クライアントの強みをトータルコーディネートする 企業ブランディングを提案

仙台
株式会社 アカデミアリンクス 代表取締役社長 庄司誉幸氏
映像制作・デザイン制作・販売促進・教育、学習事業(研修)を展開する株式会社 アカデミア リンクスは、宮城県仙台市で2014年に開業した会社です。代表取締役社長の庄司誉幸(しょうじ たかゆき)氏は、クライアント自身がまだ気づいていない自社の強みを見つけ、他社との差別化を図れるようにトータルコーディネートすることで、クライアントのその先にいる消費者に選ばれ続けるような企業ブランディングを提案しています。穏やかな人柄の中にも、常に一本筋が通った方向性を示す強さを持ち合わせている庄司社長。その強さの原点や企業ブランディングにかける思いについて、語っていただきました。

震災を機に起業 制作事業から研修事業まで幅広く展開

株式会社 アカデミアリンクス

まずはこれまでの歩みについて、教えていただけますか?

私は工業高校を卒業した後、町工場に2年ほど勤めました。その後仙台市の市営地下鉄のメンテナンスを行う企業へ転職し12年ほど勤めたところで東日本大震災に遭い、これからの人生について考えるようになりました。そこで「自分が得意とする分野で活躍したい」と思ったのが起業のきっかけでした。最初はエステティックサロンの運営とブランド品や家電の卸売りをする会社を立ち上げ、資金を作って、次のステップとして映像とグラフィックを制作する当社を2014年に立ち上げました。実は高校時代からずっとバンド活動を続けていて、その中で自分たちのバンドのステッカーやTシャツなどをデザインしていたんです。そんなことから、いつか制作の仕事を本業にしたいと思っていました。

ホームページも目を引くデザインですね。

ありがとうございます。キレイ・カッコイイは標準クオリティだと思っています。ただ、何か「違う」と思っていただけるようなものを作りたいと思っています。それが私たちのこだわりでもあります。

現在の事業内容についてご説明いただけますか?

現在、制作事業と研修事業を展開しており、制作事業としては映像制作・デザイン制作・販売促進、教育事業としては教育、学習事業を行っております。クリエイティブ関連の事業はその名の通りですが、教育、学習事業に関しては、キャリア形成促進助成金制度を受ける方々向けにWebマーケティングの講習を行っています。対象者は中小企業の経営者の方々が多いですね。

※労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、 雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための職業訓練などを計画に沿って実施した場合や人材育成制度を導入し、労働者に適用した際に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。

Webマーケティングの講習について、詳しく教えていただけますか?

私の場合、「ホームページってなぜ必要だと思いますか?」という質問を投げかけ、答えられない方々に講習の必要性をお伝えしています。Webマーケティングというと、売り上げを伸ばすことにフォーカスされがちですが、例えば、自社ホームページの求人欄を活用して確かな人材を定着させることや、IT技術を使って情報を収集し活用するITリテラシーという知識レベルの向上を図ることで、効率化にも役立ちます。24時間稼動するWebマーケティングを活用すると人材不足も解消できますし、副産物が多いものです。まだまだ仙台ではWebマーケティングを活用している企業は多くありませんし、キャリア形成促進助成金制度をご存じではない方も多くいらっしゃいます。今後、私自身も中小企業様にこういう制度があるということを発信する機会を設けていかなくてはと思っています。

「高い・遅い・うるさい」も強みに企業をブランディング

お取引先としては、どのような企業が多いのですか?

養豚場や農家(農協から独立された)などの一次産業が多いですね。私たちは、価格競争に巻き込まれないため、クライアントの商品が指名買いされるような、商品の特性が輝くエッセンスを混ぜながら、企業ブランディングを意識して制作物を仕上げることを大切にしています。

制作物を作る上で、こだわっているポイントは?

まず、クライアントには、「ああしたい、こうしたいというご要望は受け付けません」と、冒頭でお伝えしています。すごく傲慢に感じられますが、これには理由があります。以前、当社を立ち上げる前に、あるクライアントのチラシを作り、実際に商品を購入するFAX用紙を添えました。ところが申し込みがゼロで、自分ではとても自信があったので、なぜ注文が来ないのか理解できず、改めてチラシを見直した時に初めて、「安い」「うまい」「すごい」ばかりを強調していて商品の良さが全く伝わらないことに気づきました。自分はクリエイターとしての意見や考えを反映せず、クライアントのオーダーに沿うだけの制作物を作ることで、良いものを作っていると思っていたんです。ただただクライアントの意見を反映するのではなく、企業ブランディングを行わないと本質的な結果は生まれないと思いました。時には社長様とぶつかることもありますが、私は社長様ばかりに向き合っていてはいけないと思います。クライアントがターゲットとしている方(お客様)の側を伴走してこそ、結果を生む広告が作れると思うのです。

御社の制作事業における強みはなんでしょうか?

「高い・遅い・うるさい」料金は高く、納期は遅く、よく口を出すという意味です(笑)。おそらく制作時間は他社様と変わらないと思いますが、制作に取りかかる前のヒアリングにたっぷり時間をかけています。そして、全体のプロモーション企画を出して、今回の制作物(名刺・チラシ・Webページなど)とスケジュールをご提案させていただき、ご予算の範囲を伺いながら、実際に作るもの、作らないものを一緒に決めていきます。Webページだけ作っても、それに対する導線がないと勝手な方向に独り歩きしてしまうと思います。責任を持ってトータルブランディングを行うので「高い・遅い・うるさい」ということになります。ですので、初めてお仕事をいただいた時にはそれらを初めにお伝えして、それでも良いという場合は精一杯お手伝いさせていただいております。実は、ずっと弱みだと思っていた部分ですが、ある時、これは全部強みなんじゃないか?と考え方を切り替えるスイッチが入って、今では強みとして打ち出しています。

会社経営においても、お取引先に対しても、しっかりとした方向性を示されていますね。

そうですね、方向性を示すことの大切さは、過去のバンド活動経験で学びました。例えば、普通の高校生がバンドを作ろうと考えたら、サークル内から人を集めると思いますが、私はより広い範囲から人を集めたいと考えて、CDショップの掲示板に「ドラム・ベース募集」と紙を貼ってメンバーを募集しました。SNSの走りである『mixi』が登場してからは、バンドメンバーを気軽に募集できるようになったのですが、掲示板の時代と同様に応募してくれた人と実際にお会いして、自分たちのバンドの方向性を示していました。実はこれって、会社経営となんら変わらないんですよね。「俺らはこういう方向に行くんだよ」とくっきり示すことで、集まってきた人に同じ方向を向いてもらえるんですよ。なので今になって、あの時バンド活動をしていて本当に良かったと思っています。

「個」が活躍してこそ、未来に対応できる社会に

実際に起業してみていかがでしたか?

株式会社 アカデミアリンクス

本音で言うと、辛い部分が多いですよね(笑)。地下鉄のメンテナンスを行う企業に勤めていた頃は、線路があれば仕事はなくならないという安定した職でしたので、何も心配ありませんでした。その一方で、自分がとても生ぬるい世界に甘えて、ダメになっていくような気がしていました。東日本大震災を経て、自分でも役に立つことはないかと思って起業を決心しましたが、12年間も企業に勤めていて、何も後ろ盾もなく、最初の頃は驚きと失敗の連続でした。大変なこと以上に良いこともあって、それは付き合う人が拡がってきたということです。企業の経営者や個人事業主など、自身の目的意識を持って好きなことをやっている方に、たくさん出会えるようになったのが、とても良い刺激になっています。私の目標とする世界観の中に「依存型の社会をなくす」という考えがあります。もちろん、企業に属している方を悪く言っているのではなく、これからは『個』が力を身につけていかないと、対応しきれなくなる時代が来ると思うのです。当社と一緒に仕事をしているクリエイターたちも同じ考えを持った同志です。仙台市は「日本一起業しやすい街」を目指していて、実際に個人が起業しやすい街としてランキングの上位を飾っていますが、同時に起業後の中小企業の廃業率も高い都市です。これは、起業した方々へのサポートが行き届いてないという結果でもあるので、私自身も頑張りながら、中小企業が生き残るためのブランディング戦略に力を入れていきたいですね。

それでは今後の展望についてお聞かせいただけますか?

制作事業と研修事業は互いにリンクしているので、これを多角的・多方面へ進めていきたいですね。さらに、人の付加価値になるものに、より力を入れていきたいと思っております。それが何かというと、個の能力を養うための人材育成などにあたるので、幼児向けの学習塾などの事業も視野に入れています。

最後に起業を考えているクリエイターの方たちにメッセージをお願いします。

起業を考えている方に伝えたいのは「近道は遠回り、遠回りは近道」という言葉です。近道だと思ってやることは意外と遠回りで、遠回りだと思っていることは意外と近道だったりします。特に若い方ですと、効率を求めがちだと思いますが、たとえばアナログであったり、見えない部分であったり、そういうところに実は重要なヒントが隠れていることもあります。SNSがどんなに普及しても、人と人のコミュニケーションが希薄になってはいけないし、むしろ深めていかないと意思の疎通ができません。頭で考えてダメだと思ったから出来ないという傾向になりがちですが、頭の中で判断するには限界がありますから、行動を起こしてその結果を持って、次にまたトライしていくのが良いと思います。もし失敗しても、結果は経験値になりますし、箔がつくこともあります。自分にしかないストーリーが出来上がるので、まずは行動してみてくださいね。

取材日: 2016年11月10日 ライター: 桜井玉蘭

 

株式会社 アカデミアリンクス

  • 代表者名(よみがな) :  代表取締役社長 庄司誉幸(しょうじ たかゆき)
  • 事業内容 :  映像制作・デザイン制作・販売促進・教育、学習事業
  • 所在地 :  〒982-0006 宮城県仙台市太白区東郡山 2-48-7 TEL. 080-4119-1843
  • URL :  http://academia-links.co.jp/index.html

TAGS of TOPICS

続きを読む

インタビューをもっと見る

TOP