職種その他2019.08.08

県産本のはなし

沖縄県
ライター
沖縄あれこれ
仲濱淳

沖縄最大の書店といえば、首都圏では当たり前のようにある「ビル一棟丸ごと」本屋の、那覇にあるジュンク堂。種類豊富な書籍が並ぶ中、この書店最大の、さらに他県ではあまり見られないであろう特徴が「県産本」の充実ぶりだと思う。

県産本、つまり沖縄県内で発行された本が、とにかく多いのだ。店内で一番目立つ場所である1階の入り口近辺に一つ目の特設コーナー。そして2階のエレベーター前にも、2つ目の特設コーナー。歴史物、タウンガイド的なもの、小説、料理などなど、そのジャンルは多岐にわたる。

ジュンク堂意外にも、専門の書店があったり、エッジの効いたお土産店にも並んでいたりする県産本。なぜこれほど多いのかというと、沖縄特有の文化や歴史に由来するようだ。

沖縄は、よく移住者の間で言われるのが「日本の中の外国」みたいだということ。日本語という同じ言葉を使いながら、年中行事、料理、音楽、本土とはあらゆる点で異なる文化を持つ。そんな独自性の高い文化を持っているため、沖縄の人たちの手でオリジナルの本を作った、という説がある。また、戦時中やアメリカ統治時代は本土から本を仕入れることが困難であったため、という説も。

かくして「県産本」市場は今でも盛況で、ジュンク堂では売れ筋ランキングの上位に入ることもしばしば。沖縄土産に、いつもとちょっと趣向を変えて、県産本を一冊買ってみるのもオススメですよ。

プロフィール
ライター
仲濱淳
雑誌・WEBマガジン編集職を経て、3年前よりフリーランスライターとして沖縄県で活動中。アラフォーだけどいつまでも厨二病が抜けないのが悩み。

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