学時代に東日本大震災に遭ったことを機に、「自分は何ができるのか?」を模索、女子大生を活用したファッションショーを皮切りに女性目線で企業とコラボレーションする事業を展開。現在は起業イベントの講演を依頼されることも多いという松橋氏に、起業の経緯や、これから求められる女性の人材についてお伺いしました。

ファッションショーから起業の道に

社長は大学時代に現在の仕事に繋がるファッションショーを始められたそうですね。その経緯について教えてください。

かねてより東北や仙台では、女の子が活躍できる場所が少ないと思っていました。一方、東京では女子大生が主役として活躍しているんですよね。企業とコラボしてお菓子を開発したり商品のデザインをしたり。やがて私の目が仙台から東京に移るようになりました。「東京に行っていればこんな活動もできて、こんな風になれていたのかもしれない。でも仙台にいるから出来ない・・・」そんな風に思うことがとても悔しくて。それなら仙台で自分のやりたいことをやればいいと思い、まずは自分のために個人的な活動としてスタートしました。

最初から一人で始められたのですか?それとも同じ思いを持った仲間がいらしたのでしょうか?

最初は一人でやるのが不安だったので、同じ大学の友達に一緒にやらないかと声をかけました。ファッションショーを開催する団体としてスタートしたのですが、携わってくれた女の子たちが「人生変わりました」と言ってくれるようになって。「私なんて」「私なんか」とか言っていた女の子が、「私で良ければ」というように変わっていき、一歩前に進んでいくようになっていくのを間近で見て、この活動を続けていけるようになりたいなと思いました。

とにかくまずは続けようと思ってきて、年々規模も大きくなって、関わって下さる方や企業、ショーに出演してくれるモデル、携わってくれるスタッフが増えていきました。そんな中で、「こういう事を皆さんにお願いできますか?」という依頼も頂くようになり、ビジネスとしてやっていけるかもしれないと思いました。

2015年11月に起業することになった経緯について教えてください。

最初に立ち上げた時はファッションショーを開催する団体でしたので、通常なら「ファッションショーを売る」というのがビジネスモデルになります。そもそもファッションショーを開催するというのは需要があるのか?ファッションショーは一人ではできないのでスタッフをどうするのか?と考えました。

運営側はファッションショーの準備に半年から一年かけて動きますが、モデルの女の子は年に1~2回のファッションショーのときしか携わらないのがもったいないと思いました。そう考えた時に、ファッションショー以外にも企業とタイアップして企画を組んだり、モデルを色々な場所に登場させたりとビジネスプランを色々組み立てて、これでやっていけるかな?と思い株式会社を設立しました。また、国の創業補助金が取れたことで私の事業計画やビジネスプランは国から認められたということだと思い、「やらなきゃダメだ!」と自分を追い込みました。

「epi&company」のロゴは花なのでしょうか、可愛らしいですね。会社名の由来を教えて頂けますか?

ロゴは花のように見えると思うんですけれど、これは花じゃないんですよ。穂なんです。一つ一つが稲穂になっています。6つの稲穂は東北六県を表しています。 epiはフランス語で「穂」という意味なんです。私の穂波という名前からとっています。学生時代、震災直後に一つの家にお菓子とか非常食を持ち寄って、みんなで過ごしていたのですが、電気が復旧した後も続けていて。月に一回私の部屋で集まるので「穂波会」という名前になりました。その頃のメンバーと深い話をするようになり、私としては最初のきっかけなので「穂波会」の一部は残したくて。

そして「&company」は仲間たち。事業の特性上、学生と一緒にやっていく会社なので、卒業があるんですね。入ってきた時は苗のようだった女の子たちが、実って穂をつけて卒業していって欲しいなと思って。うちで経験したこと、学んだことをこれからの人生で活かしていって欲しいなという思いを込めて社名にしました。

女子学生と共にプロジェクトを運営

企業とのコラボはどのようになさっているのですか?

最初はベガルタ仙台や東北楽天ゴールデンイーグルスなど、仙台でみんなが知る企業とファッションショーをさせて頂いていました。現在はもう一歩深く先方のビジネスに入って、例えば仙台放送の番組作りを一緒に考えさせて頂いたり、農家に機械を卸している会社の事業開発として、農作物を使った商品開発を一緒に考えさせて頂いたりしています。当社で行うことの共通点は「女性向け」「女性の力で支援する」ということです。商品開発でも女性向けの商品を一緒に考えて欲しいという依頼が多いです。

御社では女子学生たちが登録して働いているそうですね。

現在70名ぐらい登録しています。その70名が一気にプロジェクトを組むわけではなく、その中でチームを組んでプロジェクトを進めていきます。

例えばパッケージのデザインを一緒に考えて欲しいという仕事の時は、そのプロジェクトチームで内容を考えて学生デザイナーにデザイン起こしをしてもらいます。デザインを受けてくれる学生としても自分のポートフォリオ、作品の一種になるので、就職活動の時に「学生時代の作品です」と提出できます。デザイナーを目指している学生にとっては、企業のチェックが入って修正を求められたり、納期があったり、リアルで独りよがりではない仕事体験になりますよね。学生とはいえデザイナーとして仕事できるので。

事業として、女子学生にフォーカスした理由について教えてください。

それは私が学生だったからです。当時私が見えていた世界が学生の視点によるものだったからです。「ずっと起業したかったんですか?」とよく言われるんですけど、私は別に起業したかったわけではなく、社長になりたかったわけでもないんです。ただ今の仕事がやりたかったので、その手段として起業という形をとっています。起業がゴールではありません。会社としての信頼度を上げることで、たくさんのクライアントを巻き込み、もっと女の子達のためになるプロジェクトを生み出していきたいと思っています。

なので、うちの会社はこれから事業内容がどんどん増えていくと思います。私の成長とともに私の見える世界が変わってきているので、私が学生の時に学生たちが抱えていた課題を解決できるようにしてきたんですが、これからは女性の転職、結婚出産、そこからの社会復帰。そういうものも今後の展開としてやっていきたいと考えています。

登録している学生さんは、ここで仕事を覚える代わりに無償で仕事をしているのでしょうか?

いえ、お金は支払っています。そこにも一つ私の思いがあって。やはり学生だからといって甘えてほしくない。商品開発は学生たちから見れば一つのプロジェクトですけれど、クライアントさんからすれば社運をかけたものなんです。売れなければ困るし。

学生のうちからプロ意識を身に付けられるということですね。

それについては最初に面接で厳しく言います。「お金をもらってやる以上はプロです。学生だからという言い訳は通用しないので遅刻とかドタキャンはもちろんやっちゃいけないし、”報連相”も大事だよ」と。そういう事をやっているので、もちろんお金も支払っています。とはいえ学生達なので 、プロの方にお支払いするような相場では支払っていないです。給料というよりは謝礼という感じです。うちでできるのは、機会を作ってあげること、場を提供すること、そのフォローをしていくということですね。

女性には得意なことで道を切り拓いていって欲しい

 

これからはどんな女性の人材が求められているとお考えですか?

まずは自分できちんと道を切り拓いていけることが大事だと思います。現状に不満や不安とか抱えているなら、それを解決するために動ける人でなければいけないと思いますね。女性は生理が重い人もいますし、出産や子育てもありますし、男女平等とはいえ男性に比べて体力的に難しい部分があると思うんです。まだまだ男性基準のことは多いですが、「そういうものだから」であきらめないで欲しい。自分はどうしたいのか?もっと女性としてわがままになってもいいんじゃないかと思うんですね。

わがままに、というとなかなか難しく感じます。

自分の得意不得意をきちんと理解した上で、得意なことで道を切り拓いていって欲しいと思いますね。その道のプロフェッショナルとして。女性の多い仕事ってたくさんあると思うんです。例えば保育士さんの職場は保育園だけなのか?看護師さんなら病院や老人ホームだけなのか?今は色々な働き方があると思うので、資格を活かしてフリーランスのベビーシッターとか、ベビーシッターの会社を起業するのもいいと思います。今までの固定概念で、「保育士だから保育園で働かなければいけない」ということは全然ないと思うんです。自分の得意なことの活かし方や働き方は沢山あると思うので、どんどん切り拓いて行って欲しいなと思います。「日々楽しいです」と言えて、やりたいことをやれて本当にいきいきと輝いている女性を増やしていきたいです。

社長の人脈の作り方はどのようになさっているのですか?

私の経験上、これから出会う人ではなく、既に出会った人を大切にして関係性を築いていくのがいいのかもしれませんね。特にクリエイターこそ既に出会った人との関係を大切にするべきだと思います。美容師さんには「この人にカットしてもらわなきゃいやだ!」 というファンがついていますよね。それと同じで、弊社もデザイナーに依頼するときは、「このデザインなら○○さんだよね!」「これを作ってもらうならこの会社」と言うことがあります。クリエイターは特に、いかに自分のファンを作っていけるかが大切なのではないでしょうか。

最後に、クリエイターへのメッセージをお願いします。

クリエイターにとって大事なのは営業力なんじゃないかな?どれだけいい作品を創っても、知られなければ意味がない。作品に価値をつける人に気付いてもらうためには、発信していかなければならない。営業力・発信力をもっと高めていけばいいのではないかと思います。フリーランスでやっていくなら自分である程度、仕事の流れを作り上げなくてはならないですよね。自分の強みを分析して、それを企画して売り込む力。制作物を納品して会計処理をする力。作品を創るだけではなくトータルで生きる力をきちんと身につけて欲しいなと思います。そういうクリエイターと組んで一緒に仕事していきたいですね。

取材日:2019年8月8日 ライター:三嶋 令子

株式会社 epi&company

  • 代表者名:代表取締役 松橋 穂波
  • 設立年月:2015年11月
  • 事業内容:商品企画、マーケティング、プロモーション事業、モデルキャスティング事業
  • 所在地:〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央2丁目1-27 Ever-i中央ビル1階
  • URL:https://epi-c.co.jp
  • お問い合わせ先:info@epi-c.co.jp

日本中のクリエイターを元気にするメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP