社長になりたいと言う人がいれば 今すぐ社長の座を譲ります

大阪
株式会社ニューロン・エイジ 代表取締役 石塚昌博氏
 
有名タイトルをはじめ、さまざまなゲームソフトを開発し、業界ではトップクラスのニューロン・エイジ。今回はその代表取締役石塚昌博氏にインタビュー。イメージは豪放磊落、しかし経営者として冷静沈着な面を持ち、人を惹きつける話力、それは話芸とも言える「しゃべくり」で、ご自身のことを含めて会社やゲーム業界のことを語ってくれました。

社員一丸となった「バイオハザード0」が、飛躍への一歩

会社を立ち上げるきっかけを教えてください。

広告代理店の営業マンから印刷会社の見習いに。そして塾講師をやりながらCGの専門学校へ通い、スキルとキャリアをつけるために就職することだと思い、IT関連の制作会社を渡り歩いたんですね。業界のノウハウを知ることはできました。けれど、そこで気づいたのがクリエイターがクリエイティブな仕事をしていない、ということだったんです。それなら、自分で会社を立ち上げて、クリエイターがクリエイティブな仕事をできる環境を作ろうと思ったんです。ちょうどプレステ2が発売されて、3Dがゲームとして描画ができる、ニーズとしてわれわれの腕が求められたときだったのです。

創業以来、会社としてもっとも困難だったことは何ですか?

一概に困難と言っても見る側面によって違うと思いますが、会社としてやはりたいへんだったのは「バイオハザード0」を手掛けたことだと思います。2000年の12月、僕は「バイオハザード0」の話は聞いていたのですが、社員には言えなかったんです。ひと仕事終えた年末、バイオの話をして意気消沈したらどうしよう?と。せめて正月はゆっくり休んでリフレッシュして欲しいと思い、年明けに「バイオハザード0」の仕事を発表をしたんですね。すると社員からは「待ってました」と言う声が。うれしかったですね。一番おびえていたのが僕だったのですが、社員が頼もしく思えました。社員の「やるぞ」と言う意気込みが伝わりました。ただ、現実には別のソフトも手掛けていて、同時進行で「バイオハザード0」にも取り組まなくていけない、人材のアテンドなど苦労はありました。また求められるクオリティーに応えなくていけないプレッシャーも。社員のモチベーションを上げ続けていかなければ、いい仕事はできない。小さい会社だからやっぱりダメだとは言われたくない。ここで負けられへんと思いましたね。この仕事に社運がかかってましたから。

どのように社員のモチベーションを上げて乗り越えたのですか?

基本的に仕事のことは仕事でしかモチベーションを上げることができないと思っています。だれひとり欠けてもこの仕事はやり遂げれない。褒めたり、叱咤激励はもちろんなんですけど、僕が彼らによく言うのは「終わらない仕事はない、どんな仕事でもいつかは終わる」。そしてクオリティーの高いいい仕事をすれば、それが自信につながるんですね。結果的にはうちが先導する形で製作することができました。あのとき、僕は最後の誰かが帰るまで、毎日会社に残ってましたね。今では早々に「お先に」って退社しますけど。社員もその方がいいみたいだし(笑)。

コンソール・ゲームはなくならないが、市場は海外へ

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ゲーム業界についてお聞きしたいのですが・・・。

コンソール・ゲームの市場が縮小してきて、3000億円を割っています。急速なスマホの普及率によるのですが、SNSゲームがクロスオーバーして超えていくのが、予想より4年くらい速いスピード感ですね。けれどコンソール系のゲームがなくなるかと言うとなくならない。縮小したものが今後爆発的に拡大することは考えにくいけれど、今あるπ(パイ)のなかで、お客様を大切にして求めているものを提供しなければいけないと考えています。また、新しい流通経路の早急な確立も必然でしょう。これらはテクノロジーと潮流で超えていくのでしょうけど。

ニューロン・エイジとしての今後の展開は?

物理的なビジョンでは売り上げ目標は10億円、毎年コンスタントに。これはクリアしています。われわれの産業は性質として、人が増えれば売り上げが伸びるわけですが、それでも12億がアッパーだと。それ以上やることはビジネススキルとして間違えてる、上場でもしない限り破綻すると思います。 ITはやりたい放題でやったもん勝ちなんですね。だから、自分たちのオリジナルで当てるまでやり続けると言うのもひとつの方法ですし。ただそれでも大幅な飛躍はないと思うので、自分たちのコンテンツをもう少し広げて、今、アジアへ進出しています。

海外メーカーとのコラボも?

そうですね。スマホの普及率が日本より断然高いアジアに向けて市場を拡げていくべきだと考えています。わかりやすいテクノロジーの一端として、スマホが同じシステムを使った機器と言うだけでなく、スマホを生活にどう密着させていけるのか、アナログとして結び付けていけるのではないかと考えています。また、タイやシンガポール、マレーシアなど、アジアでは国策としてITコンテンツを作れる会社を積極的に誘致してる国はたくさんあります。

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会社はまだ基礎構築、成熟までがんばってくれる人材を

社長はポジティブシンキングですよね、それは幼少の頃からですか?

僕は自分のことをポジティブシンキングだとは思ってないです。逆に軽率にポジティブシンキングな言葉を発するのはイヤなんですね。実利を伴っていないと。僕自身は誰よりも利に敏いのだと思います。それは、父も祖父も起業家で、経営者一族の子供として利益を生むとはどう言うことかを体感しながら育ちました。祖父は松下幸之助さんと知り合いで、ある日たまたまお会いした幸之助さんから「おじいさんのような人になりなさい」と言われたんですね。その言葉は今でも、僕が会社経営をしていく上での礎になってるんです。

社員からどのように評価されていると思われますか?

経営者としてお金を潤沢にくれる人はいい人で、成長曲線を描いてる会社はええ会社でええ社長やとみてくれてるのではないでしょうか?その点では及第点をもらえているのではないでしょうか?(笑) また、経営者として特色のある僕自身のカラーを持たなければならないと思っていますし、社員に近い存在でいたいですね。

特色と言えば、話が上手ですよね?まるで高座を聞いてような(笑)。

僕はアルバイトで塾講師をしてたのですが、塾再生請負人って言われたんですよ(笑)。生徒数が5人くらいに減って傾きかけてた塾を250人くらいまでに増やしたことがあります。生徒集めにあらゆることをしました。着ぐるみ着てチラシ配りしたり。また、生徒に僕の話を聞かせるためには、つかみが大事やと。落語や話の上手い芸人のテレビ番組を毎週録画したり。実は僕は落語家か映画監督になりたかったんです(笑)。

現在のニューロン・エイジについて語っていただけますか?

公明盛大にうちの会社は「こうです」って言うのはどこかウソっぽくてイヤなんですけどね(苦笑)。あえて言うなら、今はまだ土台が築けてないと思います。基礎構築にはまず人材の育成ですね。それが難しいです。会社説明会で「御社のビジョンは?」と聞く学生がいます。ビジョンとは売り上げで、そのための手法は会社としては秘策ですよ、それを公の場で話すわけにはいかないんですよね(苦笑)。こんな判で押したような質問する学生はうちではお断りさせていただいています(笑)。会社の成熟までがんばってくれる人が欲しいですね。今、社長になりたいって人がいたら、すぐにでも社長の座を譲りますけど(笑)。

取材日:2013年3月27日

株式会社ニューロン・エイジ

  • 代表取締役:石塚昌博
  • 創業:平成11年11月11日
  • 事業内容:
    • ゲームソフトウェアの企画・製作
    • コンピュータグラフィックスの製作
    • マルチメディアソフトタイトルの企画制作
    • Webコンテンツの企画制作・提供
    • 展示映像・VPの企画・製作
    • パッケージソフトの企画・製作
  • 所在地:大阪本社/大阪市中央区淡路町1-6-9 ORE堺筋本町3F
  • TEL:06-6201-7188
  • FAX:06-6201-7189
  • URL:http://www.neuron-age.co.jp/
  • お問い合わせ:上記HP「お問い合わせ」より
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