WEB・モバイル2021.02.18

ハーバルセラピストの推しハーブ 定番&万能ハーブ「ジャーマンカモミール」

Vol.12
編集者・シニアハーバルセラピスト (JAMHA認定)
メディカルハーブライフ
二橋彩乃

免疫力アップのハーブ「エキナセア」、花粉症対策にもおすすめの「ネトル」、
栄養豊富な「マテ」に続き、今回は「ジャーマンカモミール」をご紹介。

ジャーマンカモミールは、世界中で最も有名なハーブかもしれない。
イギリスの童話「ピーターラビット」でも登場し、
母親ウサギが興奮して疲れたピーターにカモミールティーを飲ませてあげる場面も描かれている。

日本では「カミツレ」とも呼ばれ、キク科に属する。
使うのは花の部分で、見た目もかわいい。
(キク科アレルギーの人は要注意)

  
どの家庭でも、市販の薬の常備をしていると思うが、
植物の薬効を生かしたいわば「植物による薬箱」を、「緑の薬箱」と呼ぶ。
ハーブ、アロマ、フラワーエッセンスなどで日常的な健康トラブルに植物を使うのだ。

その緑の薬箱の中でも、ジャーマンカモミールは定番ハーブだ。

炎症を抑えたり、痛みを鎮めたりする作用があり、多くの薬効を持つが、
主にジャーマンカモミールが適応するのは、以下の通りである。

  • 胃炎、胃潰瘍、胸焼け
  • 生理痛
  • 皮膚炎
  • 口内炎
  • 冷え性
  • 不眠(リラックス、緊張をとく)

本当に幅広く使われている。

特にハーブは、自律神経とも関わりの深い胃腸の調子を整えるのが得意だが、
数多ある中でも、ジャーマンカモミールはその代表格である。

ハーブティーは通常、食後に飲むのがおすすめだが、
胃腸のトラブルでジャーマンカモミールを使うときは、【空腹時】に飲む。
ジャーマンカモミールの消炎成分を、胃の粘膜に直接作用させるためだ。

シングルはもちろん、例えばこんなハーブティーのブレンドがおすすめだ。


<胃炎、胃潰瘍>
ジャーマンカモミール(2g
ペパーミント(1g


<空腹時の胃の痛み>

ジャーマンカモミール(3g
マシュマロウ(パウダー1g


<下痢や腹痛>
ジャーマンカモミール(2g
ラズベリーリーフ(2g


ちなみに、ジャーマンカモミールは女性にもイチオシしたいハーブでもある。
ジャーマンカモミールの正式な学名は「Matricaria chamomilla」という。
Matricaria」は、女性の子宮を意味する「Matrix」や、
母を意味する「
Mater」が由来だと言われている。


女性と関わりが深いハーブとして、古代から、
女性の健康トラブルや美容によく使われてきたのだ。
現在でも、ハンドクリームや化粧水、入浴剤などにもよく使われている。


冬から春へ、日によって気温の変化が激しい時期は、自律神経も乱れがち。

日々の体調不良のトラブルに、ぜひ定番ハーブとして、
ジャーマンカモミールを活用してほしいと思う。

※持病や服用中のお薬等によりハーブの使用が不安な場合はかかりつけ医などにご相談ください。

プロフィール
編集者・シニアハーバルセラピスト (JAMHA認定)
二橋彩乃
2つの出版社でデザイン、アート、生活実用など多ジャンルの編集経験を経て独立。独立後の仕事に『使える禅』(編集・執筆/朝日新聞出版)、『美術館&博物館さんぽ 首都圏版』(編集/ぴあ)、雑誌「セラピスト」(取材・執筆/BAB)など。現在は主に占い系メディアで執筆中。特に忙しい人のセルフケアに薬用植物の魅力を伝えるべく、ハーバルセラピスト、シニアハーバルセラピスト、メディカルハーブコーディネーターと3つの資格を取得して活動中(すべて日本メディカルハーブ協会認定)。

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