コラージュは、実在するものの新たな組み合わせ、関わり合いを生む魔法。

現在、東京都庭園美術館で、岡上淑子さんの初個展が開催されています。

岡上淑子さんは、19世紀の日本で、思いつくままにコラージュを始めた無意識のアーティストでした。というのも、彼女は学校の課題で、気に入った雑誌を組み合わせるという手法に目覚め、ただ趣味の延長でコラージュを制作していたのです。

この時代、ヨーロッパではシュルレアリスムが台頭しており、彼女の作品は偶然、時代にマッチしていました。そのため、岡上淑子さんは一躍その名を轟かせました。

シュルレアリスム含め、彼女のコラージュには、不気味さの中にその怪しい魅力が潜んでいます。

特に彼女の作品では、美しい女性モデルやオートクチュールが登場します。写真の作品からはどれも、秘密の花園に迷い込んだような感覚を覚えました。

踏み込んではいけないような、しかし覗き見たいような…。それは、立ち入り禁止区域に興味をそそられてしまう心境と同じなのかもしれません。時には不思議の国のアリスの気分で、異世界へと迷い込んでみてはいかがでしょう。

異世界の入り口はこちらになります↓

東京都庭園美術館『岡上淑子　フォトコラージュ　沈黙の奇蹟』

写真：自主撮影

クリステ編集部：野口由貴