WEB・モバイル2021.03.04

ハーバルセラピストの推しハーブ 花粉症やインフルエンザに「エルダーフラワー」 

Vol.13
編集者・シニアハーバルセラピスト (JAMHA認定)
メディカルハーブライフ
二橋彩乃

これまで、この連載でいくつか「ハーバルセラピストの推しハーブ」をご紹介してきた。

……いくつ推しがあるんだというご指摘をいただくかもしれない。

でもハーブを学んでみると、声を大にして言いたくなることがある。
それは「相乗効果って最高だよね!」。

1つのハーブには、数十~数百と言われるほどたくさんの作用がある。
主に1つの症状に狙い撃ちする医薬品との大きな違いだ。

そして多くの種類をブレンドすることで、お互いのハーブの作用を強めたり引き出したりと、
いろいろな悩みに多様に適応できるようになる。


というわけで、推しても推しても推したりないのが本音だが、
なるべく手に入りやすく、ブレンドを楽しみやすいハーブに絞っていきたいと思う。

そんな今回は、今の時期におすすめの「エルダーフラワー」

 

日本では「西洋ニワトコ」とも呼ばれ、レンプクソウ科(スイカズラ科)に属している。
使うのは主に花部で、小さくて白い花は見た目もかわいく、人気のハーブだ。
ほんのりとマスカットのような甘めの香りがある。

そんなエルダーフラワーは呼吸器系のトラブルによく使われる。
「インフルエンザの特効薬」と呼ばれ、
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど、風邪や花粉症の症状にも効果的だ。

エルダーフラワーの主な作用は、以下の通り。

  • 発汗
  • 利尿
  • 抗アレルギー


風邪で発熱したとき、汗を出して熱を下げたり、
尿を出して体内を浄化し、花粉症のアレルギー症状をやわらげてくれたりする。
利尿作用は、むくみの改善にもおすすめだ。

シングルはもちろん、例えばこんなハーブティーのブレンドもおすすめ。

<花粉症>
エルダーフラワー(2g)/ペパーミント(1g

<風邪・インフルエンザ>
エルダーフラワー(2g)/リンデン(1g

ペパーミントの清涼感とエルダーフラワーの抗アレルギー作用で、鼻づまりを改善したり、
発汗作用のあるリンデン(vol.7をご参照)とのブレンドで、
熱を下げる相乗効果を狙ったりする。

ハーブティー以外でも、砂糖を煮詰めて作る「エルダーフラワーコーディアル」が有名だ
vol.4をご参照)。

 

ちなみに、「ハリーポッター」には魔法の杖「ニワトコの杖」が登場する。
そのニワトコの木の花がエルダーフラワーだが、
古くからエルダーフラワーには魔除けの効果があると信じられてきたからだそう。

ヨーロッパだけでなく、アメリカの先住民の伝統医学でも使われてきた、
歴史あるハーブの一つである。

季節の変わり目や、風邪のひきはじめ、花粉症でつらいときなどに、
ぜひエルダーフラワーを活用してみてほしい。

 

※持病や服用中のお薬等によりハーブの使用が不安な場合はかかりつけ医などにご相談ください。

 

プロフィール
編集者・シニアハーバルセラピスト (JAMHA認定)
二橋彩乃
デザイン、アート、生活実用など、多分野での書籍・イベントの編集経験を経て、独立。独立後の仕事に『使える禅』(編集・執筆/朝日新聞出版)、『美術館&博物館さんぽ 首都圏版』(編集/ぴあ)、雑誌「セラピスト」(取材執筆/BAB)など。現在は主にwebメディア(占い系、サステナブルなど)で執筆中。忙しい人のセルフケアに、メディカルなハーブの魅力を伝えるべく活動中。ハーバルセラピスト、シニアハーバルセラピスト、メディカルハーブコーディネーター(JAMHA認定)。

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