職種その他2019.11.27

リオのスラム街が舞台の最新映画、大阪、横浜で上映!

東京
編集ライター
映画とラテンと音楽と
JUNTO

 ブラジルにはファヴェーラと呼ばれるスラム街があります。
おもにリオデジャネイロやサンパウロなどの都会で、不法に建築された家々が立ち並ぶ地域を指します。
リオデジャネイロは風光明媚な観光地で、海岸の景観や、崖の上に立つキリスト像など、見どころもたくさんありますが、
リオの丘に所狭しと立ち並ぶファヴェーラもまた、リオならではの景観の一つとなっています。
 このファヴェーラが舞台の映画は数多く作られていて、多くが、暴力や、ドラッグ密売を扱っています。
映画の影響もあるのか、ブラジル=犯罪 と恐れる人も多いでしょう。
実際に犯罪率は高いですし、都会の家々は頑丈な鉄格子と監視カメラでしっかり警備されています。

 始めて私がブラジルにいった時は、最初は街を歩くのも怖くて、常に緊張している状態でした。
実際に長く暮らしてみると、人は優しいし、食べ物はおいしいし、人と多少違っていても何も言われず、規則も緩く、おおらかで…。
 いいところもたくさんあります。

 ですが、今日はあえてブラジルの負の部分を扱った、日本で見られる映画をご紹介します。

 世界的にもっともヒットしたのは2002年に公開された『シティ・オブ・ゴッド』でしょう。この映画は、ずばり『仁義なき戦い』ブラジル版。
子供たちが武器を持ち人を平気で殺し合うシーンに衝撃を受けました。

 2007年には『エリート・スクワッド』という作品もブラジル国内で大ヒットし、話題になりました。日本では続編の『エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE』ともに、DVD発売されています。これば、ファヴェーラの麻薬組織と警察の特殊部隊の戦いを描いています。

 どちらも若干古い作品ですが、今年の第16回ラテンビート映画祭では、ファヴェーラが舞台の最新映画『ファヴェーラの娘』も上映されています。
この作品は、リオデジャネイロ五輪が開催された2016年が舞台。
実際にリオで撮影されていて、リオの景色やファヴェーラの街並み、長い坂や階段など、人々の暮らしが垣間見れる作品で、スクリーンでみると、その臨場感に圧倒されます。

ラテンビート映画祭は、新宿会場は終了しましたが、横浜(11月29日~12月1日)、大阪(12月6~8日)でも開催されます。

ファヴェーラの娘
 13歳の少女タチは、リオのファヴェーラ(スラム街)で母と暮らしている。
生活は苦しかったが、親友のレチとお洒落をしてダンスを披露するなど、楽しい時間も過ごしていた。
ある日、彼女の父ジャカが14年ぶりに刑務所を出所して戻ってくる。
ジャカは裏社会から足を洗い家族との平和な暮らしを望んでいたが、ファヴェーラを支配するネルソンはジャカを目の敵にする。
 リオの丘に造られた巨大なファヴェーラ「モッホ・ドス・プラゼーレス」が撮影に協力し、米国人の映像作家パクストン・ウィンターズが7年の歳月をかけて取り組んだ作品。『レスラー』『ブラック・スワン』の監督として知られるダーレン・アロノフスキーが製作を務めている。
 9月末開催の2019年サン・セバスティアン国際映画祭では作品賞・男優賞・撮影賞の主要3部門を受賞した。
監督:パクストン・ウィンターズ/出演:カシア・ナシメント、ブカッサ・カベンジェレ、デボラ・ナシメント/2019年/ドラマ/ブラジル・米国/120分/(c)ラテンビート映画祭

プロフィール
編集ライター
JUNTO
普段は固めの記事広告ライター。ときどき映画やラテン絡みでもお仕事してます。 10年前に2年ほどブラジルに滞在して以来、ラテンカルチャーを日本で広めようと奮闘中。 写真は建築家オスカー・ニーマイヤーが設計したリオのニテロイ現代美術館。

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