F/Tに行ってきましたレポ

先週フェスティバル/トーキョー17に行ってきました!
フェスティバル/トーキョーとは?
演劇×ダンス×美術×音楽...に出会う、国際舞台芸術祭 です。
日程は9月30日〜11月12日まで。
今回わたしが観たのは
ままごと(劇団)の主宰、柴幸男がこの為に手がけた意欲作です。
これは【隣り合う二つの劇場で、同時刻に、同じ俳優たちによって紡がれる、「距離」をテーマにした作品】なのだそう。
会場である東京芸術劇場にはイーストとウエストの2つの隣り合った劇場があります。
つまり、俳優は劇場から劇場へ移動し、同時進行で2つの作品を上演しているんです。
目がまわりますね...
↓ロビーの様子
この作品は、生まれてから死ぬまでのわたしの人生を、わたしと同時刻に生まれたあの子と一緒に描いていました。
わたしが産声をあげるとき、隣で産道に首が詰まって死んだあの子。わたしが登校しているとき、地震で瓦礫にぺちゃんこになって死んだあの子。わたしが子どもを授かったとき、とある劇場で爆破テロが起きて死んだあの子。
はじめは泣き虫だったわたし。は、あの子との物理的な「距離」とともに、泣くことが少なくなっていきます。
あの子が死に続けることで、わたしは生き続けることができる。 というおはなしでした。
自分は今まで生きてきて、たくさんの人が死ぬような大きな悲劇には立ち会ったことがありません。
幸福に生きてきたのかな、と思いました。
理不尽な悲劇に見舞われたことがないから、本当の意味で悲しむことはできない。
「私たちは生まれてすぐ、もらい泣きをするんだよ」とあの子が言っていました。
当事者ではない自分は、どこかの悲劇にただただ、もらい泣きをするしかできないんだと思います。
でもそれだけで終わらせる事のないようにしたい。その悲劇を知ったり伝えたり、自分なりに向き合うことが幸福に生きたわたしにできることなのかなと思いました。
これから悲劇に見舞われるかもしれない自分もいるでしょう。
ただかわいそうだな、というふうにならないためにも理解する姿勢を持ちたいと思いました。
この劇は終演しましたが、催しはまだ続きます。
ぜひ、あなたの感じたことのない世界へ
クリステ編集部 小森ひなた