職種その他2019.09.11

社会貢献を軸に、企業の広報代行を展開するPR会社

京都
コンセプトグラマー有限会社 代表取締役社長
Yuji Sowa
曽和 裕次

「ユニークな社会貢献」を軸に広報PR事業を行うコンセプトグラマー有限会社。常に社会を良くしようとする思いを胸に企業の広報担当として活動される様に強い信念を感じました。今回はそんな同社の代表取締役社長である曽和 裕次(そわ ゆうじ)さんにこれまでのいきさつや今後の展望のお話を聞かせていただきました。

広報経験を活かしてPR会社の立ち上げへ

 

 

まずは、起業するまでのキャリアを教えてください。

大学卒業後はテキスタイルの商社に入社しました。その後、先輩からデジタルハリウッド大阪校の立ち上げメンバーに誘われ入社しました。広報担当としてスクールの生徒募集や外部向けに会社のPR、取材対応などを行いました。もともと30歳には独立したいと思っており、8年ほどの経験を得て、32歳になったタイミングで退社し、「コンセプトグラマー」を立ち上げました。

独立を早い段階から決めていたのですね。

それは中学校2年生の頃から決まっていたことなんです。実は、60歳までの自分の人生を綴った「未来ノート」というのがありまして、当時に見たマンガ週刊誌に連載されていた『ウイングマン』の中で登場する、書いたことが現実になる「ドリムノート」からヒントを得て、その時に書き綴ったノートです。

実際に、転職のタイミングや結婚の時期、子どもの人数まで「未来ノート」に書いたことをそれまで実現してきたので、当然書いてある通り「30歳で独立する」と考えていたんです。

しかし、デジタルハリウッドの京都校が2000年に立ち上がり、統括責任者という役割をいただいたことで、すぐに離れることができず、気が付けは32歳を迎えていました。僕の中で「未来ノート」から2年も遅れるなんて、あり得ないことだったので、落ち着いたタイミングで満を持して退社し、独立の道を選びました。ちなみに、独立してから『ウイングマン』の作者である桂正和さんと仕事でお会いする機会があり、「未来ノート」にサインをしていただいたんです。

起業した際にどのような事業を考えていましたか?

当初は正直、独立することだけが決まっている状況でした。その中で自分がすぐに仕事として企業のお手伝いができ、対価を得られることは何かと考え、広報・プロモーションなら出来ると思いそれを事業にしました。

また広報を行う際に必ずWebや紙媒体のツール制作がついてまわるのですが、前職のデジタルハリウッドの卒業生にも手伝ってもらい制作の仕事もアウトソーシングしておりました。当時、Webプロモーションは重要でしたので基軸にしていこうと考え、PR代行をしながら制作も行うという一風変わった事業が成り立った要因だと思います。

事業を始めたときに苦労されたことはありましたか?

事業を始めてから、有り難いことにご紹介で仕事をいただけるようになりました。先にのべた広報PRの仕事にまつわる制作業務も多くなり、効率やクオリティを高めるためにクリエイターを社内に抱えた時期がありました。スタッフを抱え販管費と受注(売上)バランスをとることが難しいと感じる場面もありました。

現在は、プロジェクトごとにクリエイターを集結させチームを作って活動しています。現在の仕事は、新しい試みとしてオウンドメディアを企業のPRとして制作から運用までワンストップで行っている他、レンタルスタジオ兼キッチンスタジオを運営しています。そこでは、テレビ番組やCM制作をされる企業様向けに料理関係の撮影でご利用いただいております。

なぜキッチンスタジオをつくろうと考えたのですか?

きっかけは、就業前に1時間の朝活をすることでクオリティ・オブ・ライフ(※)を高めようという目的で、「京都朝げいこ」という朝活を展開しており、その中で料理を教えたいと考えました。以前はワーキングスペースを借りて活動していたのですが、料理を教える設備環境がありませんでした。そこで会社にキッチンスタジオをつくって、昼はレンタルスタジオとして貸し出しを始め、今では法人、個人問わず様々な方にご利用いただけるようになりました。

※クオリティ・オブ・ライフ:ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質

大切なのは、相手目線に立つことで共感を得ること

御社の強みについて教えてください。

実は京都の某神社で16年間広報の代行をしており、神社の広報室がこの事務所でした。テレビのマスコミ取材であるとか、雑誌の校正など全て社内でやっていましたが、今年(2019年)3月末で卒業させてもらうことになったんです。

だから、寺社仏閣の広報のノウハウはありますが、当時は独占契約であったため、他のお寺さんや神社とは契約できませんでした。雑誌にしても、テレビにしても、京都観光といえば寺社仏閣は必ずと言っていいほど取り上げられておりますが、そのマスコミとのリレーションには凄く太いパイプがあるにも関わらず活用できていませんでした。神道って日本独特の文化ですし、生活にも密着しているので、日本人にとってアイデンティティになっていると思います。

ただ、お祭りやパワースポットというような観光やイベントとしてお参りされる方が結構多いと思うので、もう少しどういう神様が祭られているのか、手を合わせることにどういう意味があるのかといった情報を、堅苦しくなく発信ができたらいいなと思っています。

現在は企業の広報PRを主にされているのですか?

そうです。他は純粋に制作もあります。Webサイトも制作会社がつくるサイトと何が違うかというと、広報とかブランディングに繋がる取材などに力をいれております。広告と広報って何が違うのかというと、宣伝臭くないものが広報なんです。視点も生活者の視点を大切にして、利用者、顧客の視点をもった面白い情報を提供していくというところが広告との違いで、なるべく宣伝色を出さないことで生活者の共感が得られるのではないかということを大切にしています。

また今はサイトのトップページではなく、皆SNSから各コンテンツのトップにやってきます。つまり入り口が昔みたいにトップページから見られるのではなく、記事から見られることが多く、トップページがたくさんある状態です。そういったところで入り口を増やしていくアプローチをさせて頂いています。だから、サイトを構成していくコンセプトや設計は制作会社と違ったスタイルでやっております。

現在、スタッフは何名在籍していますか?

社員は2名です。制作とかライター、カメラマン含めて全て外部に協力してもらっています。中に抱えてしまうと、得意、不得意が顕著に現れてしまいます。僕らのやる仕事ってジャンルも様々で、例えば分かりやすく言うと、ビジュアルの部分が「カッコイイ」のが得意な方と「カワイイ」のが得意な方とでやっぱり自分の方向性は出てくると思います。

そういう人達を適材適所でマッチさせていくことで、より良いものができるではないかと思います。逆にそういったフレキシブルなところが売りでもありますし、社内に抱えていない分、コストも安く提供できます。クオリティも僕らでコントロールしていきますのでそこは安心して頂けます。

経営者として大切にしていることを教えてください。

まず従業員を大切にしたいというのはあります。全従業員の物心両面の幸福の追求は僕のミッションになっており、経営の軸になっています。また、お客様に対しては「ユニークな社会貢献」というのが僕らのコンセプトになります。

企業の広報をしていくなかで共通して言えることは世の中のためになっていく物が広まっています。生活者への共感もそうですが、マスコミが取り上げたいニュースも社会貢献というか何かのためになっていることが多いと思います。独りよがりで自分勝手にやるよりは、社会が良くなっていく、これは大きなことだけではなく、例えば面白いことをいって相手が笑顔になるなのも一つの社会貢献です。

ちょっとした親切でも社会貢献と位置づけて、そこをユニークなアプローチで企画してやっていくことにより、その企業さんが社会貢献できて社会が良くなる。社会が良くなると企業も売上が上がりより良いサービスが提供できるという相乗効果をユニークな社会貢献として提供していきたいと考えています。

これからはマルチに活躍できる人材が必要

御社の将来的なビジョンを教えてください。

自分達がもっているリソースや得意分野を世の中に還元していかないといけないと感じています。新規事業としては寺社仏閣のPRもやりたいと思っています。今の事業の延長線でいくと、企業に制作物を納品するのは、フリーランスの方や派遣の方も含めた多様な働き方をされる方々の仕事を増やすことでもあります。その仕事が増えると僕らも嬉しいですし、その方々も嬉しいと思うんです。それが僕らの行っているユニークな社会貢献の一環でもあります。

「京都朝げいこ」もそうで、クオリティ・オブ・ライフを高めて、参加されている人達に喜んで頂くためにいろんな企画をしていて、今後も増やしていきたいです。自分たちができること、持っていることを使って、社会の困り事を解決していくことを続けていきたいです。

事業の拡大などはお考えではありませんか?

事業拡大は考えています。事業としては拡大していこうと思っていますが、どういう風なスタイルにするかはわかりません。お手伝いしていく仕事を増やすという意味では、プロデューサーやディレクター、企画系の営業担当を増やしていかないといけないかなとも思います。また京都はインバウンドのマーケットも大きいですし、海外から来日される方へどうPRしていくかというところも力をいれていきたいです。

当サイトをご覧のクリエイターの皆さんにアドバイスをお願いします。

今までは専門性の高い方が評価されて分業化されてきましたが、これからはマルチにワンストップで活躍できる人が重宝されると思います。例えばWebデザイナーさんもサイトに映像を組み込むことも増えており、動画の編集をする必要性も高まってくると思います。

広報をやっていて大切なことは、企業にどこまで深く関われるのかというところです。クライアントである企業が何を求めているのかを理解をするのにさらっとした打ち合わせでは把握できません。だから聞き出していく機会を増やすためにはたくさんの時間が必要になってきます。となると、たくさんの部分を関わっていく必要があるので、やはりWebデザイナーさんも映像編集もやってみるなど、プラスアルファで少し頑張っていただけると良いのではないかと思います。

余談ですが、会社としてもAdobeのソフトが扱える方向けに映像編集やカメラ撮影のセミナーもやっていこうと考えております。まとめると、得意な部分を深掘りしていくことも大切ですが、マルチに対応できることがこれから必要になってくると思います。

取材日:2019年7月22日 ライター:大垣 知哉

コンセプトグラマー有限会社

  • 代表者名:代表取締役社長 曽和 裕次
  • 設立年月:2004年9月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:(1)広報PR・コンサルティング(ブランディング)(2)ネーミング・ブランドロゴのプロデュース(3)プレスリリースの制作・配信(メディアリレーション)(4)広報PRイベントの企画・運営(5)ウェブサイト、広報誌、会社パンフレット制作(6)朝活プロジェクト「朝げいこ」の企画・運営(7)キッチン付レンタルスペース「karasuma BASE」運営
  • 所在地:〒604-8221 京都府京都市中京区錦小路通室町西入る天神山町277 K-an 5F
  • URL:https://conceptglamour.com/
  • お問い合わせ先:TEL)075-222-1132

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP