WEB・モバイル2021.08.25

不動産会社支援に特化したクラウドシステムで、沖縄で一番有名な会社を目指す「いえらぶ琉球」

沖縄
株式会社いえらぶ琉球 代表取締役
Tsukasa Arai
新井 つかさ
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日本でコンビニよりも店舗数が多いといわれる不動産会社。しかし多くの不動産会社は依然として「紙」での取引が主流で、IT化が進んでいません。そんな業界の業務効率化を図るべくシステムの開発や運営を担うのが、「株式会社いえらぶ琉球」。

代表取締役の新井つかささんは、約10年前に東京本社から単身沖縄に渡り、わずか1名から100名以上の社員を抱える企業へと成長させた強者(つわもの)です。

「沖縄で一番有名な会社になる」というビジョンを掲げ、社員と真摯に向き合いながら突き進む新井さんに、仕事の魅力やこれからの展望を伺いました。

 

 

入社一年後で支社長に抜擢

キャリアのスタートからお教え願えますか。

京都の大学を卒業後、大阪の不動産専門の広告代理店に就職しました。美大や専門学校出身ではないのにグラフィックデザイナーとして採用してもらって、主に新聞に折り込まれるマンションのチラシなどを作っていました。

 

デザイナーがキャリアのスタートだったとは驚きです。

そうですよね。未経験者を採用してくれる稀有な会社だったと感謝しています(笑)。

同時に不動産業界の魅力に気付きました。8名ほどの小さな会社でしたが年商は6億ほどあり、単純に「儲かる業界」だなと。

一方、当時リーマンショックが起こり、小さな代理店がどんどん倒産していくのを目の当たりにして、将来に不安も感じていました。

今後は紙のデザインだけでは立ち行かなくなるだろうと、Webの知識を付けるために社内Webデザイナーを募集している会社へ転職します。そこが、弊社の親会社でもある「いえらぶグループ」という新宿にある会社です。

 

いえらぶグループとは、どのような会社ですか?

「いえらぶCLOUD」という不動産関連情報のデータベースを基軸に、不動産事業者向け・消費者向けの様々なサービスを提供している会社です。そこでWebデザイナーとして1年ほど働いた頃、沖縄にデザインセンターを作ることになり、「立ち上げメンバーになりたい」と手を挙げました。

今思えば、入社1年程度の社員がよく選ばれたと思いますが、2012年から沖縄の支社長に就任し、2014年に現地法人化して「いえらぶ琉球」となりました。

 

デザイナーとして働いてきた新井さんが、いきなり会社運営を始めたというのが驚きです。最初から順調だったのですか?

全く順調ではありませんでした。当初社員は私一人。その後すぐに3人採用したものの、全員1か月半で辞めてしまう事態に。

そもそも私はそれまで社内で一番若手のデザイナーであり、後輩指導もしたことがありませんでしたので、人に対するマネジメントスキルは素人同然。その後もなかなか人が定着せずに、とても苦労しました。

 

どのように解決したのですか?

まず会社の目指す方向を共有することから始めました。弊社の事業である不動産業というのは、「衣食住」にかかわる業界の中で最も市場規模が大きく、伸びしろもあります。

不景気であっても住む場所は絶対に必要ですし、ストックビジネスなので安定して収益を出すことが可能で、事業領域の拡大も大いに望めるんです。

このような「不動産事業なら必ず会社は大きくできる」という認識を、他の社員も当然持っていると思い込んでいたんですが、実際は全く理解されていませんでした。

元々デザイナーだった私は、決して口で説明するのが得意なタイプではありませんでしたが、とにかく目指すべき方向を伝え続けた結果、共感してくれる社員が徐々に増え、2年後には離職率も減りだいぶ楽になりました。

 
 

一気通貫で不動産会社の業務管理をサポートする「いえらぶCLOUD」

事業内容について詳しく教えてください。まず事業の根幹となる「いえらぶCLOUD」とはどのようなサービスですか?

不動産会社の業務支援システムです。不動産会社は、賃貸や売買、集客、物件管理、顧客管理など多種多様な仕事を抱え、多くの物件や顧客の情報も持っています。ただ実は紙ベースでの取引がほとんどというアナログな業界です。

また不動産会社の多くは10人以下の中小企業なので、IT化を図ろうにも費用や人材が不足しています。それを安価にカバーできるのが、いえらぶグループが開発した「いえらぶCLOUD」。クラウド技術(インターネット上にある外部で保有するシステムから、ネットワーク経由で各種情報処理サービスを受けとる技術)を用いて、一気通貫で不動産会社の業務や情報を管理できるシステムです。

不動産業界の集客や顧客管理だけに特化したサービスは他にもありますが、全ての業務を同じシステムでできるものはなく、弊社の強みと言えます。

 

御社は「いえらぶCLOUD」事業の中で、どのような部分を担っているのですか?

創業時はサービス全体のWebページ制作や、導入いただいている不動産会社のWebサイト制作がメインでしたが、徐々に事業領域が広がり、今は導入後のコンサルティングやSEOを主軸にした集客支援も行っています。
 
 

社員との積極的なコミュニケーションでモチベーション維持

「沖縄で一番有名な会社を創りたい」というビジョンを掲げられています。その思いを教えてください。

まず不動産業界は伸びしろが非常に大きいからこそ、この夢は不可能ではないと確信しています。その思いをキャッチーで分かりやすくうたうことで、社員が共有しやすくなります。

さらに採用時にはこの夢に共感する人が必然的に集まり、夢を持って仕事に取り組めるような、ワクワクする雰囲気が醸成していくと思っています。

 

実際に意欲的な社員が集まっていますか?

そうですね。ほとんどの社員が新卒採用なので不動産業界は未経験ですが、どんどん新しい仕事を吸収して成長しています。

沖縄では成長意欲の高い人は、よりやりがいのある仕事や高い給与を求めて、県外に出ていってしまう傾向があります。しかし地元でもスピーディーに成長できて稼げる場所があれば、その問題は解消できるはずです。

弊社の取引先は全国にいますので、仕事のスピード感や内容も首都圏と変わりません。困難な仕事も多いですが、その分成長できる環境だと自負しています。

 

新卒社員への教育で力を入れていることはありますか?

仕事はOJTを主軸にして教育していますが、若い社員は仕事上の不安を抱えることもあり、メンタルケアにも注力しています。部活やサークル活動で交流をはかったり、週間のMVP制度を導入したりと、モチベーションアップは欠かせません。特にMVP制度では自分のチーム以外の社員がどんな活躍をしているのか見られるうえ、賞与や昇給にも反映されるため、いい発奮材料になっているようです。

とはいえ今はリモート業務が多く、MVPの副賞である「叙々苑会食」になかなか行けませんし、顔を合わせられないので社員の気持ちが下がることも……。

そこでオンライン上で盛り上げてくれた社員に「月間挨拶賞」を贈っています。なんとかコミュニケーションを密に取れるよう心がけています。

 

最後に、これからの展望を教えてください。

今まで営業は本社で担っていましたが、今後は沖縄にも営業部などを作り、自社でも積極的に顧客を拡大していきたいですね。

他にも新しい事業や商品開発を計画していますので、引き続き売上を伸ばし、スローガンの通り「沖縄で一番有名な会社」を目指します。

また個人的なライフワークでもある「沖縄の社会問題である子どもの貧困解消」にもアプローチしたい。そのためにも、まずは会社の体力をしっかりと作りたいと思います。

 

取材日:2021年7月13日 ライター:仲濱 淳

株式会社いえらぶ琉球

・代表者名:新井つかさ
・設立年月:2014年1月
・事業内容:Webコンサルティング事業、ホームページ制作事業、Web集客事業
・所在地:900-0005 那覇市天久795-3番地 いえらぶ琉球ビル
・URL:https://www.ielove-ryukyu.co.jp/
・お問い合わせ先:098-860-2080 https://www.ielove-ryukyu.co.jp/contact/

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