職種その他2020.11.26

家紋のはなし

北海道
ライター・エディター
かーちゃんライターのつぶやきアレコレ
小山佐知子

自分の家の「家紋」はご存知ですか?

考えたことなかった!という方、仏壇やお墓を見てみてください。
そこに、家紋、あります。

 

家紋の始まりは、平安時代の公家が衣服や持ち物にそれぞれの家を区別するための目印を付けたことといわれています。
後々には、その家にゆかりのあるモチーフを取り入れたデザインが正式な紋として取り入れられていきます。

たとえば、皇室の「菊花紋」は、鎌倉時代の後鳥羽天皇が菊の花を好み、天皇家の調度品に菊の紋を取り入れてたことが由来といわれています。

 

家紋は、江戸時代になると庶民にも広がっていきます。
どんな文様にするかは、わりと自由に自分で決められたようですよ。

職人や商人にとっては自分達の商売を表すロゴ的な役割もありそうですが、農民にとっては完全に装飾ですね。

苗字のように、地域によって特色があったりもします。
ルーツを遡るのもなかなか面白いです。

 

ちなみに、我が家の紋は「揚羽蝶」。


夫は興味がなくて把握してなかったのですが、夫の実家で墓石に入っているのをつい数年前に確認しました。

優美な文様なので、古くから公家にも愛用されていたそう。
たしか、平氏の家紋も揚羽蝶。
紋は左右対称のデザインが多く、蝶のように左右非対称の文様はちょっと珍しいみたいです。
デザイン的にも珍しくて素敵なので、いつか蝶紋入りの着物を仕立てたいなーと狙っています。

 

私の実家の紋は「五三桐」。


桐紋は将軍家でも使われていた紋で、上級階級が多く使っていました。
内閣総理大臣紋章や、パスポートにも入っていますよね。
庶民に紋が広がった後も、たくさんの人が好んで使っています。

「フリー紋」的に、デザインや装飾としてとりあえず紋を入れようって場合にも選ばれることが多い紋です。
貸衣装に入っているのもだいたい桐紋。

紋は自由に決められるので実家の紋も、受け継いだのではなく曾祖父あたりが突然勝手に言い出した疑惑が……笑
祖母から受け継いだ着物に紋が入っていました。

実家は商売をやっているので、家紋とは別に「屋号」も持っています。
屋号の話もまたいつか……

 

母の実家の紋は「木瓜紋」。


これも、一般的に広く使われている紋のひとつです。
古くは、木工職人に関わった職業の家系が多いようです。
世襲じゃないから関係ないけど、祖父は大工だったなあ……今100歳で存命です!
大きな仏壇とお墓、着物に紋が入っていました。

 

一般庶民の私の生活には全然関係ないけど、なぜか受け継がれ、
でも遡るとちょっとおもしろい日本の文化。

家紋はどこかに登録するわけでもないので、墓石や仏壇、着物などに入れて継承されていきます。
最近は墓も仏壇も着物も持たない人は少なくないので、そんな家では忘れたら終わり(笑)

今はすべての人に苗字があり、字も読めるので「家を区別する」という本来の役割は薄れていますし、
そうなったら自分の代から新しく家紋を決めてもいいかもしれません。
家紋は、確認されているだけでも約2万種類くらいあるそうです。
新しいデザインを作って身につけるのもおもしろいかも。

 

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これは祖母→母(嫁)に引き継いだ着物。実家の桐紋が入っています。息子の卒業式で着用させてもらいました。あと何年したら私のものになるかしら……。この帯も(が)欲しい。

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同じく祖母からのおさがり着物。桐紋入り。60年以上前に曾祖母が手縫いで仕立てた年代物です。紋は白縫いで入っているのでほとんど目立ちません。

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これはリサイクル着物なのですが、同じ桐紋が入ってます。人の家の紋はわからないので、違う紋が入っていてもさして大きな問題はありません。(葬式とか一族が集まるときはバレるけど)

プロフィール
ライター・エディター
小山佐知子
北海道で生まれ育って30ウン年。北海道以外の土地で暮らしたことのない、生粋の道産子です。海と山に挟まれた人口5000人の極田舎出身で時代の流れについていくのにやっとです。

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