「社交街」という言葉、聞いたことがある方はいるだろうか？私は沖縄に来るまで、聞いたことも見たこともなかった。字面だけ見ると、社交界的な華やかな場所をイメージしそう。しかし実際の「社交街」は、そんな美しくて上品なイメージとはかけ離れた場所である。

社交街とは、たぶん沖縄独特の言い方だと思うのだが、歓楽街のことを差す。沖縄には各地に、この社交街と呼ばれるところがある。そしてたいていの社交街が、なんだか寂れてしまっている。

おそらくかつては賑わっていたであろう社交街。その名残がそこかしこに見られるけれど、私はなんだかちょっと怖さを感じる。大げさに言うと、かつての人間の欲望みたいなものが、亡霊のようにうろうろ彷徨っていそうなのである。

しかしそんな社交街の、ケバケバしさと、いかがわしさと、廃れてしまった悲しみが入り交じったようなノスタルジーは、フォトジェニックでもあるようで、度々写真や記事で取り上げられている。

そして社交街の中には、若い世代ががんばって再び活気を取り戻しているところもある。東京でいうと、新宿の思い出横丁とか吉祥寺のハモニカ横丁みたいな感じなのかな。そんなところでたまに飲むのも、趣があっていいもんだ。