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ミッション6 国旗検定1級に合格せよ!

ミッション6
電通第5CRプランニング局 クリエーティヴ・ディレクター / コピーライター 門田 陽

すっかりあけまして!
2018年のクリエイティブ探検隊、スタートです。と言っても指令が出たのは昨年の11月。国旗はどんなメジャーなロゴやCIよりも認知されているマーク。ある意味デザインの基本のキが集約されているのでクリエイティブを生業とするなら知っているに限りますし、正直自信ありなのです。小学4年生のとき、学級新聞の委員だった僕はオリンピックの記事を書くのに国旗を調べて詳しかった過去があるからです(ニヤリ)。

写真①

<ゲゲッ、世界って何か国あるの?>
さて、何かを始めるとき僕は決まって本屋さんに身を委ねます。今回、何はともあれ購入したのは蔭山英男氏監修の「辞書びきえほん国旗(※写真①)」です。この本によれば世界には全部で197の国旗があるそうです。
ゲッ、ヤバそうだな、というのが第一感。国ってそんなにあるのですね。小手調べにまず一ヵ国ずつ旗を見ながらどこの国か言えるかをやってみました。結果、197ヵ国の内わかったのは65ヵ国。正解率33%。これはショック。まさかこんな馬鹿な、トホホです。因みに国旗検定1級は全100問で合格するには78%の正解が必要です。これではまるで話になりません。

<三つの誤算、こんなはずでは!?>
子どもの頃に覚えたことって、忘れないと言うけれどなぜ覚えていないのか?フシギに思いちょっと調べてみました。小学4年生のときの学級新聞で特集を組んだのはミュンヘンオリンピック。メダルを取った全部の国の旗を色鉛筆で描いた記憶がはっきりと残っています。その数なんと48ヵ国。ほとんどがメジャーな国です。で、このとき覚えた国旗は全て正解しています。つまり何のフシギでもなく元々覚えていた数が少なかったのが第一の誤算。二つ目の誤算は当時から40年以上経ったいま、国が随分変わったことです。国が変われば国旗も変わります。本を買ってこのことに気付いたのが11月10日。第三の誤算は試験日が12月2日。つまりもうあと三週間しかないのです。

<あの頃はソ連だった何もかも>
1972年のミュンヘンオリンピックのメダル獲得数上位5か国はソ連、アメリカ、東ドイツ、西ドイツ、日本(この大会、日本は大活躍で29個のメダルを獲得)です。そうです、このうち3ヵ国が現在は違う国なのです。特に金メダル50個とブッチギリの第1位のソ連が今はもうないのです。あの旗が懐かしい。

旧ソ連はロシア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドバ、エストニア、ラトビア、リトアニア、アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、キルギス、タジキスタンと15の国に分かれました。当時僕が大好きだったソ連の体操選手オルガ・コルブトは今ならベラルーシの選手ですし、憎き女子バレーボールチーム(日本が負けた)のリスカルとスモーレアは今だとアゼルバイジャンとカザフスタンで別チームです。あんなにデカけりゃ、そりゃあ強いはずですよ。アレクセーエフというとんでもなく抜きんでた重量挙げの選手もいたよなぁ。あの頃スポーツは夏も冬もアメリカよりもソ連のほうが強かったと記憶しています。

<似ている旗が多すぎる!>
そういうわけで、急遽臨戦態勢で国旗の暗記に取り掛かりました。アカン、全然覚えられません。それこそ暗記なんて何十年ぶりかもしれません。もう僕には海馬は残ってないようです。いやいやそれにしても微かな暗記力をあざ笑うかのような旗が多いのには困ります。これって、エンブレムなら間違いなく訴えられそうなレベル。

左からギニア、マリ、セネガル、カメルーン、
いずれもアフリカの国です。次に、

左からエルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、アルゼンチン、こちらは中米と南米の国々。いずれもブルーのラインの間に星や山や太陽等を挟んでいます。また次に、

左からブルガリア、ハンガリー、タジキスタン、イランも覚えにくいです。さらに紛らわしいのが、

左からアラブ首長国連邦、クウェート、ヨルダン、スーダン、どれがどれだかです。そして極めつけは、

左からポーランド、モナコ、インドネシアですが、もはやモナコとインドネシアは見分けられません。正確には天地左右の比率が微妙に違うのですが、国連等の場では全く同じ。
おすピーよりも似ています。共に歴史が古く一時期モナコがインドネシアに国旗を変えるように抗議をしたこともあったそうですが、インドネシアはスル―したそうです。もうひとつ、

左がルーマニアで右がチャド。こちらも宗兄弟レベルでそっくりそのまま。このあたりから正直暗記はどうでもよくなってきました。
どうせ覚えられないけど、なんだかデザインが楽しくなってきたのです。変わった国旗も少なくないです。

左からアルバニアは双頭の鷲、スリランカはライオン、ブータンは竜、ドミニカ国はインコとその国を象徴する動物が描かれています。

<こんな国旗に誰がした?>
どうしちゃったのかなぁ、という国旗もあります。その代表は

世界一複雑な国旗と言われているトルクメニスタン。絨毯の模様をあしらっているそうですが、これを何も見ずに書ける国民はいるのでしょうか。日本でよかったです。あと、

左からツルがひょうきんなウガンダ、ゆるキャラにしか見えないジンバブエ、国旗に人の絵が妙なベリーズも秀逸。しかしそれらを抑えてThe Most どうしちゃったのかなぁ、はズバリ

キリバスの国旗です。見れば見るほど大漁旗ですね、いいぞキリバス!面白いぞ!!

写真②

<いざ本番>
そんなことをやっているうちにあれよあれよと時間は過ぎて試験当日になりました。結局全部覚えるのはあきらめて、前日一夜漬けで150ヵ国、約8割までは覚え、あとは運を天とアッコにおまかせの気持ちでした。会場は東京大学。生まれて初めて東大の門をくぐると思ったらテンションが上がり駒場キャンパスなのに間違えて本郷に行ってしまい大慌てで乗り換え遅刻ギリギリで会場到着。いい天気でした(※写真②)。受験生は想像以上に少なくて(全国各地で同時開催なので他はわかりませんが)大人は僕を含めて4人、残り20人弱は小学生です。試験監督がスマホや電子機器は鞄にしまうようにという昔学生の頃にはなかった諸注意が述べられた後、「では始め」の声で試験開始。ビニールに入った問題用紙と答案用紙を取り出しました。試験時間は50分、全100問です。

写真③

<最後の誤算>
問題を開いた瞬間にポカンとしました。国旗がそんなに沢山ありません。100問の内50問は記述式で「キューバの国旗制定の年号を答えなさい」とか書いてあります。僕が練習に使っていたアプリや過去問は3級までのマークシートでしか通用しないとわかったのは試験終了後。続々と途中で試験を終えて帰っていく小学生を涙目で見送り、まるで答えを埋められずに50分経ちました。試験問題の持ち帰りは禁止。受験料5,076円(税込み)、またひとつ勉強になりました。帰りに教室の外の学生掲示板に貼ってあったチラシに心が少し奪われたのは試験で弱っていたからでしょうか(※写真③)。

写真④

<任務結果>
試験結果は翌週メールであっけなく届きました。言うまでもなく不合格(※写真④)。なめてました。勉強不足。100問中正解は58問。合格までには20問も及びませんでした。クリエイティブ探検隊6回目にして初のミッション失敗です。その中での収穫は日の丸がシンプルで素敵なことを再認識したのと、理由はないけどセーシェルの国旗が好きになったことでしょうか。銀河鉄道999の鉄郎が「メーテル!」と叫ぶあんな感じの「セーシェル!」なのです。

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