職種その他2020.02.11

文化や教育の地域格差

北海道
ライター・エディター
かーちゃんライターのつぶやきアレコレ
小山佐知子

はいこちら、皆さんご存じ(?)、東京大学の安田講堂です。
お恥ずかしながら私齢38にして、生東大、初めて見てきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは図書館。
ゴシック調の石造りの建築様式でかっこよかった。あそこで学んだらたしかに賢くなれそうな気がする。
中学生でこの経験をしていたら、東大を目指して勉強を頑張っていたカモシレナイ・・・(現中学生の息子に期待)

もちろん、中学生の時も東大の存在は知っていましたが、自分の進路の選択肢にはありませんでした。
「成績が悪いからいけない」とか「東京は無理だよね」とかってレベルの話ではなく、
なんというか別の世界の話というか……。

私が18歳まで育った町は、関東の方には想像もできないようなものすごい田舎です。
教育機会や環境が劣っているのはもちろん、上記のような経験や文化的なものに触れる機会もすごく少なかったと思っています。

地元には劇場や美術館や博物館はない。
それどころか映画館も本屋もない。(吉幾三的なw  ちなみにパン屋もない)
しかも、自分の町にないだけでなく、近郊にもない。

電車は廃線、バスは3時間に1本、バス代も高額で、車を持たない学生は1人で町の外に出ることはほとんどできません。
本屋がある隣町にバスで行こうにも、バス代だけで往復1500円かかっちゃいます。

通える範囲に大学もないから、町内に大学生は存在しません。
私は18歳で札幌に来るまで美術館や博物館に行ったことは一度もなく、
映画館で映画を見たことも本当に数えるほどしかありませんでした。2回くらい・・・?

大学も演劇も舞台も美術も映画も、知ったうえで興味がなくて関わらないのはしょうがないのですが、
知る機会、触れる機会すらなければ興味を持てないのは当然で、それはだれの責任でしょう。

田舎の教育格差や貧富の差が問題となっていますが、それよりも根本的な問題として「見たことない、知らないから選択肢にあがらない」んです。
そして恐ろしいのは、無知である間は、自分が無知であることに気づけないということ。

今はインターネットがあり当時と比べて情報格差は減ってきてはいますが、それでも結局知らないことは検索できません。

私は現在札幌に暮らして、東京と比べると少ないけれども劇場や美術館もある。
でも、私自身がそのような文化にまったく触れずに18年生きてきてしまったので、なかなか見に行く行動には移せず、そんな親と暮らしている我が子たちもまた文化に触れる機会から遠ざけてしまっているのではないかと怖くなることがあります。

「子供にはいろんな体験をさせて、選択肢を増やしてあげたい」とは親がよく言う言葉ですが、なかなか難しいものですね。
親が言うその「選択肢」すら、親自身が知っている範囲でしか考えられない。

今からでも遅くない!
そう思って、東大を見に行った次第です。
ほんとにただ見ただけですが、楽しかったです!
(正月の夫実家帰省のついでです。早稲田大学も見てきました。)

これからも少しずつでもこんな機会を増やしていきたいと思っています。

プロフィール
ライター・エディター
小山佐知子
北海道で生まれ育って30ウン年。北海道以外の土地で暮らしたことのない、生粋の道産子です。産休育休時短勤務や異動などを経てサラリーマンに区切りをつけ、気づけばフリーランス。紙媒体出身ですがWeb系のライティングも勉強中です。

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