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史上最もアクティブなボストン・ダイナミクスのロボット、日本での活躍に期待!

Vol.120
Dig it! NYC 藤井さゆり

 

二足歩行のロボットが、階段を登っていったり、丸太を飛び越えたりー史上最もアクティブかつ革新的なロボットを開発する「ボストン・ダイナミクス」。

 

過去に、ユニークな動きと「ロボットいじめ」でバイラルビデオとなったボストン・ダイナミクスが、先日、新しいビデオを公開しました。

 

Parkour Atlas

BostonDynamics - Youtube

 

着目すべき点は、75kgもある二足歩行のロボットに自律でこういった動作をさせることが可能であること。また、反動を付けながら軽々と階段を登っていったり、丸太を飛び越える時に手を広げたりする姿が人間っぽいですよね。

 

UpTown Spot

BostonDynamics - Youtube

 

こちらは、四足歩行のロボット「SpotMini」。ブルーノ・マーズのUp Town Funkに合わせてのダンス。ムーンウォークや腰フリフリのしなやかな動きに目が奪われます。

 

Spot Robot Testing at Construction Sites

BostonDynamics - Youtube

 

「SpotMini」が東京で竹中工務店とフジタの建設現場で、商業用途としてのテストを行っている様子を移したもの。カメラ付きのアームが装着され、階段を登ったり降りたりと、建設現場をくまなく調査しています。

 

「ボストン・ダイナミクス」は1992年、マサチューセッツ工科大学(以下MIT)にあるナショナル・エンジニアリング・アカデミーのメンバーであったマーク・レイバートと彼の同僚たちにより、MITからの分離新設という形で始められました。

 

2013年には、Googleがボストン・ダイナミクスを買収しましたが、Googleの親会社であるアルファベットが「開発が10年かかるものに30%ものリソースをそれに費やすことはできない」として、ボストン・ダイナミクスが採算の合うロボットを開発できなかったことにより、2016年3月には売りに出されていることが明らかに。

 

そして2017年6月、ソフトバンクに買収されることが発表(2018年に入ってから買収が完了)。ソフトバンクはロボットの研究開発を行う日本のベンチャーである、株式会社SCHAFT(シャフト)も同時にGoogleから買収し、また、ヒューマノイドロボットPepperを主力商品にしたソフトバンクロボティクス株式会社を所有しており、ソフトバンクのロボティクス事業への本気度がわかります。

 

ボストン・ダイナミクスがソフトバンクグループになったことにより、上記のビデオである竹中工務店とフジタの建設現場での「SpotMini」のテストが実現されたのでしょう。

 

また、冒頭で触れた、ボストン・ダイナミクスが有名になったキーワード「ロボットいじめ」。「ロボットいじめ」とはどんなものかというと、以下のビデオを見て頂けるとわかると思います。

 

この「ロボットいじめ」は、開発者スタッフによるトラブル対峙のためのテストとして行っていることは十分承知しているのですが、これを見ると心が痛みます…

 

Testing Robustness

BostonDynamics - Youtube

 

Introducing Spot

BostonDynamics - Youtube

 

BigDog Overview (Updated March 2010)

BostonDynamics - Youtube

 

このビデオを見て心が痛んだ方がたくさんいるかもしれませんが、気を取り直して、創始者のマーク・レイバートによるTEDでの講演をご覧ください。日本語字幕で見たい場合には、設定で字幕を日本語にしてください。

 

Meet Spot, the robot dog that can run, hop and open doors | Marc Raibert

TED - Youtube

 

講演の中で、いくつか興味深い点がありました。

 

ロボット設計についての専門的な話に始まり、トラブルを回避し、計画通りに目的を実行できる自律的なロボットを開発する、ということの難しさ。

 

また、ロボット開発は、ソフトウェアとハードウェア、そして動作面の総合的な設計をすると真の調和が生まれ、それらの部分がうまく作用するという理論。

 

そして、ロボットの記録データやシュミレーションからどんな負荷や動作がかかるのかといったことを把握して、ロボットを支える各パーツ部分が3Dプリンティングで設計されているということ。それによって、動物的な動きも可能となったという点。

 

SpotMiniのデモンストレーションでは、ロボットには人が操作するコントローラーで大まかな指示が与えられているが、脚の動きの調整などはロボットに搭載されているコンピューターが制御している点。さらには、spotMiniにはカメラが内臓されており、動的にバランスを取りながらカメラを使ってリアルタイムで視覚を使い、「歩くべき場所か否か」をコンピューターが判断をして動作を行っているということ。

 

特に「ロボットいじめ」ビデオを見た後では、二足歩行のAtlasくんがやってしまった失敗のシーンや、SpotMiniがソーダを取りに行くシーンにホッコリしますよね。

 

数年前にボストン・ダイナミクスのビデオを見た時は、「ロボットいじめ」が衝撃で、「卓越した技術」についてが入ってきませんでした。それに、機械が詰まった重苦しく不恰好な外見でしたので、興味が湧かなかったというのもあります。

 

しかし、今回公開されたビデオでは、装いも新たに、丸太を飛び越えるAtlasや、ダンスするSpotMiniの愛くるしい動き、そして、開発者たちの情熱、ロボット開発の奥深さに、もっとすごいことをしてほしい!と応援したくなりました。

 

TEDの講演の最後の質疑応答で「ロボットはこの他にどんなことに使えそうか?」という質問に対して、マーク・レイバートは「1年前に福島に行って現場視察をしてきたが、汚染された場所にロボットを送り込んで、修復作業を支援するといったニーズも非常に大きい。」と答えています。ソフトバンクがボストン・ダイナミクスを買収したことにより、今後、主に日本での活躍が多くなりそうですよね。何より福島での修復作業の支援が早く実現されることを切に希望します。

 

(参考元)

 

BostonDynamics Youtubeチャンネル

https://www.youtube.com/user/BostonDynamics

 

BostonDynamics

bostondynamics.com

 

thenextweb.com - It’s no wonder Google sold Boston Dynamics to SoftBank

https://thenextweb.com/google/2017/06/09/its-no-wonder-google-sold-boston-dynamics-to-softbank/

 

wired.co.uk - Google is putting Boston Dynamics up for sale

https://www.wired.co.uk/article/google-selling-boston-dynamics

 

SoftBank Robotics

https://www.softbankrobotics.com

Profile of 藤井さゆり

藤井さゆり

東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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