ドローン空撮、映像編集、Web掲載、VRまでおまかせ!アドネット九州二代目社長が紙媒体の次に打った手とは?

福岡
株式会社アドネット九州 代表取締役
Yuta Kitahara
北原 雄太

アドネット九州は平成10年に法人化。長きにわたり旅行会社や鉄道会社のパンフレット、カタログといった紙媒体を中心に事業を展開してきました。2019年、創業者である父親から会社を引き継ぎ、新たなリーダーとなったのが現・代表取締役の北原雄太(きたはら ゆうた)さん。世の中がペーパーレス化していく中、生き残りをかけてドローン空撮やVRなどを取り入れ、Web関連の制作も始めたのだとか。今回は北原さんに、会社を継ぐことになったときの思いや会社の未来像、仕事に対する考えなどを詳しく伺いました。

 

「新しいことをやれ」前社長から舵取りを任されて

会社を継ぐことになった経緯を教えてください

アドネット九州は、もともと紙媒体中心の制作会社に勤めていた父親が独立して作った会社です。旅行代理店の窓口に、ズラっと並んでいるパンフレットを中心に制作してきました。

僕自身は大学を卒業してから、畑が違う重機レンタルの会社で営業の仕事をしていて。転勤族で、福岡、神戸、大阪、最後の京都では営業所を任されていたんですけど、父親が病気に……。

「後継者がいない!」ということで福岡に戻ってきたんです。もともとは継ぐつもりはありませんでした。親子関係で会社に入ると「社長の息子」という目で見られるのが嫌でしたから。ただ、そのときは結婚して子供が生まれたタイミングだったんです。実際子供を育てるのは大変で。僕の実家は福岡、妻の実家は宮崎で、関西に住んでいると周りに頼れる人がいなかったというのもあって、こちらに戻ってくることにしました。

当時はどんなお気持ちでしたか?

もちろん葛藤はありました。前職では実績も出していて、楽しくやっていたので。年収も下がりましたし。前職の会社は、中小企業ではありましたが、売上は2桁くらい違いました。会社の規模が小さいため、社員全員の生活を支えていくことに、プレッシャーも感じましたね。

最初にどんなことから取り組まれたのでしょうか

2018年の10月から社員として働き始めました。紙媒体の市場ははどんどん衰退していて、今後伸びることはないのが目に見えていました。当時主力だった旅行のパンフレットはどんどんWebに移行し、ペーパーレス化していました。

父からは「これからは紙じゃない、新しいことをやれ」と言われて。「何を?」と言っても「新しいことをやれ」しか言われなかったので、何ができるんだろう? と、最初は地獄でした。

いろいろ考えたのち思いついたのがドローンで、合わせてWeb事業部も立ち上げました。

社内にドローンを操縦される方がいらっしゃるんですか?

はい僕です。学校に行って、ドローン操縦士の資格を取りました。今はまだ操縦に資格は必要ないんですが、将来的に免許制になるでしょう。また実際商売でやる場合は、資格があって保険に入っていたほうが取引してくださるお客さまも安心だと思うので。

ドローンは、僕が前職で重機を運転していたので挑戦しやすかったんです。重機の操縦の感覚はドローンに通じるものがあり、かなり役立ちました。

ちなみに映像編集も僕がやっています。撮影や編集のスキルは独学で。CMを見て「ああ、こういう編集をしているんだ」とか、いろんなYouTuberの編集動画を見て勉強しました。

営業の仕事だったのに重機の操縦までできるんですね

営業所にある重機を移動させないといけなかったので。ショベルカー、キャリアダンプ、高所作業車、フォークリフトとかの免許を持っています。他にもガス溶接など、前職のときに資格を結構取りましたね。

操縦以外に、前職で得たどんなことが今の仕事に役立っていますか

生産性と効率を考えられるようになれたこと。新入社員のとき、当時の支店長から先を考えて行動することや、お客さまに対する接し方、営業をする際のノウハウなどいろいろ教えていただきました。会社員のときに学んだことは大きかったです。

また、トラブルや失敗も経験したので、ちょっとのことでは全く動じなくなりました。トラブルシューティングがちゃんとできるようになりましたね。

 

2020年7月、コロナ禍で社長に就任

コロナ禍で事業に影響はありましたか

以前は、レギュラーで旅行関係のパンフレットが、閑散期、繁忙期と分かれて年に2回ずつありましたが、コロナが広がりだした頃にそれがほぼゼロになりました。

売り上げの柱となっていたものがコロナウイルスの感染拡大の影響で倒れていって、社員を食べさせていくための仕事を取ることが大変でしたね。今は、新たに始めたドローンとWeb事業が主力になってきています。

あとはアパレル関係のECサイトのモデルを募集したり、撮影からサイトを制作したり、ライブ配信者の育成なども始めました。

最近はコロナが落ち着いてきて、ホームページの制作やドローンの依頼を定期的にいただけるようになってきました。

アドネット九州の強みは?

お客さまにとっては「コストパフォーマンスもレスポンスもいい」というところだと思います。

実際Web制作会社でドローンを飛ばせるところは、まだ多くないと思うんですよ。ドローンを飛ばして撮るだけで数十万円はかかるところを、弊社なら空撮データを納品するだけではなく、そのあとの映像編集、Web掲載、VR制作への活用を全部込みで、しかも低コストでご提案できるところが魅力だと思います。

ホームページに社員旅行の様子がアップされていました。皆さん仲が良さそうですね。

そうですね。ギスギスしていないというか。もちろん最低限の礼儀はあって当たり前ですけど、社員同士仲がいい、風通しがいいのが一番だと思います。僕は社長と思われていないかもしれないです(笑)。

今、社員は何人いらっしゃいますか?

9人です。僕が36歳で、年上が2人、あとは20代と、全体的に年代が若いです。若い人は固定観念があまりないので、聞く耳を持ってくれると感じています。実際にこれをやってみたいと、積極的に相談もしてくれますね。若い世代が楽しく働いて、いろいろできるのは弊社の誇れるところだと思います。

スタッフには何を求めますか?

基本的に楽しくやってくれたら。仕事が楽しくできないと、やっぱり続かないと思うんですよ。嫌々やるようになって、こなし作業になると新しいことも生まれないでしょう。とにかく楽しく、個人が自発的にいろいろ工夫してやってもらえればいいなと。

 

自らを奮い立たせ、とにかく挑戦

仕事に対して大切にしている考え方はありますか?

「とりあえずやってみよう」でしょうか(笑)。「為せば成る」とはちょっと違うのですが、なんとかしなきゃいけない状況で、自分で自分のお尻を叩いて発奮するみたいな感じですね。

そうしてきたことで、いろいろなお客さまと知り合えたというのは確かにあるんです。なんとかやっていけているのは、そのおかげだと思います。

今後力を入れていきたい事業は?

ドローンとWeb制作はそのままに、去年の2月から始めたVR事業に力を入れていきたいです。また他にも新しいことを取り入れていきたいですし、さらに業務提携先をもっと広げていきたいですね。

アドネット九州の未来像を教えてください

今の事業をもっと広げ、かつ新しいこともやっていきたいです。自社ビルを立てて、会社の儲けを、ちゃんと社員全体に還元して、社員の年収も上げていきたいです。社員旅行も海外に行けるようにしたいですね。社員数は20人、30人は確保したいです。

最後にクリエイターを目指す方にメッセージをお願いします

自分がやりたいと思うことがあったらとにかく一度挑戦してみて、ときには失敗も経験したほうがいいと思います。失敗を恐れていたら進めないですし、成功の確率は100%ではないからですね。

いろいろ経験することで自分のスキルアップになればいいかなと。「楽しくやることが1番」ということを伝えたいです。

取材日:2021年11月8日 ライター:中島 敬子

株式会社アドネット九州

  • 代表者名:北原 雄太
  • 設立年月:1998年2月
  • 資本金:1000万円
  • 事業内容:ドローン空撮、映像制作、ホームページ制作、オリジナルサイト制作・運営、販促キャンペーン・観光キャンペーン等の企画・制作、EC撮影・派遣キャスティング、ライブ配信者の育成・マネジメントなど
  • 所在地:〒810-0011 福岡市中央区高砂1丁目11-1 福岡ゼネラルビル6階 
  • お問い合わせ先:092-534-8320
  • URL:https://www.adnetkyushu.com/

 

 

 

 

 

 

 

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP