WEB・モバイル2013.11.06

覆面グラフィティアーティストBanksyがNYCに!

Dig It! NYC Vol.61
Dig It! NYC 藤井さゆり

10月1日〜31日までの1ヶ月間、イギリス人のグラフィティアーティスト、Banksy(バンクシー)がNYCを訪れ、街のいたるところに作品を残していきました。

Banksy

Banksyはその作品が1億円以上の高値で取引されるほどの人気のアーティストですが、本名非公開、覆面での活動、有名アーティストや大企業から受けたオファーを断る、有名美術館に自分の作品を勝手に展示してしばらく気付かれなかった(←非常に笑える!)など、常にゲリラ的に活動をしているアーティストです。

今回のNYCでの活動は「Better Out Than In」(中より外)というプロジェクトで、全ての作品は公式サイトbanksyny.comとインスタグラムinstagram.com/banksynyで見ることができます。

期間中、“NYCという大規模なギャラリーを会場に、入場料なしで”様々なアートを展示してくれました。

10/1 Manhattan

10/1 Manhattan

10/5 All City

10/5 All City

10/14 Queens

10/14 Queens

10/17 Bed Stuy / Williamsburg(ブルックリン)

10/17 Bed Stuy /
Williamsburg(ブルックリン)

10/18 West 24th street(マンハッタン)

10/18 West 24th street
(マンハッタン)

10/21 South Bronx(ブロンクス)

10/21 South Bronx(ブロンクス)

10/24 Hell's Kitchen(マンハッタン)

10/24 Hell's Kitchen(マンハッタン)

10/27 Greenpoint(ブルックリン)

10/27 Greenpoint(ブルックリン)

彼のアートは基本、いたずら心満載であり、時には皮肉や風刺的なものがテーマになっています。グラフィティアートの他、物議になりそうなアートワークも残していきました。

the New York Times

「新しいワールドトレードセンターは最悪だ。いや、最悪ならまだ面白い。つまらない。面白みがない。まるでカナダに建てられたようなもの。」とBanksyが揶揄したコラムがニューヨークポスト紙に掲載されたかのように作られたもの。実際にBanksyはこのコラムをニューヨークポスト紙に提供したそうですが、掲載されなかったようです。

10/13 Central Park

10/13 Central Park

 

※店番をしているおじいさんはBanksyではありません。

突然、この日一日限りで、セントラルパークに登場したBanksyのスプレーアートの露店。Banksyのスプレーアートが1枚60ドルで売られています。事前の告知などはなく、通行人は気にも留めず通りすぎていきます。結局、この日は420ドル、6枚の売り上げのみ。 Banksyの作品は1億円以上の高値で取引されるほどのものですから、このスプレーアートも実際にはかなりの高値が付くはず…。知らないで買った人は超ラッキー。一説によると、Banksyは自分の作品が高値で取引されているのを快く思っていないとか。 そういったアートビジネスに疑問を投じたかったのかもしれません。

10/16 All city – McDonalds

10/16 All city – McDonalds

 

ローワーイーストサイドにあるマクドナルド前で、ドナルドの靴磨きをする生きた少年というアートを実施。

その後、警察に咎められ、ドナルドも靴磨きの少年も退去させられたもよう。

BanksyのFacebookページを見てみると、彼のアートを必ずしも快く思っていない人が結構いることがわかります。

10/14のQueensで残した彼のアートは、その後、他の誰かによってこのように変わっていました。

13

facebook.com/BanksyBook

ニューヨーク市長であるブルームバーグ氏から「彼のアートは落書きだ」と発言があったり、Facebookでの批判的なコメントや彼のアートを塗りつぶすなど、ネガティブな反応をする人たちもたくさんいるようですが、そういった全てのリアクションがBanksyの思惑通りのような気がしてなりません。彼のアートを台無しにするため上書きされたペイントでさえも、彼のアートワークになっているような…。もしかしたら、人々が話題にすればするほど、その状況を楽しんでいるのかもしれません。

Banksyのアートは普通の人はマネできないけれど、表現方法として気付かせられるものがありました。自分が面白い!と思ったものを淡々とやってるだけに過ぎないのかもしれませんが。

NYCにいらした際には、ぜひBanksyの生アートを見に行ってみてください。(注:消されている可能性もあります)

※編集部注:今回のコラムの画像・動画はすべてbanksyny.comfacebook.com/BanksyBookより

Profile of 藤井さゆり

藤井さゆり

東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
Foxylilly.com
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